膀胱癌・症状・痛み・病気

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膀胱癌・症状/痛みと病気




     
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膀胱癌・症状/痛みと病気



     
膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気



      
§1  膀胱癌(痛み・病気)の症状/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気


        
初期症状は殆ど痛みを伴わない、無症候性血尿が断続的に起きることが特徴で、この血尿(癌の表面は

        血管が多く、出血し易くなっているため)は、 1〜2回はそのままでも自然消失する事が有りますが、長け

        れば、これが1年以上続く事もあり、これを繰り返します。


(血尿は数日〜10日前後続いて治まる事を

繰り返す)更に
癌が進行しますと、血尿の頻

度が増加します
。 (排尿の度に血尿が現れ

る様になります。)そして、自覚症状としては、

その 発生部位により、 排尿痛、頻尿、排尿

困難
もあります。これは膀胱炎を起こしても

排尿痛、頻尿がおこります。






        頻度の少ない、殆ど腫瘤を作らない
上皮内癌の場合には、排尿痛、頻尿は主症状であり、この場合には

        血尿を伴わない場合もあります
腫瘍が尿管口に浸潤すれば、尿の通過障害を起こす事により、水腎症

        を起こしてしまいますと、脇腹や、腰も痛むようになります
背部鈍痛も自覚する様になります内尿道口

        近傍に癌が発生しますと、排尿困難
も起こす事があります。

腫瘍が骨盤内に進展すれば、リンパ

管や静脈の閉塞により下肢の浮腫を

来たす様にもなります。
そして体重減

少・骨盤神経への浸潤による神経痛・

両側尿管閉塞による 尿毒症もありま

す。 下腹部が膨隆する膀胱タンポナ

ーデ(膀胱内に血塊が充満した状態)

を確認する場合もあります。










      
§2  膀胱癌とは/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気


        膀胱癌は膀胱を覆う内側の粘膜から発生する悪性腫瘍です。無症候性の血病が特徴で、この血尿は自

        然消失するのも特徴ですが、癌が進行すれば、血尿の頻度が増加します。この腫瘍が成長する事により、

        様々な症状を発現します。 泌尿器系の癌では最も多く見られる癌です。罹患の頻度は50歳以上の特に

        男性に多い癌です。

膀胱癌は上皮内癌以外の場合には、膀胱鏡で

診断可能で 約半数が二個以上の 多発癌です。

7割は 有茎性の乳頭上突起を持つものは、比

較的悪性度が低く、 膀胱内で再発を繰り返す

事があっても、 転移の少ない癌です。ですが、

残りの3割の癌は 表面の平滑なもので、治療

が遅れたり、 適切に治療できなければ、早期

に転移し易い悪性度の高い癌と考えられてお

ります。









      
§3  膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気


        
膀胱癌は、なるべく早期の治療が望ましいのですが、腫瘍が粘膜内に留まっている表在性の段階の治療、

        腫瘍が進行して粘膜層から膀胱の筋肉層にまで広がっている浸潤性の段階の治療、あるいは更に進行し

        た状態では、 膀胱周囲の脂肪層や臓器・組織にも広がってしまっている状態であり、治療法も予後もそれ

        により大きく異なってしまいます。即ち、治療は病期(ステージ)/原発腫瘍深達度 と 異型度(グレード)/

        グレードが高いほど悪性度が高い によりその治療方針が決定されます。





      §3−1 膀胱癌の進行期と治療/膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気


        治療は病期や悪性度、腫瘍の広がり具合などにより、夫々対応が異なります。然しながら、殆どの場合には、

        手術対応です。



       §3−1−1 Tis/膀胱癌の進行期と治療/膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気
右図を御参考にご覧下さい)          -膀胱癌の進行期模式図-

上皮内癌で病期がTisの場合には腫瘍

が膀胱内に広がっている事が多いため、

BCGを用いて 膀胱内を治療する膀胱

内注入療法が標準的な治療法になりま

す。奏功率は60〜70%ですが、2コー

ス実施しても無効の場合には、膀胱全

摘術が選択されます。

全摘の場合には、腫瘍が尿管や尿道

に広がっている事もあるため、尿道を

同時摘出する事もあります。(注入は6〜8回/コース 毎週継続実施1コース終了後無効の場合には、もう

1コース実施します)膀胱内注入療法の使用薬剤として、BCG以外にもマイトマイシンCアドリアマイシン

(ドキソルビシン)も使用されます。





       
§3−1−2 Ta・T1/膀胱癌の進行期と治療/膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気

       (上図を御参考にご覧下さい)


       腫瘍が膀胱筋層に浸潤していない場合には、腰椎麻酔の上、尿道から膀胱鏡を挿入し、視野確認しながら

       切除ループと呼ばれる電気メスで腫瘍を除去します(経尿道的腫瘍摘除術)。 膀胱全面に腫瘍が広がって

       いなければ、この治療法により治癒は充分望めるとされます。但し、この方法の場合には、再発の問題が有

       り、60%程度の頻度で再発し10〜15%程度が浸潤性癌に移行しますので、 術後の定期的な膀胱鏡検査

       が必要になります。 膀胱内に抗癌剤を注入する方法も有りますが、これは身体的な理由などで、経尿道的

       腫瘍摘除術の受けられない人に限り、適用されます。然しながら、抗癌剤注入による治療法の効果は、良く

       ないとされています。



       * 経尿道的腫瘍摘除術(TUR-Bt transurethral resection of bladder tumor)





       
§3−1−3 T2〜T4/膀胱癌の進行期と治療/膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気

     
  (上図を御参考にご覧下さい)


       膀胱筋層に腫瘍が浸潤している場合には膀胱全摘除術が選択されます。






       
§3−1−3−1 T2/膀胱癌の進行期と治療/膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気

     
  (上図を御参考にご覧下さい)


       かつて、膀胱全的除術の行われる以前には、膀胱の一部を摘出する(膀胱部分切除術)方法が選択された

       事もありますが、術後の再発、転移が多く、治療成績が悪いため現在では殆ど選択されておりません。また、

       T2の場合には、経尿道的腫瘍切除術で治癒する事も有りますが、50%以上の頻度で再発、他臓器転移が

       見られる事があるため、膀胱全的術が選択されます。






       
§3−1−3−2 T3・T4/膀胱癌の進行期と治療/膀胱癌の治療/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気

     
  (上図を御参考にご覧下さい)


       t3.t4の進行の場合には、膀胱全的除術だけでは、治療成績は極めて悪いとされ、5年生存率も30%以下

       のため、膀胱全摘除術の前、後に抗癌剤の併用療法も選択されております。











      
§4  膀胱癌の検査/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気


        検査は膀胱鏡による膀胱内部の確認(『乳頭状、結節状、中間型』『有茎型、広基型』など)・尿細胞診

        尿中NMP、尿中BTA、画像診断(超音波検査CT検査、胸部X線検査・胸部CT検査、MRI、骨シンチグ

        ラフィー、点滴静注腎盂造影検査/排泄性尿路造影などの検査方法があります。
)などで確認を進めま

        す。






        
* 関連検査値・基準値


        尿潜血血清尿素窒素









      
§5  膀胱癌の情報/膀胱癌/膀胱部/下腹部/痛みと病気


        膀胱癌はかつて、発癌性のあるベンチジンを取り扱う染料・顔料工場に勤める人の職業病として知られて

        いるものでもあります。 (又、アニリンなどの化学物質を扱う工場労働者にも膀胱癌が多発する事も知ら

        れております。)膀胱癌は喫煙者の場合、非喫煙者に比して4倍程度発生率が高いという報告が有ります。

        その原因物質としてはニトロソアミン、 4-アミノビフェニール、 2-ナフチルアミンなどが上げられています。

        膀胱癌が男性に多い一因と考えられております。食生活では、コーヒー、人工甘味料は危険因子と考えら

        れており、 高蛋白食(尿中トリプトファン代謝物/実験データより)はリスクを高めるとされております。抗癌

        剤のシクロフォスファミドは出血性膀胱炎や膀胱癌の原因になるとされます。
慢性的な刺激、感染の関連

        では、長期膀胱留置カテーテル、結石などに伴なう感染、慢性刺激などで膀胱癌が誘発されるとしています。


        一般に膀胱刺激症状(頻尿・排尿時痛・排尿困難など)を呈する膀胱癌患者さんの場合には、悪性度の高

        い上皮内癌や進行癌である可能性が高い。









        
* 上皮内癌;癌細胞が上皮内に留まっている状態で、隆起性の腫瘍を形成しないものですが、これは乳

        頭状癌に比して、悪性度が高く、急速に浸潤性・転移性へと移行する事があるため注意が必要。



        
* 尿細胞診;患者さんに負担をかけない検査です。正確な診断のためには新鮮尿が望ましい。異型度の

        高い癌の場合には、陽性率は70%以上と高いが、異型度の低い乳頭状癌では10%以下と低いので、近

        年では分子生物学的手法や免疫学的手法による尿検査が考案されている。



        
* 尿中NMP22(nuclear matrix protein 22);膀胱癌細胞の細胞死により放出された核内蛋白質NMP22を

        測定するもので、尿細胞診より感度は良いが特異性に欠ける問題はあります。偽陽性となるケースでは、

        炎症、感染、腫瘍体積や異型度が低い場合などです。短時間で測定できるため外来レベルのスクリーニ

        ングには適しているといえます。



        
* 排泄性尿路造影(点滴静注腎盂造影);この検査での膀胱像では膀胱癌の診断は難しいことが多いが、

        血尿を来たしている患者さんの、他の疾患(結石など)を除外するためには重要な意味があります。



        
* 膀胱鏡;膀胱鏡は膀胱癌に欠くべからざる検査法といえます。また無症候性の血尿を来たしている患者

        さんにも膀胱鏡検査を行う事が多い有用な検査法です。 硬性鏡と軟性鏡があります。膀胱腫瘍の疑いが

        あれば、生検を行います。 軟性鏡は簡単な局所麻酔で痛みの少ない方法として適していますが、生検を

        行う場合には硬性鏡の方が適しています。



        
* 超音波検査;病期診断に有用です。経腹的超音波検査は腹部臓器、後腹膜リンパ節転移、水腎症の有

        無を確認でき、経尿道的超音波検査では膀胱内腫瘍の深達度を評価します。



        
* CT検査;所属リンパ節の転移、肝臓や後腹膜リンパ節転移、肺転移の確認に有用です。



        
* 腫瘍の性状;乳頭状&有茎性→表在性の癌が多い  結節状&広基性→浸潤性の癌が多い



















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