子宮頸癌・症状・痛み・病気

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子宮頸癌・症状/痛みと病気




     
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子宮頸癌・症状/痛みと病気



     
子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気


      
子宮頸癌は早期発見さえ出来れば、治癒率の非常に高い癌です。今、我が国で問題になっておりますのは、

      検診の受診率の低さです。 子宮頸癌はウィルス(ヒトパピローマウィルス:human papilloma virus/HPV)によ

      り感染しますので、セ スの経験がある人は、未婚、既婚に関わらず検診を受けなければなりません。 ヒトパ

      ピローマウィルス(HPV)はにより蔓延します。清潔でない、ペニスの汚れ、分泌液中のHPV

      が子宮頸部に感染し、子宮頸部の細胞を癌化させてしまいます。セ ス回数が多い、複数のセ ス対象がある、

      妊娠・出産の回数が多い・パートナーの複数のセ ス対象・性感染症・ 早産・若年出産・若い初交年齢・喫煙

      歴・野菜や果物の摂取量が低いなどは子宮頸癌のリスクを高めます。

      * 子宮頸癌の出来易いと指摘されている部位(子宮頸部の
扁平円柱上皮境界(SCJ)呼ばれる部位です。)



      * HPV感染/世界でHPVに感染する人は年間3億人にも上るとされ(by WHO)、その大部分は免疫力によ

      り体内から自然に消えますが、極一部の人にはウィルスが細胞に残る持続感染となります。これが続く事に

      より、年間45万人(発癌性のHPVに感染した人の0.15%)が癌に罹患します。日本では年間8千人が罹患

      し、2400人が死亡します。



      
* HPVワクチン/ワクチンはウィルスの表面にある蛋白質の遺伝子だけを取り込み、別な細胞にその遺伝子

      を組み込み、HPVウィルスの表面の蛋白質だけを作らせたもので、 このワクチンは全く感染性は無く、病原

      性が蘇ることはありません。遺伝子工学的な方法により、大量のワクチンを生産する事ができます。接種1年

      程度で100%の抗体が出来、自然に得た抗体よりもかなり高い抗体価が得られる。 接種の時期はセクシャ

      ルデビュー(セ ス渉開始)前が効果的とされております。





      * 子宮頸癌ワクチン解禁;2009、12、22国内初のワクチン接種が始まりました。HPV16型、HPV18型の

      感染予防を期待されています。 国内感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターでの発表では、「子宮頸

      癌の50%が16型、10〜15%が18型とみられる」としております。 ワクチン接種は初回接種後、2回目は1

      ヶ月後、3回目が半年後の接種を必要とし、その1連の接種で「少なくとも20年効果は持続する」としています。

      対象者は10歳以上で、日本産婦人科学会では11〜14歳を中心とする45歳までの女性に推奨するとしてお

      ります。特に10代の早い段階(セクシャルデビュー期前)での接種が進めば、 子宮頸癌の激減が期待できる

      としています。






      
§1  子宮頸癌(痛み・病気)の症状/子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
子宮頸癌は初期(扁平上皮内に留まる、前癌病変の異型性)は無症候は90%以上で子宮癌検診や婦人

        科の他の病気でも検査などから子宮膣部の細胞診で発見されることが多い。 早期の子宮頸癌は月経以

        外に、 あるいは閉経以降に見られる少量の出血(不正.出血)で、セ ス時あるいはその直後の点状出

        血で気づく。0期では自覚症状は殆どありませんが、
まれに接触出血を確認する事があります。T期は腫

        瘍は子宮頸部の入口だけに発生し、U期では子宮頸部と膣の1/3以下程度に発生します。
褐色やピンク

        のオリモノや、セ ス後、排尿時に不正出血が確認されます



        進行すればセ ス時の多量の不正.出血、膿血性帯下
骨盤に限局した疼痛があり、帯下の悪臭は腫

        瘍組織の壊死と嫌気性菌影響のもので、子宮頸癌特有の悪臭を放ちます(帯下悪臭は子宮頸癌独特の

        異臭で、腫瘍組織の壊死と嫌気性菌を主とした感染によるもの)。腺癌では帯下の増量、水溶性帯下(悪

        性腫瘍)で、あふれ出る帯下のために何度も下着やパッドを交換しなければならないほどです。末期にな

        るとシンプソン徴候
坐骨神経痛、 下肢腫脹(下肢疼痛、下肢むくみ)、水腎症、膀胱膣瘻など尿路障害、

背部痛腰痛、直腸膣などの直腸障害

(膀胱の壁に穴が開く 「尿瘻/膀胱膣瘻」

や直腸の壁に穴が開く瘻孔「糞瘻/直腸

膣瘻」により、 尿や便が膣に流れ出る)


貧血(出血によるもの、癌細胞増殖によ

り 血液消費が増加)などが起こります。

他臓器にも転移しています。 血尿や血

便も確認されます。 (右図は子宮頸癌

Wa期の模式図ですが、 癌が膀胱・直

腸の粘膜に浸潤している状態を示して

います。)



     -子宮頸癌の進行期 模式図-

性成熟期の出血は多彩な原因に基ずく

不正.出血の認められる時期である

ため、
月経に続く出血や、月経が不順

になってからの出血は 機能性子宮出

血との鑑別がされなければなりません

し、 無月経に引き続く出血は流産や子

宮外妊娠の 異常によるものなのか否

の鑑別もされなければなりません。

* Ub期の広汎子宮摘出術例




      
§2  子宮頸癌とは/子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気




子宮は大きく分けますと子宮頸部・子

宮体部に分類できます。一般に子宮

癌と呼ばれている癌は全く性質の異

なる2つの癌、 子宮頸癌と子宮体癌

があります。子宮頸癌は子宮の入口

子宮頸部に出来る癌であり、子宮体

癌は 子宮の奥まった部位、 子宮体

部に出来る癌です。 子宮頸癌はHP

V 関与による感染症の 結果であり、

現在では本質的に子宮頸癌はSTD

(性感染症) としてとらえられており

ます。AIDS指標指定疾患(by CDC)我が国においては、 子宮頸癌は、このHPV感染に対応する予防

ワクチンの若い女性を対象とした臨床試験で好結果を得ており、早期の実施が待望されております。





      
§3  子宮頸癌の検査/子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気


        子宮癌検診は20歳代から受診できますが日本における受診率は極めて低く、この機会は見逃してはい

        けません。 子宮頸癌の検診を受けると検診受診者のうちでも、要精検率も極めて低く更に0期の段階の

        人が非常に多いという成績になっております。子宮頸癌の診断に至るまでの検査は細胞診、組織診、画

        像診断があります。近年の資料でも健診受診率は2割程度と低迷しています(OECDの調査では、欧米

        諸国で70〜80%)。女優の洞口依子さんは、発見の遅れから、御自分の子宮全摘の経験を公表されて

        おります。原因の大半がヒトパピローマウィルスであり、検診では前癌状態まで発見できます。ヒトパピロ

        ーマウィルスは極ありふれたウィルスで、 セ ス経験がある方であれば、80%の人が、一度は感染すると

        いわれております(そのうち90%の人は免疫力でウィルスを排除する)。


    -子宮頸癌細胞診用器具模式図-

* 子宮頸癌の前癌病変(異形成や上皮内癌)は

子宮頸部の細胞診で90%以上 発見されます。

細胞診(スメアテスト)は患部から細胞を採取し

て診断します。顕微鏡下では異常な核を持つ細

胞を判定します。(普段の状態の膣環境で診断

を受ける事が大切です/ 家庭で膣洗浄などをし

ない)

スメアテストでのクラス分類
クラスT 正常
クラスU 異常細胞を認めるが良性
クラスVa 軽度異形成(dysplasia)を想定する→以降、組織診を行います。(良性との境界)
クラスVb 高度異形成を想定する(悪性の疑いとの境界)
クラスW 上皮内癌を想定する
クラスX 浸潤癌(微小浸潤癌も含む)を想定する

感染を防ぐためのワクチンの導入も各国で広がっております(セ ス渉を経験する前の10歳代前半中心に

接種を推奨されており公費負担を実施する国も多い)。日本では相変わらず未承認です。ワクチンは無毒

で安全、効果は最低6年位は続くため、中学で接種し、20歳代からHPV検査主体の検診が良い。欧米で

はウィルスを直接検出するHPV検査も普及しており、 中等度異形成異常の病変は100%発見できるとさ

れます。







      §4 関連検査値・基準値/子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気


         
尿潜血






      
§5 子宮頸癌の療法/子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気



子宮頸癌の治療は手術療法・放射線療

法と 併用して化学療法が適応され、免

疫療法は補助的な位置づけになります。

治療方法は進行期・組織型・年齢・合併

症などを考慮して判断されます。 手術

療法は原則として0期〜Ub期までは腫

瘍の完全摘除が 可能と考えられており

ます。(右図の広汎子宮摘出術標本例

Ub期の摘除例です。 支持靭帯・膣

壁も摘除されております。 矢印の部位

は癌により腫大している部位です)


擦過細胞診で異常が認められた場合

は、コルポスコピーを用い病変の確認

・局在・広がりを確認します。その部位

からは組織を採取して確認します。細

胞診で異常が無い場合で、 糜爛のあ

る場合でも コルポスコピーによる確認

をします。 早期であれば(生検を行い、

細胞診陽性で、コルポスコピー下で異

常所見が見つからないor 異常所見の

上限が確認できない場合などは)キュ

ーレットを用いて、頸管内掻爬を行います。



これらで異常細胞の由来が確定でき

ない場合には、 診断を目的とした子

宮頸部の円錐切除術(cervical coni

zation)を適応します。切除はコール

ドナイフ(cold knife) や高出力レー

ザーや超音波凝固切開装置(harmo

nic scalpel )・ループ電極切除法(lo

op electrosurgical exision procedur

e/LEEP)などが用いられております。

肉眼的に 明らかな腫瘍が存在する場合には、 以後の治療の障害にならないためにも、円錐切除は選

択されません。


0期 T期 U期 V期 W期 考えられる治療後合併症・後遺症
a b
療法 術式
手術 頸部円錐切除術 広汎子宮全摘出術後/妊孕能消失・膀胱機能障害・直腸機能障害・リンパ浮腫・リンパ嚢胞・セ ス傷害

その他の術式の合併症・後遺症は担当医 要事前確認
単純子宮全摘出術
準広汎子宮全摘出術
広汎子宮全摘出術
超広汎子宮全摘出術
骨盤除臓術
放射線 膣内照射 早期傷害/放射線宿酔・皮膚障害・消化管(小腸・直腸)傷害・膀胱機能障害・骨髄機能抑制・セ ス傷害
晩発傷害/リンパ浮腫(血栓性静脈炎)・直腸傷害・膀胱障害
膣内照射+外部照射
* △医療施設で選択が異なる
 ◎原則的には選択される
* 担当医事前確認




      
§6 子宮頸癌の危険因子/子宮頸癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
HPVの感染源は、男性のペニスの汚れ、分泌液中のHPVがにより子宮頸部に感染し頸部

        細胞を癌化させる。 若い年齢での回数の多いセ ス、複数の相手、早産・若年出産、喫煙歴、妊娠・出産回

        数、野菜・果物の摂取量が少ない(ビタミンA、ビタミンC、βカロチン)、.感染症(梅毒、クラミジア、淋

        病、2型単純ヘルペスウィルス感染症)などがリスクを高めます。また、種類を問わずSTD(.感染症)

        に罹っていますと、.に炎症が有りますので、他のSTDにも感染し易くなります。悪循環になってからで

        はなく、感染したらすぐに治療しなければなりません。
実際、従来より婦人科領域では尖圭コンジローマ

        HPVが関与している事は古くから指摘されており、 子宮頸癌でもHPVの16型と18型、31型、52型、58型

        の関与が示されております。 これらがSCJの円柱上皮下に存在する細胞に癌化を惹起するウィルスである

        とされております。
HPVに感染し癌化する場合、身体の免疫状態も関係する事が指摘されております。免疫

        機能の低下状態で妊娠や、何らかの理由により免疫抑制剤を使用する、抗癌剤の使用、AIDS(acquired

        immunodeficiency syndrome)に罹患している、などでは子宮頸癌に罹患しているケースが確認されます。










      * シンプソン徴候/早期では痛みが無い事が多いが、進行期には血性、膿性の浸出液が子宮腔内に貯留しま

      す。 この貯留液を子宮腔外に排出しようと子宮が収縮する際に
陣痛様の疝痛(下腹痛)を起こしますがこれを

      シンプソン徴候といいます。(癌により子宮内に膿などの分泌物がたまるので、それを排出するために起きるも

      のです。)



      
* SCJ(扁平円柱上皮境界);squamocolumnar junction この部位は、思春期までは一般的には頸管内にあり、

      性成熟と共に子宮膣部の外子宮口から外側に位置するようになります。


粘液を産生・分泌するこの部位は、卵巣

から産生される卵胞ホルモン (エストロ

ゲン)の影響を受けるため、卵胞期には

粘液の 分泌量が増加し、 無色透明で、

粘稠性は低下し、.の通過が容易に

なる様に出来ています。 この部位には

予備細胞(reserve cell)とよばれる未分

化細胞が存在します(未分化細胞は増

殖し易い)。

この細胞は単層(1層)で構造しておりますが、

子宮膣部の糜爛の修復に対応するため、 増

殖・多層化して、それが重層の扁平上皮へと

連続して行きます。 この際に、正常な状態か

ら逸脱した細胞が出現し、増殖する事により、

前癌状態である異形成が生じ、 上皮内癌浸

潤癌に移行すると考えられております。近年

、 若い世代の女性に異形成(子宮頸癌の前

癌状態)が多くみられる事が 指摘されており

ます。





      
* 尖圭コンジローマHPVの6型、11型の感染により発症する。尖圭コンジローマを見る



      
* AIDS指標指定疾患1993年米国CDC(centers for disease control and prevention)によりAIDS診断基準

      に子宮頸癌が指標疾患と指定されております。
















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