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化膿性関節炎/手脚関節部/手脚部/痛みと病気
黄色ブドウ球菌などが何らかの原因により、関節内に侵入し、細菌感染を起こして急性の関節炎を発症しま
す。放置しますと関節を破壊し、重大な機能障害を起こす疾患です。発症部位は膝関節が最も多く、股・肩・
手・足・肘の各関節部に至っております。
§1 化膿性関節炎(痛み・病気)の症状/化膿性関節炎/手脚関節部/手脚部/痛みと病気
§2 化膿性関節炎とは/化膿性関節炎/手脚関節部/手脚部/痛みと病気
近年の傾向では、高齢者へのステロイド薬や、ヒアルロン酸などの関節内注射などが原因で、細菌が関節
内に侵入し、感染を引き起こすケースも増加しています。
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医源性感染では、糖尿病、肝機能障害、腎機
能障害、 関節リウマチなどの基礎疾患をもつ
患者さんや、抗癌薬、ステロイド薬、免疫調整
薬などの薬剤の 長期服用の患者さんなどの
易感染性宿主なども感染し易い傾向にありま
す。 外傷性の疾患では初期治療で、感染防
止のための対策の適切な処置や、抗生物質
の適切な投与により、大幅な減少傾向にあり
ます。 |
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§3 化膿性関節炎の検査/化膿性関節炎/手脚関節部/手脚部/痛みと病気
症状がどの様に出てきたのか、関節注射をした経緯があるのか、などは化膿性関節炎を疑う情報になりま
すが、その上で、穿刺して関節液を調べ、その状態を確認します。
化膿性関節炎の場合には、多くの場合
黄色ブドウ球菌による感染で、その性状は黄色の膿状であり、濁っています。弱毒性の菌による感染では、
漿液性であり、濁りもそれ程では有りません。確定するためには、関節液の塗抹鏡検や培養を行い、細菌
を特定し、 同時に薬剤の感受性を調べます。 その際培養による陽性率は70%程度といわれ、陰性であっ
ても感染を否定できない状況にあり、判定は総合的に慎重に判断されます。 (病理組織検査で好中球・微
小膿瘍の確認も行い診断されます)培養時に可能であれば、関節液の白血球数(5万以上)や糖値(40mg
/dL以下)の確認により、より感染の可能性を探ります。
関連検査値・関連検査
白血球 *・赤血球沈降速度亢進・CRPの上昇・動脈血培養(重症例)・MRI・X線、運動器疾患検体検査
§5 化膿性関節炎の療法/化膿性関節炎/手脚関節部/手脚部/痛みと病気
患部を守るために迅速に治療は開始されます。(関節機能の損なわれる速度が速い事が実験で確かめられ
ております。)
保存的療法としては局所を固定し、安静にします。原因の細菌が判明するまでの処置としては、原因菌の多
くが黄色ブドウ球菌でもあるので、それを想定してセフェム系抗生物質あるいは、耐性ブドウ球菌用のペニシ
リンの静脈への点滴を開始します。 場合により、早期の感染の鎮静を考課し、広域スペクトラムの抗生物質
を選択する事もあります。 その間に原因細菌が特定されれば、直ちに有効な抗生物質への切り替えを行い
ます。 疼痛対策として、関節穿刺により関節内圧を減少させ、穿刺を繰り返したり、同時に生理食塩水で洗
浄して、抗生物質を注入する事も効果があるとされます。但し、2〜3日の保存的治療で改善が認められな
い場合には、保存的治療に拘らずに、観血的治療に切り替える必要性が検討されます。
観血的治療は関節鏡視下で壊死組織の除去や滑膜切除の後、関節内から排出される排液が澄明になるま
で、充分な洗浄を行います。その後、関節内に二重セイラムチューブを留置して、7〜14日間、閉鎖的持続
洗浄法(生理食塩水1Lに、感受性のある抗生物質を溶かし、それに10%ポビドンヨード液を混入し、3L/日の
洗浄液として使用する。)にて、関節内の洗浄を行います。本方法は膝・股・肩など全ての関節感染症に有効
な手段とされております。 関節鏡視下手術で改善されない場合や、手術時に既に骨変化を起こしてしまって
いるケースなどでは、関節切開を行い、広範に滑膜を切除してから持続洗浄を行うことになります。
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治療は細菌培養が陰性化しても、更に局所・
炎症の状況を 確認しながら判断され、 抗生
物質の点滴も赤沈値やCRPが正常化するま
で原則として継続投与されます。(感染後滑
膜炎は、 炎症反応が正常化しても、患部の
局所腫脹や熱感は持続する状態であり、こ
の様なケースは多いとされます。 これは免
疫反応であるとされております。 |
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§4 化膿性関節炎のその他の情報/化膿性関節炎/手脚関節部/手脚部/痛みと病気
原因菌は黄色ブドウ球菌が最も多く、免疫力を落とす薬剤の長期服用の患者さんなどでは、弱毒性の菌(
表皮ブドウ球菌・大腸菌・肺炎桿菌・真菌・嫌気性菌など)でも感染してしまうケースも少なくありません。近
年では、薬剤耐性菌の出現でMRSA感染症例も増加傾向にあります。
治療で高気圧酸素療法があり、生
体の持つ自然修復能を促進する治療法として術前や持続洗浄終了後に実施する事は有効であるとする報
告があります。(白血球の殺菌能の増強・抗生物質の殺菌作用の増強・細菌の発育抑制作用・低酸素組織
の修復と血管新生作用など)
予後は治療が早期に開始された場合には、変形なども無く機能的にも良好です。慢性化している場合には、
関節軟骨は破壊され、変形し、疼痛・機能障害も残り、感染が鎮静しなければ、関節固定も検討される事に
なります。早期に治療できるか否かは重大な結果につながります。
関節リウマチ・痛風・偽痛風・変形性膝関節症・骨髄炎などとの鑑別をする必要があります。
* 白血球;白血球数の増加と核の左方偏位を確認
* X線;10日程度経過の後、関節面の骨萎縮や軟骨下骨の朦朧化が出現する。進行すれば、虫食い像や
関節裂隙が狭隘になり、末期に至れば、骨破壊は顕著に確認される。
* MRI;化膿性関節炎は比較的深部の疾患で、この様な疾患にはMRIが威力を発揮する。関節内の腫脹・
骨内変化・周辺軟部組織の変化を顕著に捉える。
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