子宮体癌・症状・痛み・病気
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子宮体癌・症状/痛みと病気
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子宮体癌・症状/痛みと病気
子宮体癌/子宮部/.部/痛みと病気
§1
子宮体癌(痛み・病気)の症状/
子宮体癌/子宮部/.部/痛みと病気
子宮体癌は初期のうちから
不正.出血
が起こりやすく、更年期、閉経期以降に不正.出血が起きた
のならばすぐに受診しなければなりません。 その出血もスポッティングという点状でわずかな出血の場合
も、軽く考えてはいけません。 (子宮体癌は出血があってからの受診でも間に合います。もう一つ大切な
事は出血のある時に受診するのが良いのです。)
患者さん全体の98%以上が
不正.出血(初発症状の80%が不正.出血で多量出血はまれ、褐色
帯下
、下着が汚れる程度)で、
帯下、又は腹痛を訴えます
。
自覚症状の無いものは1%前後に過ぎません。
子宮体癌は量の多少に関係なく即刻の婦人科への受診が必要です。 少量ですと褐色になる場合がある
傾向があります。閉経前は月経時の出血が増える月経過多、月経不順、不 妊なども留意します。更年期
の女性では閉経前後だからという安易な誤解が多く、
不正.出血は即、子宮体癌を疑う
必要があります。
初期は無症状の場合も有りますから定
期検診も 欠かさず受けなければなりま
せん。
癌が進行すれば血液に膿が混
じったり、 子宮が大きくなるなどに伴う
症状も出ますし、更に進行すると子宮
内に膿などの分泌物が溜まり、それを
排出しようとする事などから、
下肢の疼
痛やむくみ
、 尿路障害、直腸障害、貧
血、
シンプソン徴候
などがおこります。
§2 子宮体癌とは
/
子宮体癌/子宮部/.部/痛みと病気
子宮体癌はT型とU型があります。
T型
はエストロゲンの刺激を受ける事により子宮内膜増殖症から内
膜の過剰な増殖の結果から子宮体癌に至るもので、
U型
はエストロゲンに関係なく発症する子宮体癌で
す。 早く閉経が起こり、老化と突然変異により萎縮内膜から発癌するもので、前癌状態と形容しても良い
子宮内膜型増殖症を経由しない(denovo)発癌をする。 この型は限局性に発育します。 子宮体癌の2/3
は閉経後に発生するこのタイプといわれます。
(
T型
は中〜高分化型癌が多く
U型
は低分化
型の癌が多い)。 子宮体癌は早期から出血を
伴い易く早期発見により治る癌の代表とされて
おります。子宮体癌全体の好発年齢は平均で
55〜60歳で、 50歳代で40%程度が発生し、
40歳未満になりますとその頻度は5%前後と
考えられております。 ( * 分化度は低いほど
悪性です。)
§3 子宮体癌の検査
/
子宮体癌/子宮部/.部/痛みと病気
自覚症状などから子宮体癌を疑い、次の段階としましては子宮内膜生検を行って診断が確定されますが、
子宮体癌は可視的ではなく盲目的な掻爬では見逃す事が充分あり、 内膜生検と同時に子宮内膜細胞診
を行います。 腫瘍マーカー(
CA125
など)
関連検査値・基準値
尿潜血
§4 子宮体癌の療法
/
子宮体癌/子宮部/.部/痛みと病気
子宮体癌は放射線療法では高い効果は期待できませんが
V期
・
W期
と進行しますと手術だけでは治す
事が困難で放射線療法や化学療法、ホルモン療法などと併用した療法を採用する事があります。
T期
、
U期
での放射線療法は再発の可能性が高いと予想される場合、手術後の補助療法として採用されるこ
とがあります。若年者の子宮体癌で
Grade1
・
Ta
期の場合は全面掻爬と黄体ホルモン療法を考慮します。
(妊孕性温存療法)
組織型
頻度(%)
類内腺癌
80
類内膜腺癌
(60)
扁平上皮への分化を伴なう類内膜腺癌
(20)
漿液.癌
10
明細胞腺癌
1〜5
粘液.癌
<1
扁平上皮癌
0.1
混合癌
<1
未分化癌
<1
類内膜腺癌の形態
Grade 1
(高分化型)
充実性増殖(但し扁平上皮成分は除く)の占める割合が、腺癌成分の5%以下のもの
Grade 2
(中分化型)
充実性増殖(但し扁平上皮成分は除く)の占める割合が腺癌成分の6〜50%のもの or 充実性臓移植の割合が5%以下でも細胞異型の著しく強いもの
Grade 3
(低分化型)
充実性増殖(但し扁平上皮成分は除く)の占める割合が50%を越えるもの or 充実性増殖の割合が6〜50%でも細胞異型が著しく強いもの
漿液.癌・明細胞腺癌・扁平上皮癌は核異型によりGradeを判定する。
扁平上皮への分化を伴なう腺癌のGradeは腺癌成分により判定する。
手術進行期分類
5年生存率
0期
子宮内膜異型増殖症
T期
癌が子宮体部に限局する。
±85→92%
Ta期
/子宮内膜に限局するもの
Tb期/浸潤が子宮筋層の1/2以内のもの
Tc期/浸潤が子宮筋層の1/2を越えるもの
U期
癌が体部及び頸部に及ぶもの
±60%→78%
Ua期/頸管腺のみを侵すもの
Ub期/頸部間質浸潤のあるもの
V期
癌が子宮外に広がるが、小骨盤腔を超えていないもの、 or 所属リンパ節転移のあるもの
±50%→59%
Va期
/漿膜ならびに or 付属器を侵す 並びに or 腹腔細胞診陽性のもの
Vb期
/膣転移のあるもの
Vc期
/骨盤リンパ節並びに or 傍大動脈リンパ節転移のあるもの
W期
癌が小骨盤腔を超えているか or 腸粘膜浸潤のあるもの
±20%→19%
Wa期/膀胱並びに or 腸粘膜浸潤のあるもの
Wb期/腹腔並びに or 鼠径リンパ節転移を含む遠隔転移のあるもの
子宮体癌取り扱い規約 etc / FIGO Committee 日本産婦人科学会 日本理学会 日本医学放射線学会編 他
§4−1 手術療法/
子宮体癌の療法
/
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子宮体癌は
進行期
や
組織型
によりそ
の治療法が異なりますが、基本的な
療法は手術です。 子宮体癌は 子宮
頸癌と比べると 卵巣転移の 頻度が
高い (
T期
で5〜10%の 卵巣転移
頻度)ため、子宮摘出と同時に 両側
の付属器も摘出を行います。頸部浸
潤が確認されるなら、子宮頸癌同様
の広汎子宮全摘出術を実施します。
頸部に浸潤が無い場合には 準広汎
子宮全摘出術を選択します。
T期
・
G2
・
G3
筋層浸潤が強い
U期
〜
V期
では骨盤内リンパ節と傍大動脈リンパ節の郭清をおこな
います。
Vc期
の確定をするためには傍大動脈リンパ節への転移確認が必要になります。(このリンパ
節に転移確認のケースでは予後不良)
§4−2 放射線療法/
子宮体癌の療法
/
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手術適応できないものは放射線療法を選択します。また、
筋層浸潤の深いもの・
G2
・
G3
の低分化度のも
の、進行度の高いもの(腹腔細胞診陽性・リンパ節転移陽性)などの症例に対しては、術後、放射線療法
が選択されます。
これは外照射適応ですが、浸潤の無い
G3
症例や、わずかな浸潤の場合(
G2
症例など)
は、膣断端再発の危険性を考慮して、膣内照射の適応になります。その他、全腹部照射対象としては、高
頻度に腹腔内播種を来たす乳頭状漿液.癌(予後は極めて不良)・明細胞癌・進行癌(
V
〜
W期
)の術
後などに適応されます。
§5 子宮体癌の危険因子
/
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過去に妊娠、出産の経験がないor少ない、30歳以降の月経不順、無排卵の人、更年期以降の人、未婚、
不 妊、初妊年齢が高い、エストロゲン長期投与、肥満 (アロマターゼリスク→エストロゲン産生)、糖尿病
(耐糖能異常、二次的内分泌環境変化)、高血圧(耐糖能異常、二次的内分泌環境変化)、PCOS(多膿
胞性卵巣症候群;異常分泌されたアンドロゲンが末梢でエストロゲンに変換)、 顆粒膜細胞腫;莢膜細胞
腫(子宮体癌は重複癌の発生頻度が高い)
*
シンプソン徴候
/早期では痛みが無い事が多いが、進行期には血性、膿性の浸出液が子宮腔内に貯留しま
す。 この貯留液を子宮腔外に排出しようと子宮が収縮する際に
陣痛様の疝痛(下腹痛)を起こし
ますがこれを
シンプソン徴候といいます。(癌により子宮内に膿などの分泌物がたまるので、それを排出するために起きるも
のです。)→
疝痛
*
帯下(たいげ)
/女性.からの分泌物で、帯下の異常により感じる不快感を帯下感といいます。帯下の自
覚には個人差があり、実際の帯下の量と症状は必ずしも一致しない。生理的には排卵時、妊娠時、.
時は増加します。 .帯下、膣帯下、子宮帯下などに分類されます。初期は水溶性、漿液性で、癌が進行す
ると血性、肉汁様になり、感染を伴うと膿性になります。 子宮内に貯留すると子宮が嚢腫状に膨らみ、子宮留
膿症という状態になりますから帯下は見逃さないようにしなければなりません。
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