虫垂炎・症状・痛み・病気

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虫垂炎・症状/痛みと病気




     
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虫垂炎・症状/痛みと病気



     
虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気



虫垂炎は、急性腹症の約半分を占める

重大な病気です。急性腹症は急激に激

しい腹痛を訴える病気の総称です。 虫

垂は 盲腸の先に突き出した5〜10cm

程度の突起です。 虫垂炎は軽度の炎

症から、壊疽性の炎症まで種々の炎症

があり、 一般的には盲腸あるいは盲腸

炎と称されるもので、 虫垂炎は虫垂に

化膿性の炎症を引き起こす病気です。



      
§1  虫垂炎(痛み・病気)の症状/虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気


        
突然の心窩部痛、臍部の疝痛を訴える事が多い虫垂炎ですが、初期は悪心、嘔吐が確認される事もありま

        す。さらに
腹部不快感、食欲不振、便秘、下痢、発熱を確認する事もあります。あるいは、それが上腹部、心

        窩部全体の間欠的な痛みから右下腹部の持続的な激しい痛みになる
事もありますし、通常は、心窩部から

        始まった腹痛が数時間後に右下腹部に限局する
という事もあります。更には
突然の激しい腹部の痛みから、

        時間の経過に従い、発熱、吐気、嘔吐などの症状が伴う
事もあります。ただし、乳幼児、高齢者、妊婦はこの

        様なある程度の想定の範囲の症状を示さない事もあります。虫垂炎が酷くなれば、虫垂が破れ、腹腔に膿が

        溜まり、腹膜炎を起こし、命に関わる事態
にもなりかねません。 これは極めて危険な状態で、高熱とともに、

        痛みは下腹部全体にひろがります
。このケースでも高齢者の場合には、腹膜炎の併発に気付かず、進行し

        てしまう場合も有りますので注意が必要になります。









      
§2  虫垂炎とは/虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気


        
茂木は虫垂炎はその進行により、カタル性虫垂炎、出血性虫垂炎、蜂巣織炎性虫垂炎、壊疽性虫垂炎と

        段階的に分類しています。痛みは時間の経過とともに症状が変遷します。この病理学的な分類としまして

        は夫々の考え方により、下記の通りになります。



スプレンゲルの分類 単純性虫垂炎
破壊性虫垂炎
アショフの分類 単純性急性虫垂炎
@ 初期蜂巣織炎性虫垂炎
A 潰瘍性蜂巣織炎性虫垂炎
破壊性虫垂炎
@ 重症潰瘍性虫垂炎 及び 重症蜂巣織炎性虫垂炎
A 壊疽性虫垂炎   及び 穿孔性虫垂炎
治癒期虫垂炎
虫垂炎瘢痕期ないし間欠期
茂木の分類 カタル性虫垂炎
出血性虫垂炎
蜂巣織炎性虫垂炎
壊疽性虫垂炎


        




      
§3  虫垂炎の検査/虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気


        
虫垂炎は早期に白血球数の増加が確認され、好中球(顆粒球)の増加(細菌感染や炎症性疾患では桿状

        核球が多くなります)、好中球の左方移動(桿状核球の増加を左方移動という)が確認されます。腹部単純

        X線検査では、イレウスによる小腸ガス貯留、消化管穿孔による遊離ガス像、結石の有無、腹膜炎などによ

        る腸腰筋陰影の確認に鑑別上有用とされ、腹部超音波検査では、病巣(腫大した虫垂像)の描出率は進行

        の程度にもよりますが、70〜90%と非常に有用とされております。 その他骨盤部CT、注腸造影検査など

        があります。


        この様に虫垂炎は炎症性のため、他の炎症性疾患などとの鑑別が重要になりますし、右下腹部痛の疾患

        は多くありますので、その点でも注意が必要です。
その他、虫垂炎では腹膜刺激により筋性防御として、病

        変部位付近の筋の緊張が確認されたり、 マクバーニーの圧痛点の確認やブルンベルグ徴候、ローゼンス

        タイン徴候、ロヴシング徴候など疼痛や圧痛が顕著に現れる徴候もあります。





       
虫垂炎の関連検査値・基準値

       
白血球数(15000/μL以上は炎症高度/手術考慮)、CRP






      
§4  虫垂炎の原因/虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気


        
虫垂炎の原因は、明確には判明していませんが、糞便(糞石)や異物などで虫垂の入口が閉塞されたり、狭

        くなる事で引き起こされる炎症と考えられております。血行が悪くなり、菌が繁殖して感染し、炎症が引き起こ

        されるとされております。





      
§5  虫垂炎の治療/虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気


        治療はまず、軽症例、カタル性であれば、保存的な治療として、セフェム系抗生物質で軽快する事があるた

        め、薬物療法で経過を確認する場合があります。その間に病状が増悪するのであれば、外科的な虫垂切除

        術を選択します。薬物療法では10〜20%程度の割合で再発します。然しながら、病状が中等症〜重症例

        (蜂窩性織炎性〜壊疽性)であれば、第一選択肢が手術という事になります。これは腹腔鏡を用いる手術

        と開腹手術交差切開法傍腹直筋切開法)が有ります。








      
§6  虫垂炎と類似する疾患/虫垂炎/右下腹部/下腹部/痛みと病気


炎症性疾患 右側大腸憩室炎、クローン病、ベーチェット病、急性胃腸炎、胆石・胆石症、胆管炎、胆嚢炎、膵炎、腸間膜リンパ節炎、薬剤性腸炎、虚血性大腸炎、潰瘍性大腸炎など
腫瘍 悪性リンパ腫(回盲部リンパ腫)、大腸癌など
婦人科系疾患 右卵巣腫瘍、卵巣茎捻転、子宮外妊娠、大腸癌など
泌尿器科系疾患 右尿路結石、腎結石、腎癌など
その他 腸閉塞、腸重積、腸アニサキス症、回盲部糞石症など









       
* 壊疽性の炎症では穿孔により、限られた範囲、あるいは広範囲に炎症が腹腔内に広がる汎発性腹膜炎

       を併発し、右下腹部痛から、化膿を引き起こす疾患として知られる。緊急手術をしなければなりません。




       
* 虫垂炎圧痛点と虫垂手術の切開位置
虫垂炎の各法の切開位置・特徴

腹腔鏡下術
/傷は小さく侵襲が小さい。

術後の傷が治り易く、入院期間が短期

間で済む。(切開創;臍下10o、他5o)


開腹手術

傍腹直筋切開法
/視野を広く取れ、虫

垂周辺に膿瘍が出来ている場合にも

適応する。 傷がやや目立つ、術後腹

壁瘢痕ヘルニアが起きる事がある。(

切開創;30〜80o)


交差切開法/傷があまり目立たない、

神経や筋を痛めない。視野が狭く、炎

症が激しい症例では薦められない。(

切開創;30〜80o)







      
* 好中球;好中球には成熟した分節核球と桿状核球があり、通常は分節核球が優位です。


      
* CRP(C反応性蛋白);炎症の程度により上昇する。





















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