虚血性大腸炎・症状・痛み・病気

                               虚血性大腸炎・症状・痛みと病気
 home(痛みと病気)>下腹部>下腹部全般>虚血性大腸炎 虚血性大腸炎・症状/痛みと病気

虚血性大腸炎・症状/痛みと病気




     
中分類/下腹部/痛みと病気  ◎ここは中分類エリアです。(濃い目のパープル)虚血性大腸炎個別ページ

                          このエリアの下からです。

     
(以下は中分類ジャンプボタンです。)

下腹部全般→中分類ページへ 右下腹部→中分類ページへ 左下腹部→中分類ページへ 腸周辺部→中分類ページへ 膀胱部・膀胱周辺部→中分類ページへ

     お知りになりたい部位の関連のボタンをクリックして頂きますと、他の中分類ページにジャンプします。

                                -以下より個別ページ-
虚血性大腸炎・症状/痛みと病気



     
虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気




虚血性大腸炎は動脈硬化などが原因で、

腸の血流が低下し、大腸の粘膜にむくみ、

爛れ、潰瘍などが出来、そのために腹部

激痛や、下痢、血便などが起きます。 性

差は無く、 60歳以上の高齢者に好発す

る疾患です。近年では若年層にも、確認

される傾向にあります。





      
§1  虚血性大腸炎(痛み・病気)の症状/虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気


        
突然襲われる激しい腹痛が特徴で悪心、嘔吐、発熱を伴なう事は少なく有りません下痢、血便なども起

        きますが、腹痛後数時間以内に血性の下痢を来たし、血便は出血量は少ないが、鮮血が確認されます


        従い、出血に伴なうショック症状はまずありません。(まれには有ります)一過性型と狭窄型、壊死型があり、

        一過性型は症状は軽く、
一般的に突然の腹痛や下血、血便、吐き気、嘔吐、発熱も数日で消失します。他

        覚的には左下腹部に圧痛を認めます


        それが
狭窄型の場合になりますと、症状が1週間以上持続しますので、一過性ではなくなってしまったと自

        覚しなければなりません。(
狭窄型では数日〜2週間以内に消失せず、症状は更に持続します。)





壊死型では腸管に栄養を送る血管が、

完全に詰まり、血液は殆ど流れず、腸

管が壊死します。 症状は数日以内に

進行し、 腹膜炎の症状が出現してきま

す。 高齢者に多く死亡率が高いため、

迅速的確な処置、 対策が必要になり

ます。 壊死型の場合には一過性、狭

窄型と明らかに異なり、
腹痛は激しく、

下血、血便、嘔吐、発熱などの症状は

一気に発現
し、腸に穴が開き、膿が腸

全体に広がり、前述した腹膜炎や菌が全身に感染する敗血症を招く事もあります。



虚血性大腸炎の殆どは一過性型です。壊死型はまれです。








      
§2  虚血性大腸炎とは/虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気


        虚血性大腸炎は腸の血流の低下が原因で、腸の組織が酸素不足に陥り、一部が壊死し、糜爛や潰瘍を生

        じる疾患です。 高齢者に多く見られるのは、加齢に伴ない動脈硬化が進んでしまうためですが、近年では

        食生活の欧米化などで、若年層の人にも増加傾向にある疾患です。高血圧、糖尿病、高脂血症(脂質異常

        症)などは生活習慣病であり、多くの若い世代の人たちも、罹患傾向にあります。 これらの病気は、結果的

        (経年的)に動脈硬化を促進します。 便秘も又、虚血性大腸炎の原因になります。虚血性大腸炎には一過

        性型、狭窄型、壊死型があります。





      
§3  虚血性大腸炎の治療/虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気


        
虚血性大腸炎はその分類される型により、治療方法が異なります。再発は少ないとされる虚血性大腸炎

        ですが、便秘がその発症誘因として多く指摘されております。 (術後の再発率は10%程度あると報告され

        ている。)



        一過性型(発生頻度/65.7%);
1〜2日間ほどの絶食で腸を休め、点滴で水分補給や栄養補給をしたり、

        鎮痛、鎮痙、抗生物質投与などにより1週間程度で症状は治まり、低下していた血流、腹痛、爛れ、潰瘍も

        概ね治まります。入院は殆どせずに外来ですみ、予後も良好です。(入院する事もあります。)




        狭窄型(発生頻度/24.1%);
一般的には狭窄の範囲は短く、通過障害を来たすものは少ないとされ、まれ

        に狭窄症状が強い時や、潰瘍からの持続的な出血がある場合などでは、切除吻合を行う事があります。




        壊死型(発生頻度/10.2%);
一刻を争うケースも多くあり、外科的対応が必要な場合の的確な判断が、医

        療機関に求められます。








      §4  虚血性大腸炎の検査/虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気


        
急激な腹痛、下痢、下血は本症を疑い、原因疾患の有無の確認や家族性などを確認の後、注腸造影検査、

        内視鏡検査、超音波検査などで確認されます。



        注腸造影検査;


特徴的なのは拇指圧痕像、縦走潰瘍

で拇指圧痕像は急性期に認められ、 粘

膜下に浮腫や出血を認めます。 一過性

では症状発現期間が短いため、 造影の

描出が困難な事がある。 狭窄型では判

定の有力手段です。 これは潰瘍を形成

後、 治癒過程で瘢痕により腸管壁が肥

厚し、 嚢形成(狭窄型の慢性期の特徴

の一つ)などを描出するため。



        
内視鏡検査;急性期は粘膜の浮腫による凹凸、発赤、出血、多発性糜爛がX線上の拇指圧痕像に一致し

        て認めることができます。又、縦走潰瘍は結腸紐に一致して認められます。




        
体外式超音波検査;安全な検査で、急性期には左側結腸を中心とした瀰漫性の壁肥厚などが認められま

        す。正常な大腸壁は超音波検査では5層構造で描出されますが、 瀰漫性の壁肥厚は第1層から第3層ま

        で肥厚は認められ、層構造は第4層(筋層)が温存され、2層・3層(粘膜・粘膜下層)の境界は不明瞭に描

        出されます。







        検査すると明らかな腸管狭窄像を確認できます。ですが、一過性と狭窄型は発症初期には明確に分類す

        る事は困難です。注腸造影検査や内視鏡検査などにより、判定できます。重要なのは狭窄や炎症が可逆

        性であるか不可逆性かです。




        
関連検査値

        
CRP上昇、赤血球沈降速度促進、白血球数増多、血清アミラーゼ上昇、GOT上昇、GPT上昇、LDH上昇





      
§5  虚血性大腸炎のリスクファクター/虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気


        虚血性大腸炎は動脈硬化が進んでいるためにおきやすい疾患ですが、高血圧や高脂血症(脂質異常症

        )、糖尿病などのある人は大きなリスクを抱えているといえます。更に便秘や器質的疾患などで腸管内圧

        の上昇が危険因子になります。 虚血性大腸炎の基礎疾患としましては、 高血圧、心疾患、動脈硬化症、

        脳血管障害、便秘、糖尿病、膠原病、腎不全などが挙げられております。その他、経口避妊薬も誘因とし

        て挙げられている。





      
§6  類似疾患/虚血性大腸炎/下腹部全般/下腹部/痛みと病気


        
虚血性大腸炎と鑑別されなければならない疾患は急性期では、薬剤性大腸炎(右側結腸が障害を受ける

        ことが多く、発赤は強く、全周性、連続性で縦走潰瘍を伴う事は少ない)、 感染性腸炎(出血性腸炎/原因

        菌;病原性大腸菌O-157は極めて類似しており、 右側結腸に多発し、溶血性尿毒症性症候群を起こす点

        が異なる)があり、 慢性期では潰瘍性大腸炎(若年発症で病変は直腸から連続性、瀰漫性に認められる

        点が異なる)、クローン病(若年発症で全消化管に非連続性に多発する点が異なる)などがあります。
















 home(痛みと病気)>下腹部>下腹部全般>虚血性大腸炎

(C)allright reserved -痛みと病気-