検体検査/
一般検査 |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
一般検査/尿量
基準値 |
採尿はきちんと全部とる
必要がある。一部でも放
尿しない。蓄尿には夏場
腐敗も注意し冷暗所に保
存する尿失禁や自排尿が
不可能ならカテーテル採
尿となる。 |
欠乏/急性糸球体腎炎、ネフロ
ーゼ症候群、心不全、急性熱
症、高度な発汗、下痢、嘔吐
無尿/慢性腎炎、ネフローゼ症
候群等の重症時、急性腎不全
|
尿閉/結石・腫瘍等による腎・尿路
の閉塞 |
一般検査/尿PH
基準値 |
尿はPH5〜6のことが多く
尿PHのみで異常が分かる
事は少ないので他の検査
と組み合わせる。尿は食
事の影響を受け易いので
反復検査をする。 |
アルカリ性/腎不全、腎盂腎炎
、アジソン病、心不全、利尿
剤、胃液(酸)の喪失など
|
尿白濁/リン酸塩による膿尿の場合
もある。
|
酸性/肺気腫、気管支喘息、呼
吸筋麻痺、糖尿性アシドーシ
ス、重症下痢、激動後乳酸ア
シドーシス、痛風など |
尿白濁/白血球尿(膿尿)、細菌尿
|
一般検査/尿比重
基準値 |
1.010以下を低比重尿
1.030以上を高比重尿とい
う。尿蛋白や尿糖が出て
いる場合、影響を受ける
ので補正する。健常なら
尿量と比重は反比例する
。尿比重と並行して尿浸
透圧値も増減する。 |
高比重尿/糖尿病、脱水(重症
な下痢、嘔吐、発汗)、造影
剤、デキストラン、抗生物質
低比重尿/尿崩症、慢性腎不全
、間質性腎炎、心因性多飲症
、多量の飲水及び輸液
|
蓄尿は出来る限り冷暗所に置いて
保存する。 |
一般検査/尿蛋白
基準値 |
女性の場合、尿道口の清
拭、中間尿を採取できて
いないと.由来の分
泌液混入の可能性がある
。健常でも100r/day以下
の尿蛋白は排泄される。
|
腎前性蛋白尿/心不全、腎静脈
血栓症、悪性高血圧、多発性
骨腫瘍、ヘモグロビン尿
腎後性蛋白尿/尿路感染症、尿
路結石、尿路の腫瘍 |
腎性蛋白尿/糸球体腎炎、ネフロー
ゼ症候群、重金属中毒、紫斑病性
腎炎、糖尿病、SLE腎症、腎不
全、腎盂腎炎、腎嚢胞、Alport症
候群 |
一般検査/尿糖
基準値 |
アスコルビン酸を多量に
含む飲料、還元性薬剤の
服用、は還元作用で、陰
性傾向を示す。糖尿病患
者が必ず尿糖陽性とは限
らないので要注意。 |
一過性/精神的ストレス、頭部外傷、脳出血などに一時的に確認される
|
持続性/糖尿病(インシュリン依存
型、非依存型)、腎性糖尿(血糖
値に異常が無く尿細管再吸収障害
による)、二次的糖尿(他疾患に
随伴して生じるもの、甲状腺機能
亢進症、cushing症候群、下垂体機
能亢進症など) |
検体検査/
一般検査 |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
一般検査/尿潜血
基準値 |
採尿時の尿外観と排尿時
痛、残尿感の確認、女性
は生理日、その前後は尿
潜血陽性となる。又、尿
道口の清拭、中間尿採尿
が出来ていないと.
系の汚染で陽性傾向、患
者の家族歴、服用薬剤な
ども診断上不可欠。 |
腎前性疾患/血友病、血小板機
能異常症、抗凝固剤投与、白
血病
腎性疾患/糸球体腎炎(急性腎
炎、慢性腎炎)IgA腎症、ルー
プス腎炎、間質性腎炎、腎盂
腎炎、腎動脈性血栓症、腎結
石、Nut cracker現象 |
腎後性疾患/尿路感染症(膀胱炎な
ど)、前立腺炎、尿路結石(膀胱
結石、尿管結石など)、悪性腫瘍
(膀胱癌、前立腺癌など)、外傷
・手術、子宮癌・子宮内膜症など
で尿中混入 |
一般検査/尿ウロビリノゲン
基準値
|
ウロビリノゲンは肝・胆道
系から排泄されるビリル
ビンが腸管で腸内細菌に
より還元されて生成され
る。大部分は糞便中に排
泄され、一部腸内に再吸
収され肝に循環し、一部
は肝を通過し、大循環、
腎を経て尿中排泄 |
尿ウロビリノゲン+/溶血性貧血 |
(尿ビリルビン−/溶血性)
|
尿ウロビリノゲン+/肝炎、肝
硬変、薬剤性肝障害、体質性
黄疸 |
(尿ビリルビン+/肝実質性、閉塞
性) |
尿ウロビリノゲン−/閉塞性黄
疸(肝内外胆汁うっ滞) |
一般検査/尿ビリルビン
基準値 |
健常人は陰性、尿ビリル
ビン0.05r/dl未満。血中
濃度が腎での排泄閾値(
2.4r/dl)を超えると尿中
に排泄される。陽性で肝
・胆道系疾患が疑われる
|
(尿ウロビリノゲン+/
溶血性、肝実質細胞性) |
閉塞性黄疸(先天性胆道閉塞症、
特発性総胆管拡張症、胆石症、胆
管炎、胆嚢炎、膵頭部癌、ウィル
ス性肝炎)、肝実質性黄疸(ウィ
ルス性肝炎、薬物性肝障害)、体
質性黄疸(Dubin-Johnson症候群、
Rotor型ビリルビン血症) |
(尿ウロビリノゲン+/
溶血性、肝実質細胞性) |
(尿ウロビリノゲン−/
閉塞性) |
一般検査/尿ケトン体
基準値 |
糖質不足などで糖代謝の
障害が起こると、糖の代
替エネルギー源として脂
肪酸が利用されるが、そ
の際アセチルコリンAが生
成され、更に肝臓でアセ
チルコリンAからケトン体
が造られるため、ケトン
体が尿中に排泄される。
|
強陽性/糖尿病ケトーシス(イ
ンスリン依存型)
陽性/糖尿病ケトーシス(イン
スリン依存型)の疑い*、小児
の強度の嘔吐、下痢による脱
水、長期飢餓・絶食、妊娠中
毒、脂肪の過剰摂取など |
*尿糖が強陽性であれば可能性大。
血糖値も高く、血液ガス分析で
PH、HCO3も低くなる。意識障害、
昏睡、脱水、血圧低下も確認され
危険な状態が考えられ、患者の呼
気にアセトン臭も確認される。 |
一般検査/尿沈渣
基準値 |
尿路感染症が疑われる場
合の採尿は尿道口清拭と
中間尿採尿厳守、女性の
場合は膣、.部の分泌
液が混入すると誤診する
。採尿後、長時間放置は
赤血球、白血球崩壊があ
る。 |
赤血球(5〜8μm、腎炎 IgA腎
症、結石、腫瘍など血尿とし
て多量出現、腎糸球体体疾患
では赤血球の形が瘤状変形)、
白血球(10μm程度 膿尿、尿
路感染症の可能性)、
扁平上皮(20〜100μm)、
移行上皮(20〜100μm尿路異
常、特異性はほぼ無い)、尿
細管上皮(15〜40μm疾患特異
性は無いが、腎実質に異常が
あれば多量出現)、卵円形脂
肪体(20〜70μmネフローゼ症
候群、糖尿病性腎症などの尿
蛋白が強陽性時にみられる)
、硝子円柱(腎疾患、糖尿病
性腎症、高血圧症などで多量
にみられる)、 |
細胞質封入体細胞(15〜40μm非特
異的、尿路感染症では膿尿に伴い
みられる。インフルエンザなどの
ウィルス疾患でもみられる。)、
上皮円柱/ネフロン間質性異常
顆粒円柱/腎障害、大量出現なら急
性・慢性の腎障害、慢性腎不全
ロウ様円柱/腎障害
脂肪円柱/低蛋白血症、ネフローゼ
症候群
赤血球円柱/糸球体腎炎、IgA腎症
、膜性腎症、急速進行性腎炎
白血球円柱/腎盂腎炎、糸球体腎炎
、糸球体及び、間質における炎症
、感染症
|
検体検査/
一般検査 |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
一般検査/便性状
基準値 |
新鮮便でなければならな
い。 |
形状/
軟便〜水様便(下痢便)/腸管
水分吸収不良、蠕動運動亢進
白色下痢便(乳児)/ロタウィ
ルス感染症
兎糞状便(低水分、小塊状硬
便)/宿便や痙攣性便秘
太く、時に硬い便/弛緩性便秘
鉛筆様便/直腸・.付近に痙
攣や狭窄がある。
粘液便/潰瘍性大腸炎、過敏性
大腸炎
粘血便/赤痢、腸炎ビブリオ感
染、潰瘍性大腸炎、クローン
病 |
色調/
赤色便(潜血便)/下部消化管出血
(大腸炎、痔疾、赤痢)
黒色便(タール便)/上部消化管出
血(胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道
静脈瘤破裂)
黒色便(斑点状)/鉄剤服用、炭末
服用
黄〜黄緑色便/高度の下痢便、下剤
服用
緑色便/強い酸性便(小児)、抗生
剤服用
灰白色便/閉塞性黄疸、肝炎極期、
慢性膵炎、バリウム検査後 |
付着/
血液/直腸、.などからの出
血(痔疾、大腸ポリープ、大
腸癌、腸重積症)
粘液(光沢ある透明粘稠な綿
状片)/腸管の炎症、腫瘍
膿(殆ど粘液血液と混在)/大
腸の潰瘍性疾患、細菌性赤痢
脂肪(石鹸カス状、灰白色軟
膏状)/脂肪の消化吸収障害(
慢性膵炎、胆道閉塞)
固形物/胆石、膵石、腸石、糞
石、食物残渣(消化不良) |
臭気/
腐敗臭/(膵疾患、慢性腸炎、直腸
癌)、
酸臭/(脂肪便、糖質の異常発酵)
PH/
強酸性(異常発酵)
強アルカリ性(高度腐敗) |
一般検査/便潜血反応
基準値 |
採便はトイレ洗浄剤に便
が触れると抗原性が失わ
れるので注意する。大腸
癌は便表面に血液が付着
するので数箇所から万遍
なく採取する。出来るだ
け新鮮便が望ましい。 |
腫瘍/大腸癌、大腸腺腫、胃癌
潰瘍/胃潰瘍
炎症/大腸の炎症性疾患(潰瘍
性大腸炎、クローン病)、胃
炎、食道炎 |
|
|
|
|
|
検体検査/
血液検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
血液検査/白血球数(WBC)
基準値
|
迅速な指標ならCRP,シア
ル酸の測定が良いが、発
熱など感染症状がある
場合、血液疾患が疑われ
る場合には白血球分類を
行う。(下に続く) |
放射線治療・再生不良性貧血
・悪性リンパ腫など
減少/3000〜1500
急激な低下や好中球の異常な
減少に注意
減少(緊急異常値)/1500〜1000
迅速な臨床対応を要する
減少(易感染状態)/1000以下
感染の危険性高度 |
各種感染症・白血病・アレルギー
性疾患・(激しい運動、ストレス
、月経、妊娠後期、喫煙)
増加/10000〜15000
急激な増加に注意
増加(緊急異常値)/15000以上
迅速な臨床対応が必要 |
白血球数が正常、軽度でもいずれかの細胞分画が増
加、減少が有り得、異常細胞が出現している場合も
ある。白血球数低下は好中球減少では主として細菌
や真菌に対する感染防御力が低下し、リンパ球減少
ではウィルス、原虫、真菌、抗酸菌に対する感染防
御力が低下する。好中球数がゼロに近い状態は無顆
粒球症といい、高熱を示し緊急対応が必要(薬剤服
用によるなら、原因薬剤は即刻中止) |
血液検査/赤血球数(RBC)
基準値 |
緊急対応を伴う血液疾患
は貧血、白血球数異常、
血小板減少を伴う事が多
い。好中球減少による発
熱、血小板現用による出
血斑の有無を確認する。
(下に続く) |
増加/絶対的多血症/
骨髄増殖性疾患(真性多血症
)続発性多血症(低酸素{心臓
肺疾患、異常ヘモグロビン}エ
リスロポイエチン分泌増加、
アンドロゲン分泌増加)
増加/相対的多血症
ストレス多血症、脱水
減少/破壊亢進/
血管外溶血性貧血(赤血球抗
体、感染症、薬物) |
減少/破壊亢進/
血管内溶血性貧血(遺伝性/解糖系
異常、グロビン生成異常、赤血球
膜の異常 後天性/細小血管症溶血
性貧血、発作性夜間血色素尿症、
鉛中毒)
減少/成熟赤血球の産生不良
必須物質の欠乏(鉄、葉酸、ビタ
ミンB12)赤芽球の異常(再生不良
性貧血、骨髄異形成性症候群、赤
芽球ロウ、鉄芽球性貧血)骨髄浸
潤(白血病、多発性骨髄腫、悪性
リンパ腫、癌、骨髄線維症)内分
泌異常(粘液水腫、アジソン病、
下垂体機能低下症)慢性疾患(癌
、感染症、膠原病)慢性腎疾患、肝
硬変
その他(薬剤、放射線照射)
|
鉄欠乏性貧血の初期はヘモグロビン濃度が低下して
も赤血球数が正常範囲内にあるため赤血球数の変動
のみで貧血の有無の判断は出来ない。一方、真性多
血症では慢性出血による鉄欠乏を合併し易く、赤血
球が小球性・低色素性となるため、赤血球数の著し
い増加に比較し、ヘモグロビン濃度やヘマトクリッ
ト値の変化は経度。網赤血球は骨髄から出てきたば
かりの若い赤血球で、その数を測定すればこつずい
の赤血球造血の状況が分かる。 |
血液検査/(HT)ヘマトクリット値
基準値 |
緩慢な貧血(急激でない
)は生体の代償機構が働
くために症状が出現し難
い。逆に急性出血の直後
は循環赤血球量の著しい
低下があるがヘマトクリ
ット値は正常を示し、血
漿補充のため血管外液が
2〜3日間血管内に流入
した後にヘマトクリット
値の低下が確認される。
日差変動は5%以内、喫
煙者、高地在住者では高
値を示す傾向がある。 |
激しい運動の後は発汗によっ
て血液が濃縮されヘマトクリ
ット値も増加、長距離の場合
は血管内溶血で減少する事も
ある。著しい高血糖患者(600
r/dl以上)の赤血球数は等張
の溶液中で膨張しMCVとヘマト
クリット値が実際値より高い
。溶血性貧血の原因の一つ、
寒冷凝集素症では自動血球計
数機での測定で大きな凝集塊
は赤血球として算定されずヘ
マトクリット値は実際値より
低い。冷蔵庫で24H保存可能
|
|
検体検査/
血液検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
血液検査/(Hb)ヘモグロビン量
基準値 |
ヘモグロビン7g/dl以下
で通常貧血症状が出現す
るが、慢性貧血では通常
7g/dl以上では輸血の適
応はない。2単位の輸血
で通常ヘモグロビンの上
昇量は1.5g/dlである。 |
WHO貧血基準/(参考)
13.0g/dl(男)
12.0g/dl(女)
緊急異常値/
低値5.0g/dl(小児7g/dl)
高値18g/dl以上21g/dl(幼
児) |
急性出血反応/(体重70kg全赤血球
量5000mlのケース)
A
(%) |
出血量(ml) |
臨床所見 |
10 |
500 |
なし |
20 |
1000 |
労作時頻脈、軽度起立性低血圧 |
30 |
1500 |
臥位で頸静脈虚脱、労作性頻脈、起立性低血圧 |
40 |
2000 |
安静時の中心静脈圧・心拍出量・血圧共に低下、空気飢餓感、微弱な速脈、しっとりした冷たい皮膚 |
50 |
2500 |
重篤ショック、死亡 |
A;全血液量出血比率 |
血液検査/血小板数(PLT)
基準値 |
乳幼児は成人に対して高
値傾向にある。女性は月
経時若干増加する。血小
板測定用検体は凝固、凝
集を起こしてはならない
。血小板の異常が明らか
ならば他の出血傾向の検
査を進めることになる。
|
増加/(骨髄増殖性疾患)
慢性骨髄性白血病、本態性血
小板血症、真性多血症、原発
性骨髄線維症
増加/(反応性増加)
出血、鉄欠乏性貧血、溶血性
貧血、摘脾後、慢性炎症、感
染症、悪性腫瘍、薬剤起因性
、激しい運動 |
減少/(産生の低下)
再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血
、急性白血病、骨髄低形成症候群
、癌の骨髄浸潤、薬剤や放射線に
よる骨髄抑制、ウィルス感染症
減少/(破壊・消費亢進)
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
、播種性血管内凝固症候群(DIC)
、リンパ腫、全身性エリテマトー
デス(SLE)、薬剤起因性
減少/(分布の異常) 脾腫 |
血液検査/(ESR)赤血球沈降速度
基準値 |
感染症や心筋梗塞などを
発症後1日以内の初期に
は赤沈はまだ亢進しない
。悪性疾患や重症感染症
において貧血が進行する
と赤沈は更に促進し、時
にDICを合併するとフィブ
リノゲンが減少して赤沈
は遅延する。生理的変動
は少ない。採血は早朝空
腹時に行うのが原則。
|
促進/各種感染症、心筋梗塞、
ネフローゼ症候群、肝硬変、
多発性骨髄腫、原発性マクロ
グロブリン血症、慢性関節リ
ウマチやSLEなどの膠原病
遅延/赤血球増多症、播種性血
管内凝固症候群(DIC)、無フ
ィブリノゲン症 |
|
|
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Na)血清ナトリウム
基準値 |
早期発見のポイント/
低Na/(全身の倦怠感、
悪心、乏尿、循環不全、
痙攣、精神障害、など)
高Na/(呼吸困難、息切
れ、興奮、不穏、高血圧
)
水分、食事管理/(水分
摂取量と排泄量を管理す
る。塩分摂取量を守る。
調理献立は工夫する。輸
液管理厳守 |
高Na/(水分欠乏による)
脱水(発汗、発熱)。水分摂
取不足、尿崩症、浸透圧利尿
、高血糖
高Na/(Na過剰によるもの)
Na摂取過剰、クッシング症候
群、原発性アルドステロン症
|
低Na/(Na欠乏によるもの)
嘔吐、下痢、ネフローゼ症候群、
アジソン病
低Na/(水分過剰によるもの)
多飲、SIADH
低Na/(疾患によるもの)
腎不全、心不全、悪性腫瘍、肝硬
変 |
生化学検査/(K)血清カリウム
基準値 |
乏尿など腎不全や新生児
やK蓄積傾向がある時は
果汁などK含有量の多い
食品の摂取、輸液やK輸
液も注意しなければなら
ない。血清Naは日内変動
があり、食事、運動で変
化する。検査は早朝空腹
時に実施する。全血放置
は高値となる。新生児は
若干高値となる。 |
増加/高K血症/細胞内からの移
動
代謝性アシドーシス、家族性
高K血症、周期性四肢麻痺、β
阻害剤、Succinylcholine、
ジギタリス過剰投与、K保持剤
、Angiotensin Concerting
Enzyme阻害薬、非ステロイド
性消炎鎮痛剤、ヘパリン
増加/高K血症/腎からの排泄障
害
急性腎不全乏尿期、慢性腎不
全、アジソン病、低アルドス
テロン症、抗アルドステロン
剤投与、トリアメトロン、ア
ミロライド投与
|
減少/低K血症/細胞内への移動
代謝性アルカローシス、周期性四
肢麻痺、インスリン投与、高濃度
輸液
減少/低K血症/消化管からの喪失
嘔吐、下痢、吸収不良症候群
減少/低K血症/腎からの喪失
浸透圧利尿、尿細管性アシドーシ
ス、原発性アルドステロン症、ク
ッシング症候群、悪性高血圧、ス
テロイドホルモン長期投与、ペニ
シリン、サイアザイド系利尿剤、
マンニトール、シスプラチン投与
|
生化学検査/(Cl)血清クロール
基準値 |
乳児は高値傾向を示し、
女性は男性より高値傾向
を示す。食事は胃液分泌
を亢進し血清クロールを
下げ、日内変動があるた
め早朝空腹時に検査する
。 |
増加/高Cl血症/吸収性アシド
ーシス
過換気症候群、肺気腫
増加/高Cl血症/代償性アシド
ーシス
尿細管性アシドーシス、ネフ
ローゼ |
減少/低Cl血症/吸収性アシドーシ
ス
肺気腫、肺炎
減少/低Cl血症/代償性アシドーシ
ス
頻回の嘔吐、アジソン病、原発性
アルドステロン症 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Ca)血清カルシウム
基準値 |
採血は駆血帯を緩めてか
ら行わないと血漿蛋白濃
度が上昇し、Ca濃度も同
時上昇してしまう。臥位
より立位の方が高値にな
る。 |
症状/増加/高Ca血症
*神経・筋症状/筋力低下、筋
肉痛、腱反射減弱
*精神・神経症状/易疲労性、
食欲不振、情緒不安定、傾眠
、昏睡
*消化器症状/食欲不振、悪心
、嘔吐、便秘、腹痛
*腎臓・尿路症状/尿濃縮力低
下、多尿、急性腎不全、慢性
腎不全
*循環器症状/心電図上QT短縮
、高血圧、不整脈
*異所性石灰化/結膜・角膜の
石灰化、肺の石灰化
症状/減少/低Ca血症
*神経・筋症状/痺れ感、デタ
ニー発作、痙攣、筋力低下
*精神・神経症状/不眠、抑鬱
、性格変化、不随意運動、知
覚障害
*循環器症状/心電図上QT延長
|
疾患/増加/高Ca血症
*原発性副甲状腺機能亢進症
*悪性腫瘍に伴う高Ca血症/@PTH関
連蛋白産生腫瘍A腫瘍の広範な骨
吸収性転移、多発性骨腫瘍の広範
な骨浸潤
*ビタミンD作用の過剰/@ビタミン
D中毒、A肉芽腫性疾患;サルコイ
ドーシス、結核
*他の内分泌性疾患に伴うもの/甲
状腺機能亢進症、アジソン病
*家族性低Ca尿性高Ca血症
*その他/@薬物性;サイアザイド
系利尿剤、ビタミンA中毒症などA
不動化
疾患/減少/低Ca血症
*低蛋白血症/見かけ上の低値で補
正Caは正常
*副甲状腺機能低下症/@副甲状腺
ホルモンの欠乏又は分泌不全症、
特発性甲状腺機能低下症、続発性
副甲状腺機能低下症、低Mg血症
A副甲状腺ホルモンの作用不全、
偽性副甲状腺機能低下症
*慢性腎不全
*ビタミンD欠乏又は作用不全
*腎からのCa喪失
*骨へのCa蓄積亢進 |
生化学検査/(Mg)血清マグネシウム
基準値 |
低Mg血症、Mg欠乏症を確
実に診断するためには尿
中、赤血球・リンパ球・
単核球、筋肉中の濃度測
定が必要。 |
症状/増加/高Mg血症
*循環器症状/徐脈、低血圧、
心室伝導障害、QRS延長、心停
止
*神経症状/筋力低下、腱反射
減弱・消失、呼吸筋麻痺
*精神症状/傾眠、昏睡、鬱状
態
*消化器症状/食欲不振、悪心
、嘔吐
症状/減少/低Mg血症
*循環器症状/鬱血、頻脈、期
外収縮、PR及びQT延長、T波の
異常
*神経症状/筋力低下、テタニ
ー、震顫、痙攣、Chvostek徴
候、Trousseau徴候
*精神症状/抑鬱、無欲、記名
力低下、譫妄、幻覚
*その他/皮膚病変、発育不良
、全身痛 |
疾患/高Mg血症
*腎不全
*Mg含有薬の投与(制酸剤、下剤、
子癇治療)
*その他(アジソン病、甲状腺機能
低下症)
疾患/低Mg血症
*消化器疾患(吸収不全症候群、腸
管切除、慢性下痢、消化液の持続
吸引、膵炎)
*内分泌疾患(原発性副甲状腺機能
亢進症、副甲状腺機能低下症、甲
状腺機能亢進症、原発性アルドス
テロン症)
*腎疾患(腎炎・腎盂腎炎・腎硬化
症、尿細管性アシドーシス)
*その他(アルコール中毒、薬剤
{フロセミド、サイアザイド、ゲン
タマイシン、シンラスシン}、摂取
不足) |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Fe)血清鉄
基準値 |
血清鉄は男女差がある。
日内変動があり、朝高く
夜間に最も低値をとるの
で採血は早朝になる。食
事の影響は無いとされる
が鉄剤服用患者はお茶の
摂取は控える必要がある
。服薬も採血24時間前
から中止する。 |
高値/鉄芽球性貧血、ヘモクロ
マトーシス、再生不良性貧血、
急性肝炎初期
低値/鉄欠乏性貧血、真性多血
症、慢性感染症、悪性腫瘍、慢
性出血、夜間発作性血色素尿症
(PNH)の一部 |
|
生化学検査/(TP)血清総蛋白
基準値 |
血清蛋白の生体内におけ
る機能は大別すると浸透
圧の維持、巣中の物質と
結合し、必要な部位まで
の搬送、栄養素、補体、
抗体として液性免疫の役
割を果たす。血清総蛋白
以外、血漿タンパクとし
て測定する時には多くの
凝固因子も測定する。 |
増加/血清濃縮/
*免疫グロブリンの増加
*多クローン性増加/自己免疫疾
患、肝硬変、慢性肝炎、慢性炎
症性疾患
*単クローンせい増加/多発性骨
腫瘍、原発性マクログロブリン
血症 |
低下/
*栄養不足状態(摂取不足)/飢餓状
態、悪液質、吸収不良症候群
*蛋白合成障害/肝炎(急性、慢性)
、肝硬変
*蛋白漏出/ネフローゼ症候群、蛋白
漏出性胃腸症、広範囲火傷、滲出性
皮膚疾患
*異化亢進/急性感染症、慢性消耗性
疾患
*体内分布の異常/浮腫
*血清希釈/不適切な輸液
*免疫グロブリン低下/原発性免疫不
全症 |
生化学検査/(BUN.UN)血清尿素窒素
基準値 |
慢性腎疾患でBUNは血清ク
レアチニンよりも尿毒症
の症状に相関する傾向が
ある。腸管内出血(消化
管出血)の証になる。ま
た蛋白異化亢進(火傷、
癌など)に対する栄養的
な補助が必要な患者の評
価になる。 |
100以上/腎不全(尿毒症)
50〜100/腎不全
20〜50/
腎前性(脱水症、重症心不全、
消化管出血、火傷、アシドーシ
ス)
腎性(腎炎、ネフローゼ症候群
、腎結石、腎毒性薬物)
腎後性(尿管閉塞、膀胱腫瘍)
8以下/
妊娠、低蛋白食、飢餓、肝不全
(肝硬変末期)、劇症肝炎、尿
崩症、マンニトール利尿、利尿
剤投与
|
腎機能指数 BUN/Cr(st 10) 大
栄養摂取不良、低蛋白食摂取、多尿
、肝硬変末期(肝不全)、血液透析
時、筋破壊
腎機能指数 BUN/Cr(st 10) 小
高蛋白食、アミノ酸輸液、消化管出
血、脱水症、尿路閉塞、腎前性腎不
全、蛋白異化亢進(外科的侵襲、火
傷、重症感染症、癌腫、発熱、甲状
腺機能亢進症、副腎皮質ステロイド
投与、抗生剤投与) |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Cr)血清クレアチニン
基準値 |
血清クレアチニンの増加
の原因としては末端肥大
症や、蛋白同化ホルモン
投与などによる筋肉量の
増加もあるが、大部分は
クレアチニンの尿中への
排泄減少(糸球体濾過量
の減少)によるもので、
腎炎、腎不全が考えられ
る。一方血清クレアチニ
ン低下の原因は、筋ジス
トロフィー、筋萎縮性側
索硬化症、多発性筋炎な
どの筋疾患や長期病臥に
よる筋肉量の減少が上げ
られる。妊娠や尿崩症に
よる尿中へのクレアチニ
ン排泄増加が原因。 |
高値/
尿中排泄量減少(糸球体濾過量
{GFR}低下)/
糸球体腎炎、糖尿病性腎症、高
血圧症、腎不全、(急性、慢性
、)鬱血性心不全、肝硬変、シ
ョック
筋細胞増大/
末端肥大症、巨人症、蛋白同化
ホルモン剤投与
血液濃縮/
脱水症、火傷 |
低値/
筋肉量減少(筋萎縮)/
筋疾患(筋ジストロフィー、筋萎縮
性側索硬化症、多発性筋炎)、長期
臥床(高齢者、特に女性)
尿中排泄量増加/
妊娠、尿崩症 |
生化学検査/(UA)尿酸
基準値 |
偽性痛風と言う疾患と痛
風がある。混同しない様
にする。尿酸値を下げる
ために減量し、飲酒量を
減らして定期的な検査を
する。プリン体を多く含
む食品にも注意する。 |
一次性(原発性)
*産生過剰型(HGPRT欠損症、
PRPP合成酵素亢進症など)
*排泄低下型(家族性若年性排
泄低下型痛風など)
*混同型 |
二次性(続発性)
*産生過剰型(Lesch Nyhan症候群、
骨髄増殖性疾患、悪性リンパ腫、多
血症、乾癬、溶血性貧血)
*排泄低下型(腎不全、薬剤{利尿剤
、ピラジナミド、エタンブトールな
ど}、脱水症、飢餓、Bartter症候群
)
*混合型(G-6-P欠損症、アルコール
摂取、過激な運動) |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(Bil)血清ビリルビン
基準値 |
ビリルビンは光で酸化し
ビリベルジンになるので
検体の保存は冷暗所。新
生児は生後一週間で新生
児黄疸を呈し、約10mg/dl
となる。その後低下し、
生後3〜5ヶ月で最低とな
りそれ以降は徐々に増加
し15歳くらいで成人値に
達する。運動や食事で数
値は変動する。高直接ビ
リルビン血症において尿
中にビリルビンが出現す
る。黄疸尿は黄褐色を呈
し、泡や沈渣まで黄染。
|
直接ビリルビン/0.0〜0.3mg/dl
*肝障害によるもの/急性肝炎、
肝硬変症、劇症肝炎、肝癌
*肝内胆汁鬱滞/細胆汁性肝炎、
原発性胆汁性肝硬変、重症感染
症による黄疸
*肝外胆汁鬱滞/閉塞性黄疸(胆
石症、悪性腫瘍による胆道閉塞
、その他の胆道閉塞など)
*体質性/デュビン・ジョンソン
症候群、ローター症候群 |
間接ビリルビン/0.2〜0.7mg/dl
*生成増加によるもの/先天性溶血性
疾患、後天性溶血性疾患、悪性腫瘍
*無効造血(シャント型高ビリルビ
ン血症ともいう)/悪性貧血、サラ
セミア、鉄欠乏性貧血
*体質性/ジルベール病、グリグラ・
ナジャ病 |
生化学検査/(NH3)血中アンモニア
基準値 |
アンモニアは肝臓や腎臓
でグルタミンが酵素の働
きで脱アミノ化される時
、食物中の蛋白などの窒
素化合物が腸内細菌によ
り分解される時、腸内細
菌による尿素の分解時に
生じる。
アンモニアの代謝は肝臓
の尿素サイクルで表素に
合成され、筋肉、脳、肝
臓でのαケトグルタール
酸、グルタミン酸への取
り込み、腎臓でのアンモ
ニア塩として尿中への排
泄により行われる。 |
高値/後天性疾患
*重症肝機能障害/劇症肝炎、肝
硬変、進行癌
*門脈-体循環シャント/肝硬変
、特発性門脈圧亢進症、原発性
Budd-Chiari症候群、胆汁性肝
硬変症、
*尿毒症、ショック、Reye症候
群 |
高値/先天性疾患
*尿素サイクル酵素欠損症
*アミノ酸代謝異常症 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/γ-GTP
基準値 |
γ-GTPは肝で合成されて
一部が胆道から胆汁中に
排泄されるため、胆汁排
泄が障害されるとγ
-GTPが肝内に逆流し血中
に行こうするために血中
濃度が上昇する。 |
高値/他の肝機能検査値が正常
*アルコール性肝障害
高値/他の肝機能検査値も異常
*肝炎、肝硬変、胆石、胆管癌
、肝癌 |
他の肝機能検査/ALT(GPT)
、AST(GOT) |
生化学検査/リパーゼ
基準値 |
リパーゼは脂肪を腸管吸
収しやすい脂肪酸に変換
する酵素で膵液中に存在
する。膵由来であるアミ
ラーゼとの相関があり、
急性膵炎時には血液中の
アミラーゼが早期に高値
を示すが、リパーゼは発
病後3〜5日で上昇し数
日間高値を持続する。持
続日数もリパーゼの方が
アミラーゼより長い。閉
塞性黄疸、尿毒症でもリ
パーゼは増加する。 |
高値/
*急性膵炎、慢性膵炎、膵癌、
膵外傷、膵管閉塞、腎炎、腎不
全、肝疾患
低値/
*膵全摘後、膵癌末期、慢性膵
炎末期、膵嚢胞性線維症 |
(急性膵炎や慢性膵炎の際には、腹
痛、悪心、嘔吐、発熱、ショック症
状などに注意が必要である。アルコ
ールの摂取の有無と量の把握も必要
になる。多量の摂取は胃酸分泌、膵
外分泌を増加させ、ファーター乳頭
部に浮腫をきたし、胆汁が膵管へ逆
流して膵酵素を活性化させ、膵炎を
起こすなどの弊害を生じる。) |
生化学検査/AST(GOT) ALT(GPT)
基準値 |
ウィルス性肝炎では肝炎
の活動期にはAST及び
ALTが上昇する。初期は
AST>ALT、極期AST<ALTと
なり、治癒に向かうと基
準値内に戻る。肝炎が疑
われる時は肝炎ウィルス
の抗体などの検査で確認
する。(下に続く・・)
|
AST/ALT<0.87 500IU以上
*ウィルス性肝炎(黄疸期)、
薬剤性肝障害
AST/ALT<0.87 100〜500IU
*慢性肝炎活動型
AST/ALT<0.87 100IU以下
*慢性肝炎非活動型、脂肪肝(
過栄養性)
注意事項
*採血時溶血があってはならな
い。(AST.ALT値が高くなる)
*立位採血は安静臥床時より10%
高く数値が出る。
*運動で数値上昇のため採血2
〜3日前より運動を控える。 |
AST/ALT>0.87 500IU以上
*劇症肝炎、ウィルス性肝炎(初期
)、心筋梗塞(重症)
AST/ALT>0.87 100〜500IU
*アルコール性肝炎、胆汁鬱滞、閉
塞性黄疸、心筋梗塞(軽症)、筋ジ
ストロフィ症、溶血性疾患
AST/ALT>0.87 100IU以下
*肝硬変、肝癌、脂肪肝(アルコー
ル性) |
AST>ALTの場合は心筋梗塞、アルコール性肝炎など
が考えられる。ASTが基準値より高い場合は心筋梗
塞、溶血性疾患、筋疾患なども可能性がある。特に
CPK上昇を伴うASTの有為の上昇は心筋梗塞があり得
、対策が急がれる。過栄養性脂肪肝ではALTがやや
上昇し,ALTがASTより高くなる傾向がある。(この
以上を伴わない事もあるので超音波検査が必須)。
ウィルス性肝炎では肝炎活動期にはALTは上昇する
が、休止期には基準値内に戻る。肝炎が疑われるな
ら肝炎ウィルス抗体検査が必要になる。ALTは特に
肝細胞に多いので数値上昇は肝疾患を意味する。
ALT.ASTが基準値より高ければ甲状腺機能亢進症、
急性肝炎、劇症肝炎が疑われる。 |
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(ChE)コリンエステラーゼ
基準値 |
コリンはリン脂質の構成
成分で細胞膜や神経伝達
物質の重要な減量である
。体内には数種類のChEが
存在する。アセチルコリ
ンを特異的に分解する特
異的AChE(真性ACh)及び非
特異的ChE(偽性ChE)があ
る。その内、偽性ChEは血
清、肝、膵などに含まれ
、コリンエステルのほか
種々のエステルを加水分
解する。 |
高値/
ネフローゼ症候群、甲状腺機能
亢進症、脂肪肝急性肝炎回復期
、糖尿病、肥満、高脂血症(脂
質異常症)、高リポ蛋白血症遺
伝性高コリンエステラーゼ
|
低値/
肝硬変、慢性肝炎、肝癌、劇症肝炎
、肝膿瘍、栄養失調症、重症感染症
、遺伝性コリンエステラーゼ異常症
、農薬中毒、駆虫剤中毒(有機リン
剤)、サリン中毒、抗コリンエステ
ラーゼ剤投与、貧血、妊娠中毒症
|
生化学検査/(T-cho.Tc)総コレステロール
基準値 |
コレステロールは生体内
の主要な脂質成分で細胞
膜、ステロイドの原料な
ど生体の必須物質である
。肝臓で生合成されリポ
蛋白(脂質蛋白複合体)
に組み込まれる。LDL(低
比重リポ蛋白)とHDL(高
比重リポ蛋白)があり、
コレステロールはLDL中に
多く含有され、一部がHDL
中に存在する。(下に続
く・・・) |
高値/
ネフローゼ症候群、下垂体機能
低下症、家族性高コレステロー
ル血症、肝癌、急性アルコール
性脂肪肝、冠硬化性疾患、甲状
腺機能低下症、糖尿病、肥満症
、閉塞性黄疸、末端肥大症 |
低値/
アジソン病、α-リポ蛋白欠損症、
悪液質、肝細胞障害、経静脈高カロ
リー輸液、甲状腺機能亢進症、消化
不良症候群、低β-リポ蛋白症、貧
血 |
総コレステロールは主にLDLやHDLなどリポ蛋白中
に含まれるコレステロールと遊離型コレステロール
の総和という事になる。総コレステロール値は中性
脂肪に比べて食事の影響は少ないが早朝空腹時採血
が原則で、溶血や高ビリルビン血症で高値になる。
。又、エストロゲン製剤やステロイド投与時で高値
傾向となる。加齢と共に上昇し、女性は男性よりも
高値であり更年期以後、急上昇する。男性の場合は
40歳前後から増加する。 |
生化学検査/(HDL-cho)HDL-コレステロール
基準値 |
HDL-choは善玉コレステロ
ール、長寿者にはこの
HDL-choが多いことが分か
っている。しかし、
HDL-choが100mg/dl以上の
場合は高HDL血症と呼ぶが
この様な場合は動脈硬化
疾患の危険因子になるの
で注意が必要になる。然
しながら治療の必要性に
付いては喫煙、糖尿病、
動脈硬化症の家族歴など
の他の危険因子があるか
否かにより、対応が異な
る。 |
上昇/二次性
閉塞性肺疾患、原発性胆汁性肝
硬変、アルコール多飲、運動、
糖尿病(インスリン治療)
上昇/一次性
家族性高αリポ蛋白血症(長寿
症候群)、CETP欠損症、HTGL活
性低下 |
減少/二次性
アルコール性肝炎、ウィルス性肝炎
、肝硬変、虚血性心疾患、脳梗塞、
甲状腺機能亢進症、高リポ蛋白血症
(T、V、W、X型)、糖尿病、肥
満、ネフローゼ症候群、慢性腎不全
、透析、慢性多関節炎、骨髄腫、喫
煙
減少/一次性
Tangier病(家族性HDL欠損症)、
LCAT欠損症、LPL欠損症、アポA-T
、アポC-U欠損症、魚眼病(
fish-eye disease)、無βリポ蛋白
血症(Bassen-Komzweig症候群)
|
検体検査/
生化学検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
生化学検査/(LDL-cho)LDL-コレステロール
基準値 |
最も強力な動脈硬化惹起
性のリポ蛋白。末梢組織
では細胞上のLDL受容体を
介して細胞以内に取り込
まれる。動脈硬化病巣で
は酸化LDLがスカベンジャ
ーLDL受容体を介して無制
限にマクロファージ内に
取り込まれる結果、マク
ロファージが泡沫化し、
動脈硬化が進展する。
|
上昇/
ネフローゼ症候群、家族性高コ
レステロール血症(Ua型)、
家族性混合型高脂血症(Ub型
)、糖尿病、肥満、閉塞性黄疸
|
減少/
家族性低コレステロール血症、肝硬
変、甲状腺機能亢進症、先天性無β
リポ蛋白血症、慢性肝炎 |
生化学検査/(TG)中性脂肪
基準値 |
血中中性脂肪はエネルギ
ーの運搬や貯蔵、臓器や
組織の維持に必須の物質
で余分なものは肝臓に蓄
えられる。多すぎる事に
より動脈硬化危険因子に
なる。 |
上昇/二次性
クッシング症候群、グリコーゲ
ン蓄積症、ネフローゼ症候群、
マクログロブリン血症、下垂体
機能低下症、完全飢餓、甲状腺
機能低下症、高度貧血、痛風、
糖尿病、動脈硬化症、尿毒症、
脳血栓症、末端肥大症、薬物(
サイアザイド系利尿剤など)
上昇/一次性
家族性高カイロミクロン血症(
LPL欠損/異常症、アポC-U欠損
症)、家族性高脂血症、肝性リ
パーゼ欠損症 |
減少/二次性
ヘパリン、悪液質、吸収不全症、下
垂体機能低下症、甲状腺機能亢進症
、肝硬変症、重症肝実質障害、急性
黄色肝萎縮症、急性中毒性脂肪肝、
心不全、慢性副腎不全(アジソン病
)
減少/一次性
無βリポ蛋白血症、低βリポ蛋白血
症 |
生化学検査/(GLU.BS)血糖、グルコース
基準値 |
ストレス、脳下垂体ホル
モン、副腎皮質ホルモン
などの異常分泌で上昇し
、グルコースの分解過剰
やインスリン分泌過剰で
低下する。 |
高値/126以上
T型糖尿病、U型糖尿病、膵外
分泌疾患、内分泌疾患(副腎皮
質ホルモン過剰症など)、遺伝
的異常
高値/110〜126
OGTT境界型、妊娠糖尿病、スト
レス |
低値/65以下
インスリノーマ、副腎皮質ホルモン
低下症、アルコール、インスリン自
己免疫症候群、インスリン注射、血
糖降下剤など、薬剤、胃切除(反応
性低血糖)、肝不全、腎不全、飢餓
|
生化学検査/(HbA1c)グリコヘモグロビン
基準値 |
外国ではHbA1cは一般的に
用いられるものではない
。グルコースが結合して
いるヘモグロビンを総称
する場合はグリコヘモグ
ロビン(GHb)が正しい名称
で、HbA1cはヘモグロビン
のクロマトグラムによる
一つの分画名であり、物
質名ではない。
(下に続く・・・) |
HbA1cに影響する因子
偽高値/
*ヘモグロビンに結合する物質
の影響、アセトアルデヒド(ア
ルコールの多飲)、アスピリン
(アスピリン大量服用)、シア
ン酸(腎不全)
*HbFの存在
*異常ヘモグロビン
*高ビリルビン血症 |
HbA1cに影響する因子
偽低値/
*赤血球寿命の短縮(溶血性貧血
、大出血後、妊娠時の貧血)
*異常ヘモグロビン血症
*腎不全(透析)
*採血時の溶血
*肝硬変
*インスリノーマ |
日本では標準化作業がHPLC法という測定値を基準と
した関係からHbA1cが用いられるようになった。血
糖値は良好でもHbA1cが高値を示す事があるがこれ
は普段過食していた患者が、検査に備えて食べ控え
を行っていることが多い。空腹時血糖値126mg/dl以
上、75gOGTT2時間値200mg/dl以上、随時血糖値
200mg/dl以上のいずれかを示すものの場合は
HbA1cが6.5%以上であれば糖尿病と診断されるのは
妥当と考えられる。老健法による糖尿病検診では
HbA1cが5.5%未満の場合は異常ない、5.5〜6.1%未満
が要指導、6.1%以上が要医療となる。 |
生化学検査/アミラーゼ
基準値 |
|
高値/
急性膵炎、流行性耳下腺炎、
腹膜炎、肺炎、肺癌、胆石、
腎不全、卵巣癌など |
|
|
検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
免疫血清検査/(RF)リウマトイド因子
基準値 |
リウマトイド因子が高値
(100IU/ml以上)であれば
関節リウマチの可能性が
高いが、RH値は関節リウ
マチの炎症の程度とは相
関しない。RF陽性が関節
リウマチを示すばかりと
は限らず他疾患でも陽性
となる。判定は総合的に
勘案して下される。
* 参考リウマトイド因子 |
陽性/
*慢性関節リウマチ、悪性関節
リウマチ
*リウマチ以外の膠原病(全身
性エリテマトーデスSLE、強皮
症、多発性筋炎、シェーグレン
病)
*肝臓障害(慢性肝炎、肝硬変
)
*感染症(EBウィルス感染症、細
菌性心内膜炎)
*自己免疫症(ITP、AIHA) |
RF陽性頻度(%)
ヒトIgG抗原 |
|
RA テスト |
LPIA |
RA |
80 |
90 |
他膠原病 |
30〜50 |
60 |
慢性肝疾患 |
35〜55 |
55 |
老齢者 |
10〜30 |
20 |
LPIA;
Latex photometric immunoassay |
免疫血清検査/甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
抗サイログロブリン抗体
基準値
|
TPO抗体と抗サイログロブ
リン抗体が高値を示すと
、橋本病かバセドウ病の
可能性はTPO抗体では橋本
病の陽性率は100%近く、
バセドウ病は90%と高くな
っている。抗サイログロ
ブリン抗体の場合は橋本
病の陽性率は45%弱、バセ
ドウ病では40%弱であるが
、この2疾患は臨床像、
他検査(TSH受容体抗体)か
ら鑑別できる。 |
抗サイログロブリン抗体陽性
可能性のある疾患/
*高陽性;橋本病、バセドウ病
*低値陽性;原発性粘液水腫、
無痛性甲状腺炎、甲状腺悪性リ
ンパ腫など |
|
免疫血清検査/(CRP)C反応性蛋白
基準値 |
抗生物質療法を必要とす
る細菌性感染症では治療
の指標としてCRPは有用で
あり、CRPの上昇タイミン
グは白血球増加より遅く
血沈亢進より速い。CRP単
独では病態の診断は出来
ず、他検査と合わせ総合
的に判断される。 |
高度増加/
*細菌感染症、真菌感染症、心
筋梗塞、関節リウマチ
軽度増加/
*尿路感染症や脳梗塞、ウィル
ス性感染症、悪性腫瘍
その他/
*外傷、手術後、火傷 |
|
検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
免疫血清検査/(TSH)甲状腺刺激ホルモン
基準値 |
TSHの高感度法の一般化に
より正常人(0.3〜4.0μ
U/ml)と未治療バセドウ病
(0.01μU/ml以下)の判別
が可能になっている。
TSHが低値の場合だけで甲
状腺機能亢進症と診断す
る事は出来ない。TSHの測
定精度、薬物の影響によ
る低値の可能性も有り、
診断は甲状腺ホルモン(
FT3.FT4)も同時に測定し
て判定されるべき。 |
高値/
慢性甲状腺炎などによる原発性
甲状腺機能低下症、TSH産生腫
瘍
低値/
甲状腺機能亢進症(バセドウ病
)、無痛性甲状腺炎、亜急性甲
状腺炎 |
|
免疫血清検査/(FT4)遊離サイロキシン
基準値 |
高値となる疾患にはバセ
ドウ病、無痛性甲状腺炎
、亜急性甲状腺炎、プラ
ンマー病などがあるがそ
の90%がバセドウ病である
。甲状腺におけるホルモ
ンの産生分泌が共に亢進
するとFT4も高くなる。無
痛性甲状腺炎、亜急性甲
状腺炎、では甲状腺濾胞
の破壊のため血中にT4が
漏出するためにFT4が増加
する。血中FT4が増加する
とTSH分泌は低下し血中
TSH濃度は測定感度以下に
低下する。 |
高値/
バセドウ病、無痛性甲状腺炎、
亜急性甲状腺炎、プランマー病
低値/
原発性甲状腺機能低下症(橋本
病、甲状腺摘出後、アイソトー
プ治療後など)、下垂体性甲状
腺機能低下症、視床下部性甲状
腺低下症 |
FT4が低値となるのは甲状腺機能低
下症で、原発性甲状腺機能低下症、
下垂体性甲状腺機能低下症、視床下
部性甲状腺機能低下症に分かれ、実
際には原発性甲状腺機能低下症が大
部分である。中でも多いのが慢性甲
状腺炎(橋本病)で、血中のFT4が
低下するとTShが上昇する。まれに
下垂体性甲状腺機能低下症や視床下
部性甲状腺機能低下症が原因として
あるがこれはTSHは低下もしくは正
常値である。 |
免疫血清検査/(FT3)遊離トリヨードサイロニン
基準値 |
バセドウは甲状腺のホル
モン産生、分泌が共に亢
進している状態で当然FT3
も高値になる。一方、無
痛性甲状腺炎、亜急性甲
状腺炎は甲状腺濾胞の破
壊によりホルモンが血中
に漏出するためにFT3が高
値になる。 |
高値/
バセドウ病、無痛性甲状腺炎
、亜急性甲状腺炎、プランマー病
低値/
原発性甲状腺機能低下症(橋本
病、甲状腺摘出後、アイソトー
プ治療後など)、下垂体性甲状
腺機能低下症、視床下部性甲状
腺低下症、低T3症候群 |
|
検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |
免疫血清検査/(IRI)インスリン
基準値 |
T型糖尿病は膵β細胞の
破壊によりインスリンが
分泌されない。U型糖尿
病はインスリンの分泌は
保たれているが充分作用
しないもの。生理的にイ
ンスリンの分泌は血糖値
即ち食事摂取により左右
され夜間〜早朝は低く(
基礎分泌)、食事摂取後
に増加する(追加分泌)
。点滴を受けている場合
点滴中にブドウ糖が含ま
れていないかの確認が必
要になる。患者がインス
リン抗体を持っていれば
異常高値になる。遺伝子
疾患による影響もある。
|
高値/
インスリノーマ、副腎皮質機能
亢進(クッシング症候群)、肥
満、末端肥大症、肝硬変、脂肪
肝、インスリン自己免疫症、異
常インスリン症、妊娠
低値/
糖尿病、膵疾患(膵炎、膵癌)
、副腎機能不全、下垂体機能低
下症 |
|
免疫血清検査/エストロゲン
基準値 |
総エストロゲンの基準値
は性別、年齢、性周期、
妊娠の有無、週数により
大きく変動する。小児期
に総エストロゲンが増加
するのは思春期早発症で
あり、ゴナドトロピン分
泌過剰による真性思春期
早発症と、ホルモン産生
腫瘍による偽性思春期早
発症がある。男性では副
腎過形成の診断に用いら
れる。 |
高値/
真性・偽性思春期早発症、エス
トロゲン産生腫瘍、排卵誘発剤
(卵巣過剰刺激)、多胎妊娠、
肝機能障害、副腎過形成
低値/
卵巣機能不全、胎児胎盤機能不
全(子宮内胎児発育遅延、子宮
内胎児死亡)、妊娠中毒症、糖
尿病合併妊娠、周期妊娠、胎盤
性サルファターゼ欠損症、胎盤
性アロマターゼ欠損症 |
総エストロゲンに影響を与える薬物
として抗甲状腺剤、副腎皮質ステロ
イド剤、経口避妊薬等がある。 |
免疫血清検査/(AFP)α-フェトプロテイン
基準値 |
AFPが高値の検査値を示し
た場合はAFP-L3分画比、
PIVKA-Uなどの腫瘍マー
カーの測定、画像診断な
どで総合的裏づけをとる
必要がある。20ng/ml以上
の高値で肝細胞癌を疑う
|
高値/1000ng/ml以上
肝細胞癌、肝芽腫、ヨークサッ
ク腫瘍、乳児肝炎、先天性胆道
閉鎖症、転移性肝癌、劇症肝炎
回復期
|
高値/400〜1000ng/ml
異常妊娠妊婦、肝硬変、胃癌、膵臓
癌
高値/100〜400ng/ml
急性肝炎、慢性肝炎、正常妊娠妊婦
|
免疫血清検査/PIVKA-U
基準値
|
閉塞性黄疸や肝内胆汁鬱
滞などで黄疸が長期に続
いてビタミンK欠乏をきた
した場合やワーファリン
などのビタミンK拮抗薬の
投与などで上昇する事が
ある。PIVKA-UとAFPは相
関するとは限らず相互の
検査を確認して補間確認
しながら裏づけを取るこ
とになる。 |
高度上昇/
肝細胞癌
軽度上昇/
肝硬変・慢性肝炎・急性肝炎・
劇症肝炎
肝内胆汁鬱滞・原発性胆汁性肝
硬変、アルコール性肝障害、
閉塞性黄疸、胆管細胞癌・転移
性肝癌、その他の悪性腫瘍、
ビタミンK拮抗薬(ワーファリ
ン)投与時
セフェム系抗生物質投与時、低
栄養状態 |
小さな肝細胞癌ほどAFP.PIVKA-Uい
ずれかが陽性になることが多い。
肝臓癌に特異性の高い腫瘍マーカー
で他の疾患で数値が上昇する事は少
ないが、ビタミンK欠乏時(ワーフ
ァリン、抗癲癇剤、抗結核剤などの
使用時)にも上昇するため注意を要
する |
免疫血清検査/(PSA)前立腺特異抗原
基準値
|
前立腺癌症例におけるPSA
値は病勢の推移と併行し
て変動する。根治的前立
腺除去手術で術後3週間
でも基準値以下に下がら
なければ遠隔転移も考え
られる。放射線療法では
照射終了後に基準値如何
までに低下した場合は治
療効果があり、予後も良
いものと考えられる。健
常者の血清PSA値は人種間
格差があり米国人の半分
程度である。PSAはセ ス後
にさがる。 |
前立腺癌及び前立腺肥大症にお
けるPSA陽性率(USA例) ng/ml
|
<
4.0 |
4.01〜
10.0 |
>
10.01 |
|
陽性
% |
陽性
% |
陽性
% |
前立腺癌 |
19 |
14 |
67 |
stageA |
37 |
33 |
30 |
stageB |
29 |
21 |
50 |
stageC |
19 |
09 |
72 |
stageD |
12 |
09 |
79 |
前立腺肥
大症 |
80 |
18 |
02 |
健常男性 |
99 |
01 |
0 |
|
*前立腺癌のスクリーニングを目的
として設定されたPSA*の基準値は
4.0ng/ml以下で、前立腺肥大症と前
立腺癌の判別に用いるカットオフ値
は10.0ng/ml以下としておりグレー
ゾーンは4.01〜10.0ng/ml未満をし
ている。同様にPSA-ACTの基準値は
1.1ng/ml以下、カットオフ値は5.5
ng/ml以下である。 |
免疫血清検査/(HCV)C型肝炎ウィルス検査
基準値 |
HCV感染は成人してからの
感染でもキャリア化(慢
性化)する。C型急性肝炎
の30%波治癒するが70%は
慢性肝炎に移行する。診
断は免疫血清検査(抗体
検査)と遺伝子検査
(HCV-RNA測定)で行う。
HCV暴露(針刺し事故等)
時における感染の危険性
は3%という報告がある。
|
抗体-抗原 |
検査 |
HCV抗体 |
陽性でHCV-RNA定性検査が陽性の時は現在HCV
感染を示す。HCV-RNA定性検査が陰性の時は既往
を示す。
|
HCV特異
抗体検査(RlBAlll) |
HCV抗体のスクリーニング検査法により特異性が
高いが、HCV感染初期における陽性化が若干遅い
ために判定保留になる場合がある。 |
HCVコア抗体
|
HCVのコア蛋白に対する抗体で、HCV抗体の追加
検査やIFN投与時の治療効果の判定に用いる。
HCV-RNA検査と合わせて判定する。 |
HCVセロタイ
プ(HCV群別
判定) |
HCV抗体が陽性の場合、セロタイプ分類を行って
C型慢性肝炎に対するIFNの治療効果を予測する。
1型と2型があるが血中HCV抗体量が少ない場合
は鑑別不可。
|
HCVコア
抗原
|
測定値はHCV量を反映するため病態把握、治療
効果判定に有用であり、その測定値が検出感度
以下でも、HCV感染を否定できない。HCVコア
蛋白はHCV-RNAより安定しており保存条件に左右
され難い。
|
HCV-RNA
定量検査 |
血中HCV量を反映する信頼性の高い方法、RNAは
分解され易いので検体の扱いは迅速慎重に取り
扱われる。病態の把握や治療効果の判定にHCV
コア抗原同様、有用な方法である。 |
HCV-RNA
定性検査 |
ウィルス血症の鑑別治療効果の判定に用いられる。
|
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検体検査/
免疫血清検査/ |
参考知識 |
疾患(病名)T |
疾患(病名)U etc |