抗癌剤・痛み・病気

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抗癌剤/痛みと病気


     
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    抗癌剤


    抗癌剤治療はその効果が期待できる癌も有りますし、そうでない癌もあります。(下表の資料1資料2を御参考

    にご覧下さい)また、全身に転移し易い癌や手術ではとりきれない癌が体内に残る事も少なくありません。化学療法

    が薦められるのは血液系の癌などです。胃癌や大腸癌などに対して化学療法を行うのは進行性の癌の場合で初

    期の段階で抗癌剤投与することはありません。全身に転移し易い乳癌や周囲に広がる卵巣癌などは手術療法で取

    りきれず体内に残る事があります。この様な場合には手術前後に化学療法が選択されます。化学療法はこの様に

    ケースバイケースで選択されます。進行癌の場合は補助的に化学療法は選択されることが少なくありません。癌が

    進行して化学療法で延命や症状の改善が期待できない場合などは化学療法が選択される事はありませんし、患者

    が衰弱している、肝臓や腎臓、心臓などに一定基準以上の異常が有る場合は化学療法は禁じられております。


    化学療法やホルモン療法を受けますと、月経が一時的に止まる事が有りますが、場合によりますと、そのまま閉経

    する方もおられる様です。それを予想する事は困難ですが、30歳以上の女性ではその様な患者さんが増えている

    様です。また、抗癌剤の種類によりましても、閉経する確率が高いものも有るようです。治療に入る前に、担当の

    医師と相談する必要もあるかも知れません。



    抗癌剤には細胞に対して毒性を持つ(細胞毒)薬、特定の分子を標的にする分子標的治療薬に大別する事ができま

    す。細胞毒を持つ薬は、癌細胞がDNAを複製するのを妨げたり、癌細胞の分裂を直接的に妨害し、癌細胞の増殖

    を抑えます。分子標的治療薬は近年の分子生物学的な手法により、解明されてきた(癌の発症、癌細胞の増殖や浸

    潤、転移の仕組みなどの分子レベルでの解明など)分子レベルでのロジックから分子の作用を妨げて、癌の進行を

    抑える薬が開発されてきております。これらは、特定の分子をターゲットにしている事から分子標的治療薬と呼ば

    れております。分子標的治療薬には抗体製剤、シグナル伝達阻害剤、
エピジェネティクス(後成遺伝学、遺伝子の

    後成的修飾)に作用する薬の3グループに分類されます。





    
抗癌剤と閉経

使用薬剤・期間 29歳以下 30〜39歳 40歳以上
治療無し  0% 4〜6% 20〜25%
タモキシフェン・5年  0% 4%以下 5〜30%
CMF療法・6ヶ月 19% 30〜40% 80〜95%
CEF/CAF療法・3〜6ヶ月  0% 10〜25% 80〜90%
AC療法・3ヶ月 不明 13% 57〜63%






    
抗癌剤と癌細胞の薬剤耐性


    癌細胞は薬剤耐性(一次耐性、自然耐性)という性質を備えているために抗癌剤治療を困難にしています。それは

    抗癌剤治療で生き残った癌細胞が薬剤耐性を得て、再び増殖をする事にあります。これは薬剤二次耐性、獲得耐性

    と呼ばれております。この場合は当初の薬剤は最早効かず使用することが出来ません。これは癌細胞がアポトー

    シス(自殺)を回避する、細胞内部から薬を外に出す、抗癌剤の標的となる蛋白質の構造が変化するなどの理由が

    考えられております。一端薬剤耐性を獲得した癌細胞を化学療法で再びたたく事は今のところ困難で従来型の抗癌

    剤治療だけでなく、分子標的治療薬などもこの問題を持っています。






    抗癌剤の作用


    抗癌剤が効く癌と効かない癌がありますが、その理由の最大のものは抗癌剤が癌細胞の分裂を抑える能力に欠

    ける事です。それ以外にも様々な理由があります。体内での状態や抗癌剤に対する癌細胞の感受性、耐性、色々

    あります。又抗癌剤は用量依存性といい投与量により効果が変わるもの、時間依存性といい体内に存在する持続

    時間により効果が変わるものや、プロドラッグのように癌細胞に取り込まれて初めてその効果を活性化するもの

    などまだまだあります。それ以外に大きな問題として副作用もあります。






    抗癌剤治療


    抗癌剤治療を受ける際には標準的治療や、奏効率、副作用などに付いてインフォームド・コンセントの充分出来る

    医師に付くべきです。日本においては抗癌剤治療の専門医(臨床腫瘍医師、腫瘍内科医師)と呼ばれる人がおらず、

    その体制上の問題があります。抗癌剤や化学療法に付いての知識や経験が海外に比して遅れているというわけでは

    ありません。しかし、癌患者にとっては差し迫った命の問題でもあり、抗癌剤治療を受ける際にはセカンドオピニオン、

    サードオピニオンと御自分や関係者の方々が充分に納得の行く説明を受けられる事こそが不利益を受けない上でも

    何より大切です。インフォームド・コンセントは命を預ける癌患者にとって闘病中の信念、信頼に関わる問題です。






    抗癌剤の効果が期待できる癌・抗癌剤の効果の期待の薄い癌

    資料1

抗癌剤によって治癒が期待できる癌 急性白血病ホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫絨毛癌胚細胞腫瘍
抗癌剤によって延命が期待できる癌 乳癌卵巣癌小細胞肺癌多発性骨髄腫慢性骨髄性白血病骨肉腫前立腺癌
抗癌剤によって症状の緩和が期待できる癌 軟部組織肉腫頭頸部癌食道癌子宮癌胃癌結腸癌(大腸癌)膀胱癌非小細胞肺癌
抗癌剤では効果に期待するに乏しい癌 悪性黒色腫膵癌(膵臓癌)肝癌(肝臓癌)脳腫瘍腎癌(腎臓癌)甲状腺癌


    資料2



* 完全寛解/腫瘍が4週間以上完全になくなる状態

* 部分寛解/長径が30%以上減少した状態





    抗癌剤の副作用

    抗癌剤は両刃の剣で正常細胞にもダメージを与えます。その副作用は薬の種類によって異なりますが、分裂

    の盛んな細胞が影響を受け易く、骨髄細胞、消化管粘膜、毛根などに影響をあたえます。
骨髄抑制、吐き気

    、口内炎、胃痛、下痢、便秘、食欲不振、
脱毛など様々な副作用がおこります。大方の副作用は3〜4週間

    で収まります








     抗癌剤一般                    * 下表の御使用に当たりましては他の資料も充分にご確認下さい。


一般名/副作用 投与方式/適応癌 概要














アルキル化剤
最も古くから開発されている薬剤で、本来は毒ガス研究から開発されたもの。アルキル化剤は強力で異常な結合をDNAの間につくりDNA遺伝情報を阻害する事により、DNAそのものを損傷し、細胞が分裂して癌細胞が増殖する際に、DNAがその結合部分でちぎれ、癌細胞が死滅するのを狙ったもの。アルキル化剤は癌細胞に強力な死滅効果を発揮する反面、正常な細胞も攻撃する副作用の強い薬剤です。DNAがどんな状態でも作用(細胞周期に非特異的)しますが、アルキル化剤は癌細胞のように活発に分裂・増殖する細胞に対して(DNAが複製を行っている時や複製された娘細胞にDNAの致命的な異常を伝える)より効果的に働きます。
イホスファミド IFM

副作用/出血性膀胱炎(排尿痛、頻尿、下腹部痛、)や急性腎不全(尿が出ない、体液が溜まりむくむ)などの泌尿器障害を起こし易い。吐き気・嘔吐、食欲不振、
骨髄抑制、まれに軽度意識障害を伴う脳症やSIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)などがあります。間質性肺炎、心不全、不整脈や意識障害を伴う痙攣や錯乱などの報告もあります。
注射薬

治療適応/骨肉腫、小細胞肺癌、前立腺癌、子宮頸癌、軟部肉腫、小児固形癌(ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、腎芽腫など)、胚細胞腫瘍、非小細胞肺癌、膀胱癌など
シクロフォスファミド(CPA)類似構造で、CPAニ体制を持った癌にも効果が得られる可能性があるが、同等の効果は4倍量が必要になる。体内に入り、活性化して癌細胞遺伝子の複製を阻害し、癌細胞を死滅させる事を狙ったもの。投与後は主に肝臓で代謝・排出される。出血性膀胱炎という特異的な副作用予防のためメスナ(予防薬)を併用する。ペントスタンチン(代謝拮抗剤)を使用中の人、本剤により過敏症を起こした経歴のある人、腎臓又は、膀胱に重い障害のある人は使用できません。催奇形性の可能性が有るため、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。
ニムスチン ACNU

副作用/投与回数が増加するにつれ顕著な
骨髄抑制、白血球や赤血球、血小板などの数の減少、吐き気・嘔吐、食欲不振、まれに間質性肺炎、肺線維症を起こす。まれに長期間の使用により、急性白血病や骨髄異形成症候群の誘発の可能性があります。肝機能、腎機能の低下、脱毛、頭痛、倦怠感、口内炎、下痢、めまい、痙攣などが見られる事もあります。
注射薬

治療適応/脳腫瘍、胃癌、大腸癌、肝癌、肺癌、悪性リンパ腫、慢性白血病
ニトロソウレア系の抗癌剤で血液脳関門を通過する。癌細胞内の遺伝子ん合成を阻害して、細胞分裂を阻止する。体重にあわせた量を注射用水で溶かし、静脈、動脈に注射する。遅延性の骨髄抑制が強く生ずるので投与語4〜6週間の休薬器管が必要になる。骨髄抑制のある人、本剤により重い過敏症を起こした履歴のある人は使用できません。催奇形性の報告があり、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳中の人は授乳を中止してください。他の抗癌剤や放射線治療の併用により、骨髄抑制などの副作用が強まる事もあります。
サイクロフォスファマイド
(シクロホスファミド)CPA

副作用/吐き気・嘔吐、発熱、
脱毛、泌尿器障害、女性では無月経、弾性では.生産の停止が起こる事がある。大量投与、長期投与ではめまい、動悸・息切れ、骨髄抑制も増強したり、まれにアナフィラキシー(急性アレルギー症状)や体内抗利尿ホルモンの過剰、心不全を引き起こす。膀胱に刺激を与えるため、投与の翌日から数日の間に出血性膀胱炎を起こす事があります。まれに肺線維症や間質性肺炎、腸閉塞などが起こる事もあります。
注射薬・経口剤

治療適応/多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、乳癌、白血病、真性多血症、肺癌、子宮癌、卵巣癌、骨肉腫、咽頭癌、胃癌、膵癌、肝癌、結腸癌、.腫瘍、絨毛癌、横紋筋肉腫、悪性黒色腫(メラノーマ)、ユーイング肉腫、網膜芽腫、神経芽腫、肺癌など
世界中で多用されてきた抗癌剤、小細胞肺癌(CAV療法)、非ホジキンリンパ腫(CHOP療法)、ホジキン病(C-MOPP療法)などで通常点滴による静脈注射で患者の体調や癌の種類により筋肉注射、腹腔内・胸腔内へ注入する事もある。錠剤は空腹時投与、造血幹細胞移植の前処置で大量投与する場合は泌尿器障害を防ぐためにメスナ(予防薬)や輸液を投与する。放射線との併用では骨髄抑制が増強し、糖尿病のインスリン使用者は血糖値効果が強まるので注意が必要。当剤とペントスタチンの併用で心毒性の危険性があり、死亡例の報告もある。本剤の成分により、重い過敏症を起こした事のある人、重い感染症に罹っている人は使用できません。催奇形性の疑いがあり、妊婦や妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳は中止してください。
ダカルバジン  DTIC

副作用/吐き気・嘔吐、食欲不振、肝機能障害、
アナフィラキシー(急性アレルギー症状)、比較的軽い骨髄抑制、時に肝静脈血栓症、肝細胞壊死などの重い肝臓障害。海外で多剤併用療法による無月経、無.症の報告もあります。注射部位の血管痛や静脈炎、肝機能や腎機能の検査値の上昇、脱毛、発疹、全身倦怠感、発熱、頭痛など、まれに高度の骨髄抑制(出血傾向・貧血・感染症に対する抵抗力の低下など)、重い肝障害などの報告もあります。
注射薬

治療適応/悪性黒色腫(メラノーマ)、ホジキン病(悪性リンパ腫)、難部肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、甲状腺癌(髄様癌)など
癌細胞の分裂の周期には無関係に作用する。黒色腫(メラノーマ)に最も有効とされている。投与直前に注射液に溶解して点滴静脈注射(皮下・筋肉注射厳禁)注入時の血管痛は遮光、注入速度を緩やかにするなどでカバーできる。長期投与では急性白血病、骨髄異形成症候群、固形癌などの二次癌の報告がある。本剤により重い過敏症を起こした事のある人は使用できません。催奇形性が報告されており、妊婦や妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
ラニムスチン  MCNU

副作用/重い副作用として、出血傾向や貧血といった
骨髄抑制、食欲不振、吐き気・嘔吐、まれに間質性肺炎、白血病、骨髄異形成症候群などの二次腫瘍、一般的にAST、ALTなどの肝機能検査値の上昇、全身倦怠感、腎機能の低下、発疹、色素沈着、毛嚢炎、発熱、頭痛、めまい、手の痺れなどがあります。
注射薬

治療適応/脳腫瘍(膠芽腫、乏突起膠腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍など))、骨髄腫、悪性リンパ腫、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、真性多血症、本態性血小板増多症の寛解導入療法など
ニトロソ尿素で血液脳関門を通過できる数少ない薬剤で脳腫瘍に使用される抗癌剤(他の抗癌剤と併用使用される)、癌細胞の遺伝子に作用して癌細胞の分裂を妨げる。体表面にあわせた量を点滴、ワンショット静脈注射する。溶液は生理食塩水orブドウ糖で点滴の場合は全体を遮光して使用される。骨髄抑制のある人、感染症に罹っている人、肝臓や腎臓に障害のある人は使用には注意が必要になります。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は避ける事が望ましい。授乳は中止してください。
メルファラン L-PAM

副作用/吐き気・嘔吐、下痢、口内炎の他に
骨髄抑制が強く発現する(感染症への抵抗力の低下や貧血、出血傾向)。造血幹細胞移植の前処置で大量投与すると、アナフィラキシー症状(呼吸困難、蕁麻疹)、間質性肺炎、溶血性貧血、肝臓障害からの黄疸などの発現もある。脱毛、発疹、痒み、めまい、血圧低下など
経口剤・注射薬

治療適応/多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫、小児固形癌の前処置薬剤、[甲状腺癌、悪性黒色腫(メラノーマ)、乳癌など日本では適応外]
まれな疾患に使用される薬剤(オーファンドラッグ/希少疾病用医薬品)であり、腫瘍に対する親和性を高めた薬剤。注射剤は静脈に点滴投与する。通常造血幹細胞移植の前処置大量化学療法に他の抗癌剤と併用します。経口剤は多発性骨髄腫のみに使用されます。骨髄抑制に充分な注意が必要で、腎機能障害があると副作用が強く発現する可能性があります。骨髄機能が著しく低下している人、重い感染症に罹っている人、本剤で重い過敏症を起こした事のある人は使用できません。催奇形性の疑いがあり、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳は中止してください。
チオテパ  TESPA

副作用/
骨髄抑制に伴う白血球減少と出血、貧血、食欲不振、吐き気・嘔吐、口内炎などの粘膜障害や腎不全の恐れもある。急性白血病などの二次性の癌を生じさせる可能性もある。発熱、脱毛、肝障害、頻尿・排尿困難、倦怠感などや、喉の痛み、血痰、頭痛、発疹などが見られる事もあります。
注射薬

治療適応/慢性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫(ホジキン、リンパ肉腫、細網肉腫)、胃癌、肺癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、骨肉腫、悪性黒色腫、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、腹水など
遺伝子に損傷を与えたり、DNAの二重螺旋構造間に架橋して癌細胞の分裂・増殖を阻害し、死滅させる事を目的としますが、現在殆ど使用例は無いもようです。静脈、筋肉、動脈に投与し癌の種類により胸腔内、腹腔内、膀胱内に投与することもあります。本剤で重い過敏症を起こした経歴のある人は使用出来ません。催奇形性の疑いがあり、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳は中止してください。
プロカルバジン  PCZ

副作用/
骨髄抑制(免疫力の低下、出血傾向など)、貧血、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、便秘、風邪類似症状(発熱、頭痛、疲労など)、精神的症状(鬱、不眠、悪夢、神経過敏、全身倦怠感、眠気、めまい、脱毛、発疹、色素沈着、など)、痙攣発作、間質性肺炎の恐れ、海外で小児に.障害(.形成不全など)の報告もあります。
CP剤

治療適応/悪性リンパ腫(ホジキン病、リンパ肉腫、細網肉腫)、悪性脳腫瘍(星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫)、
血液脳関門を通過する薬剤で併用療法としてホジキン病(C-MOSS療法)、神経膠腫(PAV療法)、(PAV-IFN療法)があり有効とされている様です。本剤は向精神薬と同様に神経伝達物質(ドーパミン)の分解を妨げる作用があるため使用薬剤には注意を要する(三環系抗鬱剤、フェノチアジン系、バルビツール酸系などの併用)。治療中の飲酒はアルコール分解を妨げるために強い二日酔いを引き起こす事もある。アルコールに対する耐性が低下する恐れが有り、禁酒が必要です。本剤により重い過敏症の経歴のある人は使用できません。催奇形性の疑いがあり、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳は中止してください。
ブスルファン  BUS

副作用/顕著な
骨髄抑制(感染症、貧血、出血傾向/紫斑、血便、血尿)、間質性肺炎症状(咳、熱、呼吸困難)、肺線維症、目のかすみ、視力低下から白内障に進展する可能性もある。吐き気・嘔吐、脱毛、口内炎、皮膚の乾燥、色素沈着、黄疸などや.への悪影響(陰萎、抗癌萎縮、無.症、女性乳房化、無月経、卵巣線維症など)
散剤(経口剤)、注射薬

治療適応/慢性骨髄性白血病、真性多血症、
造血幹細胞移植前処置、海外では非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫など
主には白血病の治療に使用される。骨髄移植時に大量投与される。急性白血病や骨髄異形成症候群などの二次性癌を生じさせる可能性がある。本剤により重い過敏症の経歴のある人は使用できません。催奇形性の疑いがあり、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳は中止してください。治療中、治療終了後少なくとも4ヶ月間は避妊が必要です。空咳や息切れ、発熱が続く場合には、間質性肺炎などの疑いを持つ必要があります。骨髄抑制は服用開始から2〜4週間で最も強くなり、回復に数週間から数ヶ月かかることが有ります。発熱、寒気、排尿痛、血尿、おりものの増加、内出血、歯磨きによる出血、鼻血、手足の冷え、頭痛、動悸、息切れなどが確認できたら、医師に報告する必要があります。
代謝拮抗剤
この薬は正常細胞に存在する酵素と類似のために、ある程度の副作用がある。癌細胞の増殖に類似している物質とよく似ている構造の物質を癌細胞の中に入れる事によりDNAの合成を止める事により癌細胞の分裂・増殖を抑える目的で開発された。癌細胞が分裂する時に効果を発揮させるため、長時間持続的に薬を投与する必要がある。DNAやRNAの材料として取り込まれるため不完全なDNA、RNAができたり、合成が途中でストップします。DNAが複製できなければ癌細胞は分裂する事が出来なくなります。代謝拮抗剤はDNA合成期に働き活発に分裂を繰り返す細胞に対してより効果的に働きますが、癌細胞が常にDNAを合成しているとは限らないため、抗癌剤として効果を発揮するためにはより長く体内に存在する事が望ましくなります。
ゲムシタビン GEM

副作用/副作用の比較的軽い抗癌剤で、
骨髄抑制や吐き気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、まれに間質性肺炎や肺塞栓の恐れがあり、発熱が続くなら感染症を疑う。発疹などの過敏症、頻脈、頭痛、めまい、脱毛なども起こる事があります。著しい骨髄抑制では死亡もあります。その他、アナフィラキシー症状、心筋梗塞、鬱血性心不全、肺水腫、気管支痙攣、溶血性尿毒症症候群、腎不全の報告もあります。
注射薬

治療適応/非小細胞肺癌、膵癌、膀胱癌、転移性乳癌、軟部肉腫、胆道癌、卵巣癌、子宮癌など
膵癌に使用する場合は癌の縮小が認められなくても痛みの軽減などの諸症状緩和効果がある。シタラビンに似ている構造や作用があるが、体内で活性化する。シタラビンの約5倍の効率があるとされ、腫瘍内で長時間作用し、高い抗腫瘍効果を示す。生理食塩水に溶かし30分間位かけて静脈に点滴する。成人は体表面積に合わせた量を1回/週投与する。投与回数、投与時間を増加すると副作用が増強する報告がある。痛風、腎臓・肝臓・心臓に障害がある方は症状が悪化する可能性がある。胸部・腹部放射線を併用すると食道炎や肺炎を生じる事がある。妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できません。授乳中の人は授乳を中止する必要があります。著しい骨髄抑制により死亡することもある。間質性肺炎、アナフィラキシー症状、心筋梗塞、鬱血性心不全、肺水腫、気管支痙攣、溶血性尿毒症症候群、腎不全も報告されております。著しい骨髄抑制のある人、間質性肺炎や肺線維症の人、胸部への放射線療法を受けている人、重い感染症を合併している人、本剤により重い過敏症を起こした経歴のある人は使用できません。妊婦、妊娠の可能性のある人は使用使用出来ません。授乳は中止してください。
シタラビン製剤 Ara-C
(キロサイド)

副作用/顕著に
骨髄抑制、発熱、全身倦怠感、口内炎などが現れ、白血球や血小板の減少で貧血や歯茎からの出血などや感染症にも罹患し易くなる。頭痛、倦怠感、発疹、脱毛、痛みを伴う紅斑、肝障害、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、黒いタール状の便。膀胱注入では排尿痛、血尿、排尿障害。大量投与・脳脊髄への投与では白質脳症、小脳失調などの中枢神経障害の報告もあります。
注射薬

治療適応/急性リンパ性白血病、中枢神経系白血病、消化器系の癌、肺癌、膀胱癌、胃癌、大腸癌、肝癌、胆道癌、膵癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、急性リンパ腫など
生理食塩水かブドウ糖液に混ぜ、点滴又はワンショットで静脈注射する。長時間作用させる方が効果を増すので24時間持続投与や1〜2週間連続投与もある。癌が脳神経系に及ぶ場合は脳脊髄液に注入する事もあるが、未承認である。急性白血病では完全寛解を目指した寛解導入療法(2種類以上の多剤併用療法)となる。難治性のケース、再発では大量療法を行う。免疫抑制剤や副腎皮質ステロイド剤、抗真菌剤との併用は感染症のリスクを高めたり、副作用を増強させる事がある。骨髄機能が低下している人は、本剤の副作用により、更に低下する恐れがあります。肝臓や腎臓に障害のある人は本剤の代謝や排泄が充分に出来ないため、副作用が強く出る可能性があります。本剤に重い過敏症の経験のある人は使用できません。妊娠中の人は避ける事が望ましい。授乳は中止してください。
フルオロウラシル 5-FU

副作用/吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢や、
骨髄抑制、倦怠感、口内炎、色素沈着、脱毛、時に激しい下痢、脱水症状を伴う腸炎、鬱血性心不全、肝臓や腎臓の障害、白質脳症の恐れもあります。座剤の場合は他に.部の痛み、軟膏では塗布部の痛みや色素沈着、発赤など、時に出血性腸炎、間質性肺炎、鬱血性心不全、急性腎不全、など一般的な副作用では、消化器症状以外に、めまい、痺れ、などの精神神経症状、色素沈着、発疹、腎機能、肝機能の低下、発熱、動悸など
注射薬、座剤、経口剤、軟膏

治療適応/子宮頸部腺癌、食道癌、胃癌、直腸癌、結腸癌、
頭頸部癌、肺癌、肝癌、膵癌、乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌、皮膚癌、座剤はS字結腸癌、直腸癌、軟膏は皮膚癌
代表的な抗癌剤でRNAの材料分子(ウラシル)の代わりに癌細胞を取り込んで癌細胞の分裂を阻害し、DNA野合成を助ける酵素の働きをも抑える。点滴により静脈内に投与されるのが一般的だが国内ではドライシロップ、錠剤などが経口剤として開発されている。多くの癌に単独又は他の抗癌剤や放射線療法と併用される。ワンショット静注、腹腔内投与、動脈注射などの投与法もある。TS-1との併用で重い血液障害や下痢などの消化器障害が増強する事がある。抗癲癇薬フェニトインはめまいや運動失調を起こし、抗血液凝固剤ワーファリンカリウムは本剤の作用を強めて出血傾向を発現する事があります。本剤により重い過敏症を起こした人は使用出来ません。妊婦、妊娠している可能性のある人は避けえる事が望ましい。授乳中の人は授乳を中止する必要があります。
シタラピンオクホスファート
SPAC

副作用/顕著な
骨髄抑制、吐き気・嘔吐、発熱、食欲不振、倦怠感、肝臓障害。間質性肺炎の恐れもある。咳、呼吸困難、口内炎、肝機能、腎機能の低下、発疹、脱毛などが起こる事もあります。
CP剤(経口剤)

治療適応/成人急性非リンパ性白血病、骨髄異型成症候群、急性骨髄性白血病、
体内に入ってから活性化する。DNAポリメラーゼの働きを阻害するピリミジン系代謝拮抗剤。60歳以上で有効性が認められる報告があるが、延命効果は明らかでない。骨髄抑制時には発熱や下痢、血尿、寒気などの感染症の徴候や出血、貧血に注意して下さい。本剤により重い過敏症の経歴のある人は使用できません。催奇形性の疑いがあり、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避ける事が望ましく、授乳は中止してください。骨髄機能が低下している人、感染症を起こした事のある人は、本剤の作用により、症状が悪化する可能性があります。肝障害のある人は副作用が強く現れる恐れもあります。
テガフール  FT

副作用/吐き気・嘔吐、下痢、食欲不振、重症化すると消化管出血や激しい下痢、脱水症状、まれにめまい、言葉のもつれ、歩行困難を伴う
白質脳症、嗅覚、味覚に異常をきたす事もある。激しい下痢や口内炎、出血性腸炎、高度な骨髄抑制には注意が必要、腎臓や肝臓に障害を及ぼして、急性腎不全、や劇症肝炎、脂肪肝などを引き起こす事もあります。急性膵炎や間質性肺炎、まれに心筋梗塞、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症などの報告もあります。
錠剤、CP剤、散剤、座剤、注射剤

治療適応/
頭頸部癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、乳癌、膀胱癌(胃癌はTS-1が主体)
フルオロウラシルプロドラッグで肝臓で代謝されてフルオロウラシルにかわる。DNA,RNAの働きを阻害する。経口剤は2〜4回/日 服用し、注射薬は生理食塩水かブドウ糖液と混合してから体重に合わせて点滴による静注です。抗ウィルス剤ソリブジン、TS-1の併用は重い血液障害や下痢を起こす危険がある。抗癲癇剤フェニトインはめまい、運動失調を起こし、ワーファリンカリウムはテガフールの作用を強めて出血し易くなる、血が止まらなくなるなどもある。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は避ける事が望ましい。授乳は中止してください。嗅覚障害が起こる事があります。使用期間が長い場合に起こり易いとされます。TS−1と併用した場合に重篤な骨髄抑制や消化器傷害が起こる恐れがあるため、併用できません。TS−1を使用後の場合には、少なくとも7日間は本剤をしよう出来ません。他の抗癌剤や放射線療法と併用した場合、骨髄抑制の副作用が強まる恐れがあります。
テガフール・ウラシル UFT

副作用/比較的軽く、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、色素沈着などがあるが、
骨髄抑制や肝臓への影響は少ない。LV/UFT療法(LV;ロイコボリン)では下痢、腹痛、脱水症状を伴う腸炎、肝臓障害、白質脳症、嗅覚や味覚障害の恐れもある。間質性肺炎、急性腎不全、急性膵炎、嗅覚障害が報告されております。劇症肝炎などの肝障害や狭心症などの心疾患の例もあります。
CP剤、顆粒(経口剤)

治療適応/
頭頸部癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、肺癌、膀胱癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、(LV/UFTは結腸癌)
テガフール(1)、ウラシル(4)の割合で配合したものでテガフールは体内でフルオロウラシルに変わり、ウラシルはRNAの成分でフルオロウラシルの効果を増強する。2〜3回/日 服用で、顆粒は腸溶性です。LV/UFT療法では3回/日 を食前or食後一時間以上後、2剤同時服用となる。抗ウィルス剤ソリブジン、TS-1の併用は重い血液障害や下痢を起こす危険がある。抗癲癇剤フェニトインはめまい、運動失調を起こし、ワーファリンカリウムはテガフールの作用を強めて出血し易くなる、血が止まらなくなるなどもある。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。重度の骨髄抑制のある人、激しい下痢を起こしている人、重い感染症を合併している人、本剤により重い過敏症履歴のある人は使用出来ません。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム  TS-1

副作用/
骨髄抑制(強く現れがち)、口内炎、発疹、色素沈着、紅斑、皮膚炎、発疹、痒み、黄疸を伴う重い肝臓障害(劇症肝炎など)、吐き気・嘔吐、下痢などの消化器障害(フルオロウラシル系より軽減)、まれに嗅覚、味覚異常、白質脳症播種性血管内凝固症候群など膵癌の場合には重い消化器障害が出る事も多い。重大な副作用では重度口内炎、劇症肝炎、急性腎不全ん、間質性肺炎、嗅覚障害など
CP剤(経口剤)

治療適応/胃癌、結腸癌、直腸癌、
頭頸部癌、非小細胞肺癌*進行性胃癌では優れた効果を示す事が判明し、第一選択薬となっています。膵癌、手術不能再発乳癌、
フルオロウラシルプロドラッグであるテガフール(テガフールは体内でフルオロウラシルに変わる)に他の薬剤を配合した合剤。ギメラシルはフルオロウラシルの分解を抑え、抗癌効果を維持し、オテラシルカリウムはフルオロウラシルの消化毒性を軽減する。2回/日 投与 フルオロウラシル系抗癌剤(テガフールカルモフールなど)と併用すると重い血液障害の恐れがある抗癲癇剤フェニトインはめまい、運動失調を起こし、ワーファリンカリウムは本剤の作用を強めて出血し易くなる、血が止まらなくなるなどもある。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は避ける事が望ましい。授乳は中止してください。骨髄抑制が出易く、発熱や咳など感染症が疑われる症状が見られた場合には、医師に即、相談して下さい。本剤で重い過敏症を起こした事のある人、重い骨髄抑制又は、腎障害、肝障害のある日とは使用できません。
ドキシフルリジン 5'-DFUR

副作用/
骨髄抑制、食欲不振、吐き気・嘔吐、発疹、色素沈着など、激しい下痢による脱水症状に注意。中枢・末梢神経の障害により歩行障害や手足の痺れ、言葉のもつれなどの症状の恐れ、間質性肺炎、重度の肝障害、急性腎不全、急性膵炎、心不全、嗅覚の消失、白質脳症
CP剤(経口剤)

治療適応/胃癌、結腸癌、直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌。転移性乳癌、大腸癌の標準治療薬
フルオロウラシルのプロドラッグ、(体内でフルオロウラシルに変わる)遺伝子の合成を妨げ、癌細胞の分裂を阻止する。抗ウィルス剤ソリブジン、TS-1との併用は重い血液障害を起こす恐れ、抗癲癇剤フェニトインの併用はめまい、運動失調を起こす事がある。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は避ける事が望ましい。授乳は中止してください。本剤により重い過敏症を起こした経歴のある人は使用出来ません。TS−1と併用すると重篤な骨髄抑制や消化器傷害が起こる恐れがあります。他の抗癌剤や放射線治療と野併用は骨髄抑制などの副作用が増強する恐れがあります。
ヒドロキシカルバミド HU
(ヒドロキシウレア)
副作用/
骨髄抑制、吐き気・嘔吐、下痢、発疹、頭痛、眠気、見当識障害、造血作用が阻害されるため巨赤芽球性貧血(赤血球系細胞のDNA合成障害)、まれに咳や呼吸困難を伴う間質性肺炎、長期投与による皮膚潰瘍が現れる事もある。黄疸などの肝障害や排尿困難、紅斑、皮膚・爪の萎縮、発疹、蕁麻疹などの過敏症、眠気や頭痛、筋肉痛など、骨髄抑制により、感染症や貧血、出血傾向、間質性肺炎、皮膚潰瘍など重大な副作用があります。
CP剤経口剤

治療適応/慢性骨髄性白血病、
頭頸部癌、真性多血症、メラノーマ(悪性黒色腫)
DNAの合成を助ける酵素(リボヌクレオチドレダクターゼ)の働きを阻害し、癌細胞の分裂を阻止する。長期間の投与で皮膚癌の恐れがある。抗レトロウィルス剤(ジダノシン、サニルブジン)を併用すると重い膵臓炎や肝障害を発症した死亡例もある。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。本剤により重い過敏症を起こした経歴のある人は使用出来ません。他の抗癌剤や放射線との併用により、骨髄抑制などの副作用が増強する恐れがあります。
メルカプトプリン 6-MP
(ロイケリン)

副作用/吐き気・嘔吐、全身倦怠感、
骨髄抑制に伴う発熱、出血。感染症もある。まれに胆汁鬱滞などの重い肝臓障害や黄疸、発疹などの過敏症、血尿や乏尿、脱毛、膵炎、腹水。
散剤(経口剤)

治療適応/急性白血病、慢性骨髄性白血病
DNAの成分のアデニン、グアニンの変わりに癌細胞に取り込まれDNAの複製を妨げ、分裂を阻害する。通常他の抗癌剤と併用投与される。ワーファリンカリウムとの併用では抗凝固作用が弱まる事がある。免疫抑制剤アザチオプリン、尿酸の生成抑制剤アロプリノールは副作用(骨髄抑制など)を増強する恐れがある。痛風治療薬(アロプリノール)と併用すると、本剤の血中濃度が上昇し、副作用が起こりやすくなる。ワーファリンカリウムと併用すると、ワーファリンの作用芽弱まります。潰瘍性大腸炎の治療に使われるサラゾスルファピリジンやメサラジンと併用すると、骨髄抑制が強く出る。催奇形性があるため、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用を避けるのが望ましい。授乳は中止してください。
ペメトレキセド

副作用/骨髄抑制、吐気、嘔吐(何れも重症化する)重大な副作用として間質性肺炎や腎不全の報告があります。その他脱毛、口内炎、神経障害(痺れ)、疲労、発疹
注射薬

治療適応/悪性胸膜中皮腫、非小細胞肺癌
本剤の成分で重い過敏症の履歴のある人、高度な骨髄抑制のある人は、使用できません。他の抗癌剤と併用しますと、骨髄抑制などの副作用が増強する事があります。イブプロフェンなどの非ステロイド性消炎沈痛剤やプロベネシド(痛風治療薬)ペニシリン系抗生物質などと併用すると、副作用が出易くなる恐れがあります。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。ドセタキセルに匹敵する効果が報告されているという記述があります。
エノシタビン
(サンラビン)

副作用/顕著に
骨髄抑制が現れる。ショック、胸部圧迫感、貧血、発熱も伴う。比較的軽い吐き気・嘔吐や他に脱毛、発疹、皮膚紅潮、ほてり、頻尿、頭痛、肝機能低下、腎機能低下など
注射薬

治療適応/急性白血病、慢性白血病の急性転化
シタラビンプロドラッグで体内でゆっくりシタリビンに変わり癌細胞の増殖を抑える。血球、骨髄、脾臓、心臓、肺、肝臓等に高濃度に分布して急性白血病に対して効果を示す。本剤により重い過敏症を起こした人は使用できません。催奇形性があるため、妊婦、妊娠の可能性のある人は避けることが望ましい。授乳は中止してください。
カルモフール  HCFU

副作用/食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢、頻尿まれに激しい下痢や脱水症状を伴う腸炎、肝機能障害、
間質性肺炎などの恐れがある。めまい、手足の痺れ、言葉のもつれなどの神経症状。まれに意識障害、痙攣などを伴う白質脳症の恐れ
錠剤、細粒(経口剤)

治療適応/胃癌、結腸癌、直腸癌、乳癌
フルオロウラシルプロドラッグ、体内で代謝されフルオロウラシルに変わる。抗ウィルス剤ソリブジンやTS-1などフルオロウラシル系の抗癌剤と併用すると重い血液障害、消化器家の障害が発現する恐れがあり、ワーファリンカリウムは血液の凝固機能に影響したり、抗癲癇剤フェニトインは眼振や運動意識障害などを引き起こす事もある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。本剤を使用して重い過敏症の経歴のある人は使用できません。
フルダラビン  FLU

副作用/
骨髄抑制、感染症、発熱、出血を起こし易い、時に免疫系の異常で自己免疫性溶血性貧血。他に悪心、嘔吐、脱力感、まれに間質性肺炎や腫瘍崩壊症候群、進行すれば腎不全、高カリウム血症、その他、重度副作用として錯乱、昏睡、痙攣などの重度精神神経症状、腫瘍崩壊症候群、敗血症、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性血小板減少症、赤芽球癆、消化管出血、出血性膀胱炎、皮膚粘膜眼症候群などの重度皮膚障害、心不全
注射薬、錠剤

治療適応/慢性リンパ性白血病で未治療で貧血、又は血小板減少を伴うケースや他抗癌剤で治療中だが標準的なアルキル化剤1種類に対して無効の場合に用いられる。悪性リンパ腫(錠剤)
ペントスタチンと併用すると肺毒性の恐れ、他の抗癌剤の治療後に使用すると急性白血病の危険。DNAやRNAの合成を助ける酵素の働きを阻害して癌細胞の増殖を妨げる。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。重度の腎障害がある人、本剤によって溶血性貧血を起こした事のある人、重い過敏症を起こした事がある人は使用できません。
ペントスタチン

副作用/吐き気・嘔吐、腹痛、食欲不振、倦怠感、発熱、
骨髄抑制まれに肝臓や腎臓の障害の恐れ、重度の腎障害として、腎不全、溶血性尿毒症症候群、その他、肝障害、頭痛、筋肉痛、結膜炎、皮膚炎など
注射薬

治療適応/成人T細胞白血病リンパ腫、
ヘアリーセル白血病、慢性リンパ性白血病
細胞内でDNAの代謝に過かwる酵素アデノシンデアミナーゼの働きを阻害し、抗癌効果を生み出すと考えられている。本剤は正常細胞も傷害して重篤なふくさようを引き起こす事がある。抗ウィルス剤ビダラビンとの併用により急性の腎不全、肝不全、痙攣、幻覚などが発現、神経障害を呈する事がある。シクロホスファミドイホスファミドとの併用で錯乱や呼吸困難が発現する事がありシクロフォスファミドとの併用では海外で心毒性で死亡例もある。フルダラビンとの併用では肺毒性の恐れもある。胎児に対する毒性や、催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。本剤により重い過敏症を起こした事のある人、腎不全の人、水痘や帯状疱疹に罹っている人は使用出来ません。
クラドリビン  2-CdA

副作用/骨髄抑制に伴う発熱、日和見感染、時に重症化し、肺炎や敗血症発生の恐れ。吐き気・嘔吐、口内炎、発疹、体重減少、下痢、便秘、頭痛、めまい、肝障害
注射薬

治療適応/
ヘアリーセル白血病、低悪性度非ホジキンリンパ腫、濾胞性B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(ヘアリーセル白血病以外は再発・再燃性or治療に抵抗を示す症例が対象
体重にあわせた量を7日間静脈に持続点滴、生理食塩水と混合して使用する。他の免疫抑制剤や骨髄抑制作用のある薬剤と併用したり、その治療歴があった場合でもそれらの作用が増強する恐れがある。又、クラドリビン使用後に二次癌が発生する恐れもある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
メトトレキサート  MTX
(アメトプテリン)
副作用/
骨髄抑制、口内炎、吐き気・嘔吐、発熱など風邪類似症状、感染症に罹り易い、腸炎、肺線維症、呼吸困難、血圧低下、大量投与・髄腔内投与、放射線併用で白質脳症になることがある。
錠剤、注射薬

治療適応/急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、絨毛癌、併用療法で使われる注射薬としては乳癌(CMF療法)、骨肉腫、軟部肉腫、悪性リンパ腫、胃癌(MTXと5-FUの交代療法)、尿路上皮癌(M-VAC療法)、海外では食道癌、大腸癌、
頭頸部癌、子宮頸癌などにも使用される。
細胞内でDNA,RNAの合成を助ける酵素の働きを妨げて癌細胞の増殖を抑える。多くの癌やリウマチ療法にも用いられる代表的な抗癌剤であり、大量化学療法でも使用される。注射薬は生理食塩水やブドウ糖液に溶かして使用する。3〜6日/週 投与される。静脈、動脈、筋肉注射、髄腔内注入など対象の癌により対応する。非ステロイド系抗炎症剤との併用はMTXの排泄を遅らせる。抗菌剤テトラサイクリンや抗癲癇剤フェニトイン、鎮静剤バルビツール酸誘導体との併用は副作用を増強する。妊婦、妊娠している可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止します。
カペシタビン

副作用/下痢、腸炎、骨髄抑制、まれに心筋梗塞、肝障害、腎障害、間質性肺炎、手足や爪などの末端部に腫れ、知覚過敏(手足症候群)
副作用/吐き気・嘔吐、下痢、消化管毒性は軽い、フルオロウラシル系の激しい下痢もまれ、
手足症候群骨髄抑制まれに心筋梗塞、不整脈、肝臓障害、白質脳症による知覚障害、意識障害が発現する。
錠剤(経口剤)

治療適応/再発乳癌、欧米では転移・再発乳癌、大腸癌の標準治療薬
ドキシフルリジンよりも腸や骨髄でフルオロウラシルに変換され難く、下痢などのフルオロウラシル系の薬の副作用を軽減するために開発された。進行・再発乳癌に使われてきたパクリタキセルの効かない乳癌に対してカペシタビンの有効性が認められた。
フルオロウラシルプロドラッグ、肝臓、腫瘍組織に入ってからドキシフルリジンに変わり更に腫瘍組織でフルオロウラシルに変わる。腫瘍組織でフルオロウラシルの濃度が高まる。TS-1などと併用すると重い血液障害や下痢などの恐れ、激しい下痢はまれ。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
抗癌性抗生物質
マクロライド系抗生物質のように土壌中に含まれる微生物から作られたもので、本来細菌やカビに効く構造を持つ抗生物質の化学構造を変えて癌細胞を死滅させる事により、抗癌効果を狙っている。DNAと結合してRNA・DNAの合成転写を防ぐ事を目的とする。殆どの抗生物質に共通する性質は癌細胞のDNAの二重螺旋に入り込むことでいわゆるはしごの踏み板に当たる部分にはまり込むため、その部分のDNAは自分時しいを複製できなくなり、必要な蛋白質を生産出来なくなる。
イダルビシン  IDR
(イダマイシン)

副作用/心筋障害による鬱血性心不全など心臓障害が発現、同系の
ドキソルビシンよりは頻度が少ない。骨髄抑制、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、脱毛、口内炎、心臓に対する毒性は投与量が多いほど、発生頻度、重症度が高い。口内炎は重症化することもある。頭痛、発疹、寒気、筋肉痛、肝機能、腎機能低下
注射薬

治療適応/急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化に使用、
シタラビンとの併用で寛解導入療法を行う、急性前骨髄性白血病の選択薬
アントラサイクリン系の抗癌抗生物質でダウノルビシンの誘導体、ダウノルビシンより脂溶性で速やかに細胞内に取り込まれる。心臓に障害を持つ人やアントラサイクリン系の他の抗癌剤(ダウノルビシン)による治療経験がある人は心筋障害の副作用が増強する恐れがある。心機能異常あるいは既往歴のある人、本剤により重い過敏症を起こした事のある人、重い感染症を合併している人、本剤投与前に、他のアントラサイクリン系の薬剤などの心毒性の薬による治療で、総投与量が限界量に達している人、重い肝障害・腎障害がある人、は使用できません。催奇形性があるため、妊婦、妊娠している可能性のある人は、医師と相談してください。授乳は中止してください。
エピルビシン  EPI

副作用/吐き気・嘔吐、下痢、
脱毛、結膜炎、強い骨髄抑制、感染症、(敗血症)、消化管出血、膀胱内注入で膀胱萎縮による排尿痛、頻尿、肝臓癌での動注療法で、肝臓と胆道の障害のほかに胃潰瘍などが発現する事がある。
注射薬

治療適応/急性白血病、悪性リンパ腫、乳癌、卵巣癌、胃癌、肝癌、膀胱癌、腎盂・尿管癌。手術可能な乳癌の術前術後化学療法(エピルビシンを含む併用療法)
ドキソルビシンと分子構造がわずかに異なるアントラサイクリン系抗癌抗生物質、DNA、RNAの合成を阻害して癌細胞の増殖をとめると考えられている。乳癌、肝癌、膀胱癌に高い治療効果があるとされる。投与量の限界を超えたり、他のアントラサイクリン系の併用により、鬱血性心不全などの重い心臓障害を生ずる恐れがある。シメチジン(胃酸分泌抑制剤)は本剤のAUC(血中薬物量の変化指標)を増加させる事がある。
ダウノルビシン DNR
(ダウノマイシン)

副作用/
骨髄抑制、吐き気・嘔吐、脱毛、皮膚や爪が黒っぽくなる、鬱血性心不全の恐れもある。腸壁が肥厚していると腸管の炎症などを起こし易い。感染症、貧血、出血傾向、まれにショックやネフローゼ症候群など
注射薬

治療適応/急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化に使用される。海外では小児の非ホジキンリンパ腫に使用されることもある。
ある種の放線菌が産生する抗癌抗生物質でドキソルビシンと類似性質を持つ投与後尿が赤くなる事がる。アントラサイクリン系薬のダウノルビシンは他の同種薬、胸部放射線治療と併用すると心臓障害が増強する事がある。総投与量が多い程、リスク(発生頻度)が大きい。白血病などの二次癌を発生する恐れがある。本剤により重い過敏症を起こしたリ、心機能異常or既往歴のある人、以前にアントラサイクリン系などの心臓障害を起こす可能性のある薬剤で治療を受け、その総投与量が、限界量に達している人、重い感染症を合併している人は使用できません。胎児への毒性があるため妊婦、妊娠の可能性のある人は医師に相談する必要があります。授乳は中止してください。
ドキソルビシンン DXR ADM ADR
(アドリアマイシン)

副作用/
脱毛を非常に起こし易い。骨髄抑制、発熱、悪心・嘔吐、皮膚や爪が黒っぽくなる事もある。膀胱内注入で萎縮膀胱や排尿痛。投与量増加で鬱血性心不全
注射薬

治療適応/小児固形癌の第一選択薬で悪性リンパ腫、肺癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌、大腸癌、乳癌、膀胱癌、骨肉腫など。他剤併用では多発性骨髄腫、乳癌の術前術後の化学療法、子宮内膜癌の術後化学療法と転移再発の化学療法、骨肉腫、軟部肉腫。海外ではカポジ肉腫、甲状腺癌、急性白血病
代表的抗癌抗生物質、アドリア海に近い研究所で発見されアドリアマイシンと命名された。癌細胞の合成を妨げ、DNAを切断して癌細胞を殺す。他剤との併用が多く、投与後1〜2日は尿が赤くなる。アントラサイクリン系薬のドキソルビシンは他の同種薬、胸部放射線治療と併用すると心臓障害が増強する事がある。総投与量が多い程、リスクが大きい。胎児への毒性の報告があり、妊婦、妊娠している可能性のある人は医師に相談して下さい。授乳は中止します。
ピラルビシン  THP

副作用/
骨髄抑制、食欲不振、吐き気・嘔吐、全身倦怠感、間質性肺炎、膀胱内注入で萎縮膀胱による頻尿、排尿痛など。他のアントラサイクリン系抗癌剤と比して心毒性、脱毛は軽減している。
注射薬

治療適応/
頭頸部癌、乳癌、胃癌、尿路上皮癌(膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍)卵巣癌、子宮癌、急性白血病、悪性リンパ腫
ダウノルビシンドキソルビシンの誘導体(アントラサイクリン系)。ダウノルビシン、ドキソルビシンより心毒性が軽く癌細胞への取り込みも速いとされている。胸部への放射線照射や他のアントラサイクリン系抗癌剤の併用で心筋障害が増強する事がある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ブレオマイシン  BLM

副作用/骨髄抑制は殆ど生じない。吐き気・嘔吐も比較的軽い。発熱・悪寒、脱毛、口内炎、全身倦怠感、皮膚の乾燥や発疹、色素沈着。間質性肺炎、肺線維症には注意が必要で高齢者や肺疾患歴のある人は投与量が増えると発症し易い。
注射薬、軟膏

治療適応/皮膚癌、
頭頸部癌、悪性リンパ腫、肺癌、食道癌、子宮頸癌、甲状腺癌、胚細胞腫瘍、神経膠腫
放線菌が産生する物質から発見された。小児癌に対するブレオマイシンの併用療法でホジキン病のABVD療法、BEP療法などがある。抗癌抗生物質ペプロマイシンなどとの併用は副作用が増強する事がある。頭頸部の放射線照射との併用は口内炎、咽頭部の粘膜の炎症を増幅させる事もある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談してください。。授乳は中止してください。
ペプロマイシン  PEP

副作用/個人差が大きいが発熱、口内炎、脱毛、倦怠感、吐き気・嘔吐、食欲不振、皮膚や爪が黒っぽくなる事もある。息切れや咳、喘鳴などが有れば
間質性肺炎、肺線維症の重大な副作用の可能性がある。
注射薬

治療適応/悪性リンパ腫、
頭頸部癌、肺癌(扁平上皮癌)、前立腺癌、皮膚癌
ブレオマイシンは肺毒性が強いがこの誘導体がペプロマイシンで抗癌効果範囲はブレオマイシンより広いとされる。ブレオマイシン治療歴のある人は本剤との合計投与量を考慮しなければならない。放射線治療は相互作用を起こし、特に胸部照射は間質性肺炎や肺線維症を、頭頸部照射は口内炎などを悪化させる事がある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ミトキサントロン MIT

副作用/
骨髄抑制、発熱、食欲不振、脱毛、唇や口腔内の乾燥、アレルギー症状。吐き気・嘔吐は比較的軽い、鬱血性心不全、間質性肺炎の報告もある。
注射薬

治療適応/急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、悪性リンパ腫、乳癌、肝細胞癌、小児白血病・悪性リンパ腫
癌細胞の遺伝子の合成を妨げる。交差耐性の少ない薬剤とされる。胸部放射線照射やアントラサイクリン系抗癌剤(ドキソルビシンなど)との併用は心臓障害の恐れや重症化もありうる。妊婦、妊娠している可能性のある人は、医師と相談して下さい。授乳は中止します。
マイトマイシンC MMC

副作用/強い
骨髄抑制、貧血、出血、吐き気・嘔吐、食欲不振、全身倦怠感、脱毛などがある。骨髄抑制以外は軽いとされる。溶血性尿毒症や急性腎不全の恐れもある。
注射薬

治療適応/慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、
頭頸部癌、肺癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝癌、膵癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌(子宮体癌)、膀胱癌、食道癌
微生物が作り出す物質が抗菌以外の目的で用いられた代表的な抗癌剤。アルキル化剤と同様に作用し、癌細胞の遺伝子の合成を阻害する。ビンクリスチンビンデシンなどのビンカアルカロイド系抗癌剤との併用で息切れや気管支痙攣が起こる恐れがある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
アムルビシン  AMR

副作用/強い
骨髄抑制、吐き気・嘔吐、脱毛、消化管潰瘍や穿孔による下血や吐血、間質性肺炎、他のアントラサイクリン系抗癌剤と同様に鬱血性心不全も注意
注射薬

治療適応/小細胞肺癌、非小細胞肺癌、
小細胞肺癌(単独投与で奉効率75%の臨床試験報告)、非小細胞肺癌(抗癌剤に対する感受性が高いために他剤との併用療法が用いられる。)アントラサイクリン系抗癌剤、DNAを切断してその分裂を阻害する。胸部放射線、アントラサイクリン系抗癌剤治療歴のある場合心臓障害が増強する事がある。心臓障害を元々持っていても同様です。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
アクラルビシン 
(アクラシノン)

副作用/
骨髄抑制、食欲不振、吐き気・嘔吐、全身倦怠感、脱毛、皮膚の色素沈着、下痢、肝臓障害、投与を繰り返すと心臓障害の発現頻度が高くなる。他のアントラサイクリン系の抗癌抗生物質と比べると心臓に与える影響は軽いとされる。
注射薬

治療適応/急性白血病、悪性リンパ腫、肺癌、胃癌、乳癌、卵巣癌
癌細胞のRNAの合成を阻害して抗がん効果を生む、代謝は速やかで体内での蓄積が殆ど認められないとされる。胸部放射線照射、アントラサイクリン系抗癌抗生物質の治療履歴があると心臓障害を増強する恐れがある。心機能異常or既往歴のある人(アントラサイクリン系の薬剤を使用後に用いる場合は特に注意が必要、)本剤により重い過敏症を起こした事がある人は使用できません。催奇形性があるため妊婦、妊娠している可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
植物アルカロイド
天然植物原料の抗癌剤、細胞中にあって細胞の分裂に必要な微小管の働きを止める事で癌細胞を死滅させる事を目的とする。作用の違いによりタキサン(微小管の働きを妨げる)とビンカアルカロイド(微小管に作用して癌細胞を殺す)、トポイソメラーゼ阻害剤(癌細胞の遺伝子を切断する)の3種類に分けられる。微小管は神経細胞の働きにも関与しているため手足の痺れや神経障害が出る事がある。毒をもつ植物の有毒成分がアルカロイドですが、
イリノテカン CPT-11

副作用/重度下痢(投与直後の発現は軽度だが、投与後1日〜1週間の場合は時に致命的)、腸炎、
骨髄抑制、貧血、敗血症などの重い感染症、吐き気・嘔吐、下血、腸閉塞、間質性肺炎
注射薬

治療適応/小細胞肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、皮膚癌、非ホジキンリンパ腫。手術不能の胃癌、大腸癌、乳癌、子宮頸癌。併用療法では
シスプラチンエトポシドなどと肺癌に、TS-1などとは胃癌で使用。
中国原産のカレンボクから抽出されるカンプトテシンの誘導体でDNAに作用する酵素トポイメラーゼを阻害する。副作用が非常に強い。点滴は遮光して使用する。(光で分解し易い)本剤は腹水、胸水、黄疸、糖尿病の人は注意が必要、下痢は悪化する事があり、エイズ治療薬アタザナビル、アゾール系抗真菌剤、マクロライド系抗生物質、グレープフルーツ、グレープジュースは骨髄抑制を増強する恐れがある。下痢などの抑制目的で投与するロペラミドやモルヒネが腸閉塞や下血の原因となる事があります。進行型小細胞肺癌の場合、従来のエトポシド+シスプラチン療法よりイリノテカン+シスプラチン療法の方が高い生存率を示すとする報告が米国よりあった。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ドセタキセル水和物 DOC

副作用/
脱毛、口内炎、食欲不振、全身倦怠感。吐き気・嘔吐は比較的軽度。骨髄抑制アナフィラキシー、黄疸(肝障害による)、間質性肺炎、末梢神経障害などは重い
注射薬

治療適応/乳癌、卵巣癌、非小細胞癌、胃癌、
頭頸部癌、食道癌、子宮内膜癌、上皮性卵巣腫瘍(再発)
西洋イチイの成分から抽出されたもので、癌細胞の微小管の形成異常を来たし、細胞分裂を停止、癌細胞を破壊する。注射溶液にはエタノールが含まれているため過敏体質の人は使用できない。むくみ予防の為、治療前にステロイド剤(デキサメタゾン)を投与することがある。本剤は乳化剤ポリソルベートが含まれている為、過敏な人は要注意。アゾール系抗真菌剤やシクロスポリンなどの併用は副作用を増強する。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。男性も避妊が必要になります。
パクリタキセル PTX

副作用/発熱、
骨髄抑制、関節や筋肉の痛み、比較的軽い吐き気・嘔吐、脱毛(頭髪以外に全身脱毛)、投与後の深刻なアレルギー、末梢神経障害(手足の痺れなど)、まれに鬱血性心不全、聴力障害
注射薬(油液)

治療適応/卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、子宮内膜癌、メラノーマに使用される事もある。上皮性卵巣腫瘍(再発)、子宮頸癌
西洋イチイの成分がパクリタキセルで癌細胞内の微小管の働きを阻害して細胞分裂を妨げる。1回/日 体表面積にあわせた量を静脈点滴、アレルギー予防のために治療前にステロイド剤(デキサメタゾン)や気管支拡張剤(ジフェンヒドラミン)、胃酸分泌抑制剤を投与する。シスプラチンドキソルビシンビタミンAを含む薬や食品との併用や相互作用で副作用が増強する。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。男性の避妊も必要になります。授乳は中止してください。
ビンクリスチン  VCR・LCR
(オンコビン)

副作用/末梢神経障害(手足のチクチク感、痺れ、筋肉の麻痺)、神経障害(言語障害)、麻痺性腸閉塞/イレウス症状(便秘、膨満感、腹痛)、
骨髄抑制は比較的軽い、まれに抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
注射薬

治療適応/急性白血病、慢性白血病の急性転化、悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫、リンパ肉腫、細網肉腫)、神経芽腫、ウィルムス腫瘍(腎芽腫)、横紋筋肉腫、多発性骨髄腫、神経膠腫(悪性星細胞腫、乏突起膠腫)海外ではマクログロブリン血症、小細胞肺癌、子宮頸癌、乳癌、軟部肉腫、悪性黒色腫、カポジ肉腫など
ニチニチ草から抽出された植物アルカロイドビンブラスチン近縁の植物アルカロイド。細胞の分裂時に働く微小管の形成をさまたげ、癌細胞の分裂を阻害する。多剤併用療法によく使用される。生理食塩水に溶かして使用する。抗癲癇剤フェニトイン、抗腫瘍酵素製剤L-アスパラギナーゼを併用するとふくさようが増強する恐れがある。マイトマイシンCとの併用では呼吸困難や気管支痙攣を発症し易いという報告もあります。催奇形性があるため、妊婦や妊娠している可能性のある人は、医師と相談して下さい。授乳は中止してください。本剤により、重い過敏症を起こした事のある人、脱髄性シャルコー・マリー・トゥース病(筋萎縮を主症状とする神経の病気)の人は使用できません。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ビンデシン VDS

副作用/
脱毛骨髄抑制(特に白血球減少)、麻痺性腸閉塞イレウス症状として悪心・嘔吐、便秘、腹痛、まれに心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、アナフィラキシー。男女共に生殖機能に影響を与える可能性がある。末梢神経障害(手足の痺れなど)が有るが近縁植物アルカロイドのビンクリスチンよりは発症頻度が低いとされている。
注射薬

治療適応/急性白血病や慢性骨髄性白血病の急性転化、悪性リンパ腫、肺癌、食道癌
肺癌治療ではシスプラチンと併用される。ビンブラスチンから合成されたアルカロイドでビンブラスチン同様、細胞分裂時に微小管の合成を妨げ、癌細胞の分裂に作用する。マイトマイシンCと併用すると息切れや気管支痙攣を発症し易いという報告、抗癲癇剤フェニトインとの併用は副作用を増強し、髄腔内に投与すると致命的となる。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ビンブラスチン VLB.VBL

副作用/
骨髄抑制、末梢神経障害(手足の痺れ、麻痺)、自律神経以上による便秘、便秘が酷く強い腹痛があれば麻痺性腸閉塞(イレウス)を疑う。重い消化管出血、脳梗塞、アナフィラキシー、聴覚障害、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)によるむくみなど。
注射薬

治療適応/悪性リンパ腫、絨毛癌、尿路上皮癌、胚細胞腫瘍、乳癌
ニチニチ草から抽出した植物アルカロイド、細胞分裂の際に働く微小管の形成を阻害して癌細胞の分裂を阻害する。体重にあわせた量を生理食塩水に溶かして静脈内に投与し、徐々に増量する。抗真菌剤、マクロライド系抗生物質、抗癲癇剤フェニトインとの併用は神経障害などの副作用が増強する事がある。マイトマイシンCを併用すると呼吸困難や気管支痙攣を発症し易いという報告がある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談してください。授乳は中止してください。
エトポシド VP-16

副作用/
骨髄抑制、貧血、食欲不振、吐き気・嘔吐、ショック症状、投与直後にアレルギー反応が発現する事がある、脱毛間質性肺炎
注射薬・CP剤(経口剤)

治療適応/小細胞肺癌、悪性リンパ腫、急性白血病、.腫瘍、膀胱癌、絨毛癌、胚細胞腫瘍、子宮頸癌、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫
北米原産アメリカミヤオソウの根茎に含まれる有毒成分ポドフィロトキシンの誘導体。細胞増殖を阻害する。トポイソメラーゼに作用してDNAを破壊し、癌細胞の分裂を停止させる。胚細胞腫瘍ではBEP療法が有効とされている。連続投与、長期投与により副作用が増強し、急性白血病などの二次癌を発生する事がある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
ノギテカン  

副作用/骨髄抑制、下血、悪心・嘔吐、発熱、易疲労感、カンプトテシン系の重症下痢症状 は軽減している。
注射薬

治療適応/小細胞肺癌
クサミズキやカンレンボクから誘導された抗癌剤で遺伝子の構造を変化させる酵素でトポイソメラーゼの働きを阻害し、癌細胞の分裂を止める。同種の抗癌剤にはイリノテカンがある。肺癌治療に使われているシスプラチンの投与後に使用すると腎臓からの薬の排泄が低下する事がある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
ビノレルビン VRL

副作用/
骨髄抑制(白血球減少が顕著)、便秘、食欲不振、吐き気・嘔吐、脱毛、全身倦怠感、静脈炎、咳・息切れを伴う間質性肺炎、麻痺性腸閉塞。末梢神経障害は比較的少ないとされています。
注射薬

治療適応/非小細胞肺癌、手術不能or
憎悪・再発した乳癌に使用される。
ニチニチ草から抽出した植物アルカロイド、細胞分裂の際に働く微小管の形成を阻害して癌細胞の分裂を阻害する。体表面積に合わせて生理食塩水やブドウ糖液に溶かして静脈内に投与する。抗菌剤、マクロライド系抗生物質、ベンゾジアゼビン系薬剤(ジアゼパム)などと併用すると副作用が増強する事がある。マイトマイシンCを併用すると呼吸困難や気管支痙攣を発症し易いという報告がある。本剤、又はビンカアルカロイド系抗癌剤により重い過敏症の履歴のある人、骨髄機能が著しく低下している人、重い感染症に罹っている人は使用できません。催奇形性があるため、妊婦、妊娠している可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ソブゾキサン

副作用/
骨髄抑制、吐き気・嘔吐、下痢、口内炎、食欲不振、脱毛。肝臓障害や間質性肺炎の恐れもある。
細粒剤(経口剤)

治療適応/悪性リンパ腫、成人T細胞白血病リンパ腫
癌細胞内の遺伝子の二本鎖の形状を変化させる酵素トポイソメラーゼの働きを阻害し、癌細胞をアポトーシスに導く。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
その他/プラチナ製剤は細胞中の遺伝子DNAを変化させ細胞を殺す作用をもっている。この薬剤は癌細胞内に入ると活性化しDNAや細胞内の蛋白質を結びついて二本のDNAの間を架橋したり、二本鎖同士を架橋する事によりDNAの複製を妨げる。癌細胞は分裂できなくなり死滅する。
白金錯体 癌細胞内DNAと結合、癌細胞の分裂増殖阻止
L-アスパラギナーゼ
(ロイナーゼ)

副作用/吐気、嘔吐、細菌から抽出したため、継続投与でアレルギー反応が起こる事がある。時にアナフィラキシー・ショックなど重篤症状、血液が固まり難くなり、脳出血や脳梗塞の報告もある。肝不全、肝障害、急性膵炎、糖尿病、高アンモニア血症、意識障害もある。発熱、倦怠感、貧血、むくみ、眠気、発疹、など
注射薬

治療適応/白血病、悪性リンパ腫、急性リンパ性白血病、
アスパラギンは癌細胞が増殖するために、核酸やその材料を合成するために必要な成分であるが、癌細胞の増殖に必要なL-アスパラギンを分解し、アスパラギン酸とアンモニアに加水分解する。そのため白血病や悪性リンパ腫などで、癌細胞は増殖が出来なくなる。寛解導入療法で必須の薬剤、いくつかの併用療法で用いられている。.に悪影響を及ぼす可能性があるため、小児、あるいは生殖可能な年齢の人が使用する場合、事前に医師と相談の必要性があります。本剤を使用して重い過敏症の履歴のある人や、退治に毒性があるため、妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
カルボプラチン CBDCA

副作用/無尿や高血圧の症状を伴う腎臓障害が特徴的、シスプラチンより軽いとされる。吐き気・嘔吐、
骨髄抑制、食欲不振、、全身倦怠感、脱毛、難聴、耳鳴り、手足の痺れ、肝臓障害、脳梗塞、間質性肺炎、麻痺性腸閉塞(イレウス)
注射薬

治療適応/卵巣癌の標準治療薬として術後化学療法に用いられる。.腫瘍、子宮頸癌、肺癌、
頭頸部癌、悪性リンパ腫、乳癌、小児固形癌、喉頭癌
シスプラチンは優れた抗癌効果を示すが激しい副作用があった。カルボプラチンは毒性を抑え、抗癌効果を向上させた抗癌剤とされ基本的な作用はシスプラチンと同様である。主には卵巣癌治療用であるが他の.癌や肺癌などにも用いられる。カルボプラチンは腎毒性がある為、腎臓に障害を持つ人は悪化の恐れがある。アミノグリコシド系抗生物質は腎臓や聴覚の障害を増強させることがある。催奇形性が報告されておりますので、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。
シスプラチン CDDP

副作用/強い吐き気・嘔吐。排尿障害、腎臓障害、難聴、耳鳴りが高頻度。食欲不振、全身倦怠感、
脱毛骨髄抑制、アレルギー反応。まれに脳梗塞、心筋梗塞
注射薬

治療適応/
頭頸部癌、肺癌、食道癌、胃癌、卵巣癌、子宮頸癌、セ ス腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌、骨肉腫、胚細胞腫瘍、肝細胞癌、再発・難治性悪性リンパ腫、小児固形癌(神経芽腫、胚芽腫、膵癌、喉頭癌
最も広く使用されている抗癌剤でプラチナ化合物、DNAの一本鎖内or二本鎖内を架橋して細胞分裂を阻害する。耐性のある癌細胞に効果を示す事もある。副作用も激しい。腎機能障害(障害を防ぐためには尿量を3リットル以上にする)、悪心、嘔吐、神経障害、白血球減少、血小板減少、貧血などの副作用があります。併用療法は非小細胞肺癌のプラチナ・ダブレット療法、胚細胞腫瘍のBEP療法、骨肉腫と子宮内膜癌のAP療法などがある。投与前に必ず腎機能検査を実施、問題があれば投与できない。アミノグリコシド系抗生物質、バンコマイシンと併用すると腎臓や聴覚の障害が増強する事がある。パクリタキセルなどで併用や投与順で副作用が増強することがある。カルボプラチンは本剤の強い副作用を改良した抗癌剤である。妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。シスプラチンは体内に長時間留まると、腎臓の働きが障害され易く、尿毒症の原因となるため、大量の点滴をして、尿と共に抗癌剤を排出させます。場合により、利尿剤も併用します。
ネダプラチン  

副作用/腎臓障害、吐き気・嘔吐、食欲不振、
骨髄抑制(特に血小板減少)、手足の痺れ、不整脈、耳鳴り、聴力低下、抗利尿ホルモン剤の過剰分泌による意識障害
注射薬

治療適応/
頭頸部癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、食道癌、膀胱癌、.腫瘍、卵巣癌、子宮頸癌、
癌細胞内に入り遺伝子の複製を阻害する。感染症などの治療にもちいるアミノグリコシド系の抗生物質やバンコマイシンは腎毒性が強く現れるため併用すると腎臓障害を起こす恐れがある。重い骨髄抑制のある人、重い腎臓障害のある人、本剤あるいは他のプラチナ製剤により、重い過敏症を起こした事のある人はしよう出来ません。動物実験により催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できません。
オキサリプラチン

副作用/末梢神経障害(手足や口唇周辺部の感覚異常、知覚不全)腎障害、骨髄抑制、気管支痙攣などを伴うアナフィラキシー反応・ショック、吐気、嘔吐、食欲不振、頭痛、疲労
注射薬

治療適応/大腸癌
フルオロウラシルを併用すると効果が高まる。末梢神経障害は冷たいものに触れたりすると誘発されやすくなる。冷たいものを飲むのは注意、シスプラチンよりは腎臓への毒性が少ない。機能障害を伴う重度の感覚異常または知覚不全の有る人・本剤の成分や他のプラチナ製剤により過敏症を起こした人は使用できません。他の抗癌剤との併用で骨髄抑制が強く発現する事がある。催奇形性が報告されているため、妊婦、妊娠の可能性のある人、授乳中の人は使用できません。
ロイコボリン(ホリナートカルシウム)

副作用/過敏症以外には殆ど認められておりません。下痢、口内炎、食欲不振、吐気、嘔吐、色素沈着、骨髄抑制、まれに肝機能障害、劇症肝炎、肝硬変など重症化も、狭心症、腎不全、間質性肺炎、白質脳症の報告もあります。
錠剤・注射薬

治療適応/抗癌作用は無いが、併用療法により、抗癌剤の働きを増強する。フルオロウラシルの作用を強める。副作用軽減のために治療直後に使用される。
重度の骨髄抑制のある人、下痢をしている人、重い感染症に罹っている人、多量の腹水・胸水のある人、重い心疾患のある人・既往歴のある人、全身状態が悪化している人、本剤成分やテガフール・ウラシルの成分で重い過敏症を起こした事のある人は使用することが出来ません。TS-1の併用は重い副作用が早期に起きる可能性があるため、併用できません。妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できません。授乳中の人は授乳を中止しなければなりません。












近年の分子生物学の急速な進歩により癌細胞だけが持つ特徴を標的にした薬が開発されるようになった。白血病/非ホジキンリンパ腫(リツキシマブ)、乳癌(トラスツズマブ)、肺癌(ゲフィチニブ)など有効な治療薬とされるが、それら単独では癌を治癒できない。その効果に付いては充分確認する必要もある。癌細胞の生存や増殖に不可欠な分子の働きを阻害する目的で開発されたもので従来の抗癌剤の様に細胞毒性(正常細胞をも傷つける)によるものではなく癌細胞のみを殺す癌細胞ターゲットの治療薬で正常細胞を損傷させることなく副作用も軽いとされているが、中には重大な副作用報告のものもある。歴史が新しい薬剤である事も忘れてはならないと思います。
リツキシマブ

副作用/発熱、悪寒、皮膚の痒み、発疹などのアレルギー反応、強いアナフィラキシー、間質性肺炎、肺障害、不整脈、狭心症など一回目の投与時に多いが一般的な抗癌剤の副作用である症状は比較的低い(吐き気・嘔吐、食欲不振、脱毛、骨髄抑制など)
注射薬

治療適応/CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫の第一選択薬
遺伝子組み換え技術による分子標的薬(ヒト型モノクロナール抗体)で癌細胞表面のCD20という分子に選択的に結合する。免疫抑制剤を併用すると相互作用により感染症を引き起こし易い。血液低下や気管支痙攣などアレルギー反応として起こる恐れがある。妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
トラスツズマブ

副作用/発熱、悪寒、倦怠感、発疹、アレルギー症状の悪化から呼吸困難、痙攣などの急激な全身症状のアナフィラキシー。吐き気・嘔吐、骨髄抑制、浮腫、肝障害、腎臓障害、肺障害。鬱血性心不全には特に注意
注射薬

治療適応/転移性乳癌(HER2蛋白質が過剰発現している症例対象)
遺伝子工学によるモノクローナル抗体で癌細胞表面のHER2と呼ばれる蛋白質にのみ作用し、癌細胞の増殖を阻害する。乳癌患者の25〜30%はHER2が過剰に存在すると考えられている。アントラサイクリン系抗癌剤との併用や治療歴がある人、心臓障害の人などは障害が増強する恐れがある。妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
ゲフィチニブ

副作用/急性肺障害、
間質性肺炎で死亡する可能性がある。咳、発熱、重い風邪症状は即、医師伝達。下痢、脱水症状、肝障害など重症化も。他に皮膚の痒みや発疹、吐き気・嘔吐、口内炎など
経口剤

治療適応/他の抗癌剤で効果なく、手術不可能or再発非小細胞肺癌(腺癌)
癌細胞を選択的に攻撃する。癌細胞の増殖を促進する酵素(チロシンキナーゼ)の働きを阻害して癌細胞を死滅させる。欧米では有効性が確認されず承認されていないとしている。これまでに重篤な副作用による多数の死亡者が出ている。日本で承認されているが、欧米では厳しい使用規制や承認申請と取り下げも行われている。妊婦、妊娠の可能性のある人は原則使用出来ません。授乳は中止してください。
イマチニブ

副作用/比較的少ない。吐き気・嘔吐、下痢、まぶたや下肢のむくみ、皮膚の痒みや発疹、関節痛や筋肉の痙攣、消化管出血が起こり、激しい腹痛、下痢、吐血が生じる事がある。発熱、頭痛、
骨髄抑制、肝障害、まれに体液が溜まり腹水、肺水腫などの危険もある。
錠剤、CP剤(経口剤)

治療適応/慢性骨髄性白血病(第一選択薬に)、消化管間質腫瘍(蛋白質の一種、kit陽性の症例対象)
インターフェロン・アルファに耐性の慢性骨髄性白血病にも効果があるとされる。癌細胞の増殖を促がす酵素(チロシンキナーゼ)の働きを阻害する。相互作用から副作用を増強するなどの危険から以下のものの併用に注意。免疫抑制剤(シクロスポリン)、アゾール系抗真菌剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、デキサメタゾン)、抗血液凝血剤(ワーファリン・カリウム)、鎮痛剤(アセトアミノフェン)、グレープフルーツ(含むジュース)妊婦、妊娠している可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳中の人は授乳を中止しなければなりません。
ベバシズマブ

副作用/動脈血栓、脳血管発作、心筋梗塞に重大な副作用、
注射薬

転移性大腸癌
血管内皮成長因子の働きを阻害し、癌が新生血管を作って栄養や酸素を獲得するのを阻止する。海外ではFOLFOX4(フルオロウラシルロイコボリンオキサリプラチン)など大腸癌標準的な併用療法に本剤を加え、治療効果の向上が証明されている。
セツキシマブ(未承認)

アメリカ承認
注射薬

転移性大腸癌、頭頸部癌
上皮成長因子受容体に結合して、その働きを阻害するシグナル伝達阻害剤。イリノテカンに耐性をもった転移性大腸癌に対する二次治療薬として、効果が期待される。単独で使用するよりも、イリノテカンと併用したほうが臨床成績か良く、EGFR陽性でイリノテカン抵抗性の転移性大腸癌患者を対象にした無作為化比較第二相臨床試験では、イリノテカンとの併用グループで奏功率22、9%、病変進行までの期間は4.1ヶ月、生存期間中央地は8.6ヶ月と報告されており、大腸癌ではEGFRの発現が適応の条件で、頭頸部癌ではEGFR発現の有無を問わず、採用される。
エルロチニブ

錠剤

非小細胞肺癌、膵臓癌
上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼの働きを阻害する。膵臓癌に対して、ゲムシタビンとの併用による有効性が示されている。
ボルテゾミブ
(ベルケイド)

副作用/臨床例は無いが重大な副作用がかなりの頻度で報告されている。
骨髄抑制、肺障害、心臓障害、末梢神経障害、腫瘍崩壊症候群。下痢、便秘、吐気、発熱、腎機能障害、疲労、倦怠感、頭痛、味覚障害、高血糖、高血圧、めまい、不眠症、結膜炎など
注射薬

治療適応/多発性骨髄腫
肺障害は骨に間質性肺炎による死亡例が報告されており、海外よりも日本人に起き易い可能性があります。めまいや失神、視覚障害などが起こる事があるので治療中は運転はできません。本剤、マンニトール、ホウ素に対して、過敏症の既往歴のある人は使用出来ません。胎児に悪影響を与える恐れがあるため、妊婦、妊娠の可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。













抗癌剤の名称 適応 概要
オールトランス・レチノン酸
ATRA
急性前骨髄球白血病 発熱、呼吸困難などを伴うレチノン酸症候群、白血球増多、皮膚・粘膜の乾燥、肝障害などの副作用があります。
タキソニア(ドセタキセル) 肺癌、乳癌、卵巣癌、頭頸部癌 白血球減少、浮腫、体液貯留、悪心、嘔吐、脱毛、ショックなどの副作用があります。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。
タキソール 乳癌、卵巣癌、食道癌、肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、肺癌 白血球減少、末梢神経障害ショック、肝障害、脱毛などの副作用があります。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。












調



体内に毒物やウィルス、菌などの外敵が入り込むと、それらを排除するように働く免疫と呼ばれる防御機能があるが、癌細胞に対してこの免疫作用を強めて癌細胞を破壊する目的で開発された薬剤が生物学的応答調節剤と呼ばれるものです。インターフェロンは直接的に癌細胞を傷つける作用、免疫細胞を活性化して間接的に癌を攻撃する作用があると考えられている。癌細胞抑制遺伝子を活性化して細胞の増殖を抑える機能も持っている様である。インターロイキンは免疫系が癌細胞を攻撃する際に中心的役割のT細胞を増殖させたり、一部の免疫細胞が癌細胞を破壊する効果を増強する。
インターフェロン・アルファ
IFNα

副作用/発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、
骨髄抑制、貧血、めまい、食欲不振、脱毛、下血、集中力低下、不安感、鬱状態、自殺衝動、、痴呆症状。まれに間質性肺炎などや、肝臓障害、免疫異常による関節リウマチや糖尿病の恐れ
注射薬

治療適応/慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、ヘアリーセル(毛様細胞)白血病、腎癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、濾胞性非ホジキンリンパ腫、真性多血症
体がウィルスに感染した時に免疫細胞が作り出す蛋白質がインターフェロンで、ウィルスや癌細胞を攻撃し、免疫系の働きを増強する。インターフェロンには4種類あり、直接、関節の抗癌作用があるとされる。ペグインターフェロン・アルファ2aは低分子ポリマーと結合させて体内滞留時間を長くし、1回/週 の投与になる。小柴胡湯との併用は間質性肺炎になるリスクがある。腎臓や肝臓に障害のある人や重い鬱状態の人には投与留意。妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
インターフェロン・ベータ
IFNβ

副作用/発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、
骨髄抑制、貧血、めまい、食欲不振、集中力低下、不安感、鬱状態、自殺衝動、、痴呆症状。まれに間質性肺炎などや、肝臓障害、免疫異常による関節リウマチや糖尿病の恐れ、腎臓障害によって尿中にタンパク(アルブミン)が検出される事がある。
注射薬

治療適応/メラノーマ(悪性黒色腫)、脳腫瘍(膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫)
インターフェロン・アルファが白血球によって生産されるのに対し、ベータは線維芽細胞やマクロファージ(貪食細胞)から分泌される。小柴胡湯との併用は間質性肺炎になるリスクがある。腎臓や肝臓に障害のある人や重い鬱状態の人には投与留意。妊婦、妊娠の可能性のある人は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
インターフェロン・ガンマ
IFNγ

副作用/発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、関節の痛み、吐き気・嘔吐、食欲不振、
骨髄抑制、集中力低下、不安感、鬱状態、自殺衝動、、痴呆症状。まれに間質性肺炎などや、肝臓障害、免疫異常による糖尿病の恐れ鬱血性心不全、腎臓障害
注射薬

治療適応/腎癌、菌状息肉症、成人T細胞白血病(病変が皮膚に限局)
インターフェロン・ガンマはTリンパ球によって賛成される。他のインターフェロンとは異なり、マクロファージを活性化する能力を持つ。小柴胡湯との併用は間質性肺炎になるリスクがある。腎臓や肝臓に障害のある人や重い鬱状態の人には投与留意。妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
レンチナン  LTN

副作用/吐き気・嘔吐、発熱、発疹、下痢、胸部の圧迫感、食欲不振、不整脈、蕁麻疹、呼吸困難など強いアレルギー反応
注射薬

再発胃癌(
テガフール併用)
きのこ類に含まれる多糖類に抗腫瘍効果を認めてからのもので、椎茸の熱水抽出エキスから高分子グルカンを分離したものだが単独での抗癌効果は認められないために欧米ではサプリメント扱いとなっている。妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は医師と相談して下さい。








.に出来る癌は性ホルモンを受け取って増殖する事が有るが、ホルモン剤は性ホルモンの働きを阻害する事により、癌細胞の増殖を抑える。ホルモン剤には性ホルモン、抗ホルモン剤、ホルモン分泌阻害薬などがある。
タモキシフェン TAM

副作用/更年期障害類似症状、男性は.減退、吐き気・嘔吐、下痢、食欲不振、ほてり、動悸、痒み、発疹、鬱状態。まれに血栓症。骨髄抑制、脱毛は少ない
錠剤

治療適応/乳癌(男性、女性)、子宮癌、卵巣癌、悪性黒色腫(メラノーマ)
エストロゲンが癌細胞の持つエストロゲン受容体に結び付くと癌細胞が成長するが、タモキシフェンはその前に受容体に結合し、エストロゲンを排除し、癌の成長を抑える。タモキシフェンはエストロゲン類似物質である。身体の他の部位ではエストロゲンとして作用するため、骨粗鬆症を防いだり、コレステロールを低下させて心疾患リスクを低下する。妊娠率を上げる作用があるので閉経前の女性は避妊を考慮する。ワーファリンカリウムは作用を増強することがある。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。
トレミフェン  TOR

副作用/タモキシフェンと類似の副作用、更年期類似症状(ほてり、めまい、倦怠感)、鬱状態、月経不順、無月経、おりもの量の増減、膣からの出血、男性乳癌では.減退。まれに血栓症や肝障害。骨転移があれば高カルシウム血症の恐れ。骨髄抑制、脱毛は少ない
錠剤

治療適応/閉経後乳癌
乳癌細胞はエストロゲンと結びつく受容体があり、エストロゲンが結合する前に本剤が受容体と結合して癌細胞の増殖を抑える。乳癌細胞にエストロゲン受容体がたくさん有る場合は、トレミフェンの効果が高まるため、事前の生検確認をする。ワーファリンカリウムは作用を増強することがある。胎児毒性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。本剤を使用中は、男女も避妊が必要です。経口避妊薬は使用できません。授乳は中止してください。閉経初期の使用は、注意が必要です。
メピチオスタン

副作用/月経異常、多毛、嗄れ声などの男性化、食欲増進、性的欲求の亢進、体重増加、むくみ、発疹、にきび、色素沈着、肝障害
CP剤

治療適応/乳癌(女性、男性)
乳癌細胞にそんざいするエストロゲン受容体と結合し、抗癌効果を生み出すステロイド系ホルモン剤で赤血球を増加し、貧血を改善する効果もあるため腎性貧血の治療薬にも使用される。アンドロゲンにより増殖する腫瘍(男性乳癌、前立腺癌)は腫瘍を悪化させる事がある。心臓、腎臓に障害のある人は注意が必要。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は出来ません。授乳は中止してください。
メドロキシプロゲステロン
MPA

副作用/体重増加、ムーンフェイス、むくみ、.からの出血や痒み、月経異常、乳房の痛み、吐き気・嘔吐。まれに血栓症
錠剤

治療適応/乳癌(とくに閉経後)、子宮内膜癌(子宮体癌)
プロゲステロンに似た構造を持つ。体内で情報伝達を行って細胞や臓器の働きをコントロールすると考えられている。エストロゲンによって促進する癌細胞を阻害する事によって癌を治療する。前立腺癌や腎癌に使用することもある。他のホルモン剤との併用(黄体ホルモン、卵胞ホルモン、副腎皮質ホルモンなど)は血栓症を起こす恐れがある。妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
エチニルエストラジオール
EE

副作用/吐き気・嘔吐、頭痛、めまい、女性化(乳房)、膣よりの出血、月経不順、無月経。脳梗塞、心筋梗塞、血栓症(肺塞栓など)
錠剤

治療適応/前立腺癌、閉経後末期乳癌(男性ホルモンによる治療で抵抗を示す症例に使用)
強い女性ホルモン作用を示す。エストロゲンによって成長が促進される乳癌、子宮癌、子宮筋腫などでは癌が悪化する事がある。インスリンなどの血糖硬化剤の効果を低下させる事がある。長期の本剤の使用では子宮内膜癌を発症する危険も高まる
ホスフェストロール
(リン酸ジエチルスチルベストロール)

副作用/.・陰部の痒みや痛み、吐き気・嘔吐、乳房の腫れ、ほてり、発疹、むくみ、胸がしめつけられる、片側の手足や顔面の麻痺や腫れ、顔面蒼白、食欲不振、下痢、色素沈着。まれに肝機能障害による黄疸、脳梗塞、心筋梗塞、血栓症
錠剤、注射薬

治療適応/前立腺癌及びその転移癌
卵胞ホルモンの合成剤で前立腺癌やその手に癌の成長を促進するアンドロゲンの働きを阻害し、癌細胞の分裂、増殖を抑える。少量投与時は.からのアンドロゲンの分泌を抑え、大量投与では前立腺に作用し、テストステロンの活性化を抑えて抗癌効果を示す。血栓塞栓症の人や既往歴のある人は副作用が増強する恐れがある。肝臓や腎臓、心臓の障害を持つ人、癲癇や糖尿病の人への投与も注意を要する。
メチルテストステロン

副作用/声の低音化、かすれ、多毛、月経異常、皮膚の色素沈着、.亢進、悪心、嘔吐、食欲不振、脱毛、肝機能異常による黄疸
錠剤

治療適応/手術不可能な乳癌、末期の女性.癌の疼痛緩和
テストステロンより強力な男性化作用と蛋白質合成促進作用があり、女性.癌の成長を促進する女性ホルモンの働きを抑える作用がある。ワーファリンカルシウムは抗凝血作用を増強させて出血したり治が止まりにくくなる事がある。女性胎児の男性化を引き起こす事があるため、妊婦、妊娠している可能性のある人は使用出来ません。
プレドニゾロン  PSL

副作用/ムーンフェイス、多毛、不眠、鬱状態、感染症・高血糖・副腎皮質機能の低下の恐れ。目がかすれる、緑内障、白内障の発症。外用薬では皮膚の乾燥や痒み、発疹、赤み、皮膚が薄くなる。大量投与で静脈血栓の危険性、ショック、骨粗鬆症、糖尿病、うつ病から自殺をはかるケースもある。血圧上昇、発熱、疲労感
錠剤、散剤(経口剤)、注射薬

治療適応/急性白血病、慢性骨髄性白血病の急性転化、慢性リンパ性白血病、皮膚白血病(白血病で皮膚にしこり)、悪性リンパ腫前立腺癌、転移・再発乳癌など
白血球の一種であるリンパ球を破壊する作用がある。癌の周りの炎症を押さえ、多発性骨髄腫などでは細胞のアポトーシスを引き起こす作用があるが、免疫を抑制したり、血糖を上昇させる副作用もある。血液系の癌治療の場合は他剤と併用される。ステロイド剤の中では持続性の短い薬剤。本剤の使用で過敏症を起こした事のある人、有効な治療薬が無い感染症や、全身性の真菌症、消化性潰瘍の人も原則として使用できません。催奇形性があるため、妊婦、妊娠している可能性のある人は使用できません。授乳は中止してください。本剤は免疫力を低下させるため、治療中、及び治療終了後しばらくの間は医師の許可なくして、予防接種などを受けないで下さい。催奇形性が報告されており、妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。
デキサメタゾン

副作用/ムーンフェイス、多毛、不眠、鬱状態、感染症・高血糖・副腎皮質機能の低下の恐れ。目がかすれる、緑内障、白内障の発症。外用薬では皮膚の乾燥や痒み、発疹、赤み、皮膚が薄くなる。大量投与で静脈血栓の危険性
錠剤、ドライシロップ(経口剤)、塗り薬、注射薬

治療適応/急性白血病、皮膚白血病(白血病で皮膚にしこり)、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫(ホジキン病、皮膚細網症、菌状息肉症)、乳癌の再発転移、前立腺癌(他の療法が無効の場合)
副腎皮質ホルモンであるプレドニゾロンよりも滞留時間が長く、腫瘍に対する抗炎症作用も強いとされる。血液系の癌でよく使用される固形癌に対しても抗癌剤による吐き気や嘔吐の軽減を目的として使用される。(類似薬剤にベタメタゾン)妊婦、妊娠の可能性のある人の使用は医師と相談して下さい。授乳は中止してください。







多剤併用療法


ある癌に対して複数の抗癌剤が治療効果を持つ場合で、より高い治療効果を得るために複数の抗癌剤を組み合わ

せて投与することを多剤併用療法といいます。多剤併用療法以外にもBCM(bio chemical modulation)生物学的

調節法というもので、抗癌剤投与の際にその薬剤の性質や働き方などを変化させる他の薬剤を、同時or前後に

投与するもの(抗癌剤の作用が増強されたり、副作用が軽減される)や多剤併用BCMやクロノセラピー(治療

効果を最大にし、副作用を最小にするため医療機関の都合ではなく、それらの利益に主眼を置いた時間帯の薬剤

投与)/時間治療と呼ばれるもの、アジュバント化学療法(補助化学療法)、化学放射線療法、局所投与法、超

大量化学療法など様々な方法があります。

PE療法 シスプラチンエトポシド 小細胞肺癌/上皮性卵巣腫瘍(再発)
PI療法 シスプラチンイリノテカン 小細胞肺癌
CAV療法 シクロホスファミドドキソルビシンビンクリスチン 小細胞肺癌
CE療法 カルボプラチンエトポシド 小細胞肺癌
PE・CAV PE療法CAV療法の交代療法 小細胞肺癌
CP療法 シクロホスファミドシスプラチン 上皮性卵巣癌
CA療法 シクロホスファミド塩酸ドキソルビシン 子宮体癌
AP療法 塩酸ドキソルビシンシスプラチン 子宮体癌・骨肉腫
CAP療法 シクロホスファミド塩酸ドキソルビシンシスプラチン 子宮体癌・上皮性卵巣腫瘍
TJ療法 パクリタキセルカルボプラチン 上皮性卵巣腫瘍
DJ療法 ドキタキセル水和物+カルボプラチン 上皮性卵巣腫瘍
BEP療法 塩酸ブレオマイシンエトポシドシスプラチン 胚細胞腫瘍(卵巣癌)
VAC療法 硫酸ビンクリスチン+アクチノマイシンD+シクロホスファミド(14歳以上の例) 胚細胞腫瘍(卵巣癌)
PVB療法 シスプラチン硫酸ビンブラスチン塩酸ブレオマイシン 胚細胞腫瘍(卵巣癌)
weekly
TJ療法
パクリタキセルカルボプラチン毎週投与法 上皮性卵巣腫瘍
CJ療法 シクロホスファミドカルボプラチン 上皮性卵巣腫瘍
JP療法 シスプラチンカルボプラチン 上皮性卵巣腫瘍
P−CAP療法 塩酸イリノテカンシスプラチン 上皮性卵巣腫瘍
VIP療法 エトポシドイホスファミドシスプラチン 胚細胞腫瘍
VeIP療法 硫酸ビンブラスチンイホスファミドシスプラチン 胚細胞腫瘍
TIP療法 パクリタキセルイホスファミドシスプラチン 胚細胞腫瘍
PAV療法 ニムスチン+プロカルバジン+ビンクリスチン 神経膠腫(星細胞腫、乏突起膠腫)
CHOP療法 ビンクリスチンシクロホスファミドドキソルビシン+副腎皮質ホルモン 非ホジキンリンパ腫
MAC療法 メトトレキサート+アクチノマイシンD+シクロホスファミド 絨毛癌/寛解率65〜80%(骨髄抑制強)
EMA/CO療法 エトポシドメトトレキサート+アクチノマイシンD+シクロホスファミド+ビンクリスチン 絨毛癌/寛解率70〜85%(副作用MACより弱)
MEA療法 エトポシドメトトレキサート+アクチノマイシンD 絨毛癌
MA療法 メトトレキサート+アクチノマイシンD 絨毛癌
CMF療法 シクロホスファミドメトトレキサートフルオロウラシル 乳癌(副作用強く若年発症患者、リンパ節転移陽性患者など)
CAF療法 シクロホスファミドドキソルビシンフルオロウラシル 乳癌(副作用強く若年発症患者、リンパ節転移陽性患者など)
MOPP療法 ナイトロジェンマスタード+オンコビン+プロカルバジン+プレドニゾロン ホジキン病(悪性リンパ腫)
ABVD療法 アドリアマイシンブレオマイシンビンブラスチンダカルバジン ホジキン病(悪性リンパ腫)
ドキタキセル水和物塩酸イリノテカン 上皮性卵巣腫瘍(再発)
パクリタキセルカルボプラチン 上皮性卵巣腫瘍(再発)
シスプラチンマイトマイシンC 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンイホスファミド 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンフルオロウラシル 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンカルボプラチン 子宮頸部扁平上皮癌
イホスファミドフルオロウラシル 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチン塩酸イリノテカン 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチン塩酸エピルビシン 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンイホスファミド塩酸ブレオマイシン 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンカルボプラチンイホスファミド 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンマイトマイシンC塩酸ブレオマイシン 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンフルオロウラシル+インターフェロン 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンフルオロウラシルイホスファミド 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンマイトマイシンC硫酸ビンデシン 子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンマイトマイシンC硫酸ビンクリスチン
塩酸ブレオマイシン
子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンマイトマイシンC塩酸ブレオマイシン
エトポシド
子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンメトトレキサート塩酸ドキソルビシン
硫酸ビンブラスチン
子宮頸部扁平上皮癌
シスプラチンマイトマイシンCエトポシド 子宮頸部腺癌
シスプラチン塩酸ドキソルビシンフルオロウラシル 子宮頸部腺癌
シスプラチン塩酸エピルビシン 子宮頸部腺癌
シスプラチン塩酸エピルビシンパクリタキセル 子宮頸部腺癌
パクリタキセルシスプラチン(例;非小細胞肺癌 腫瘍縮小効果 21.3%) 非小細胞肺癌
ゲムシタビンシスプラチン(例;非小細胞肺癌 腫瘍縮小効果 21.0%) 非小細胞肺癌
ドセタキセル+シスプラチン(例;非小細胞肺癌 腫瘍縮小効果 17.3%) 非小細胞肺癌
パクリタキセルカルボプラチン(例;非小細胞肺癌 腫瘍縮小効果 15.3%) 非小細胞肺癌
シスプラチンイリノテカン 非小細胞肺癌
シスプラチン+ビノレルビン 非小細胞肺癌
シスプラチンティーエスワン 非小細胞肺癌
ゲムシタビンパクリタキセル 転移性乳癌

 * 非小細胞肺癌の一例ではTb期の術後にテガフール/ウラシル配合剤(UFT)の服用で手術だけの場

   合に比較して5年生存率が11.4%高くなる、T期全体では2.5%上昇したという報告があります。 ビンクリスチン、サイクロフォスファミド、アドリアマイシン、副腎皮質ホルモンの4剤併用療法








 * プロドラッグ/体内に入ってから活性化し薬効を生む出す薬剤


 * 播種性血管内凝固症候群/全身の血管で血液が凝固する。


 * 
白質脳症/言葉のもつれ、歩行障害、意識障害を伴う。


 * 骨髄抑制/骨髄の働きが抑えられて血球や血小板が充分に生産されなくなる。細胞毒に分類される抗癌剤

   は、細胞が分裂・増殖している時に作用します。ですが、正常な細胞も機能維持のため、増殖しており、正常

   細胞も抗癌剤の影響を受けます。とりわけ、骨の内部にある骨髄は抗癌剤のダメージを受け易く、赤血球、

   白血球、血小板などが生産されなくなりますが、白血球が減少すると重い感染症に罹りやすくなります。

   骨髄抑制は抗癌剤の副作用で最も注意すべきもので、患者さんに重い骨髄抑制が現れれば、抗癌剤の投

   与量が制限されます。


 * 
見当識/現在の場所や時間に付いての認識


 * 
免疫賦活剤/患者の免疫を全体として活性化させる薬


 * 
催奇系性/胎児を奇形にする作用


 * 間質性肺炎/肺の中のガス交換が行われる場所である間質に炎症が起こり、酸素の取り込みが出来なくなる


   重い副作用

 * 
神経障害/中枢神経障害は発生すると回復が期待できない。末梢神経障害の場合は神経の再生が著しく


   遅く、症状の改善に時間がかかり、痛みや痺れとして慢性化することもあり得る。

 * 
脱毛/毛母細胞は活発な代謝をする細胞のために抗癌剤の働きにより(癌細胞のように活発な新陳代謝を

   する細胞を攻撃する)脱毛する。治療が終了すれば髪や体毛は再生する。



 * 造血幹細胞移植/血球の元になる造血幹細胞の移植。治療後の一定期間のうちに確実に造血機能を回復

   させれば最大限の治療効果が得られる。造血幹細胞は赤血球、白血球、血小板などの血液中の全ての

   細胞に分化する能力があり、これにより長期に亘り、造血機能を維持できる。


 * 
アナフィラキシー/強い全身性のアレルギー反応(呼吸困難、蕁麻疹など)


 * 
血液脳関門/不要な物質が脳の実質に侵入しないように脳内を走る血管が特殊な構造で内張りされるもので、

   殆どの抗癌剤は血液中に投与されても、この血液脳関門を通過して脳内に入る事ができない。分子サイズ

   の小さい一部の抗癌剤のみがそれを通過できる。


 * 
超大量化学療法/主に白血病などの血液系の癌に対して用いられる療法。癌細胞を完全に殺すために大量の

   抗癌剤を用いるために骨髄の細胞も殆ど死んでしまう。より大量の抗癌剤をより長く投与すればそれだけ

   効果は上がっても骨髄抑制を強く起こすと癌が完治していなくても治療を終わらせなければならなくなり

   ます。骨髄抑制を起こす事無く充分な抗癌剤を投与して、再発に繋がる癌細胞を根絶するため超大量化学

   療法と造血幹細胞移植を併用することで問題を解決するための療法が考えられた。

   このため、免疫の型が適合する人から造血幹細胞に富む骨髄液や身体を循環する造血幹細胞を取り出して

   移植する。分子標的治療薬は骨髄抑制を殆ど起こさないとされている。造血幹細胞は自家移植といって、

   予め患者本人の細胞を採取しておき、後で移植する事もある。超大量化学療法ではまず大量の抗癌剤を

   投与し、ついで患者の体から抗癌剤がほぼ完全に排出された後、造血幹細胞を移植する。治療後の一定

   期間のうちに確実に造血機能を回復させれば最大限の治療効果を得る事ができる。


 * 
手足症候群/手のひら、足裏の発赤、痛み


 * 
ヘアリーセル白血病/慢性リンパ性白血病の類縁疾患 別称;毛様細胞性白血病など


 * 
オーファンドラッグ/希少疾病用医薬品


 * 
交差耐性/ある抗癌剤に耐性をもつ癌細胞が別の抗癌剤にも耐性を持つ事。


 * 頭頸部癌/舌癌などの口腔癌、上顎癌、咽頭癌、喉頭癌など。 頭頸部は脳より下方で鎖骨より上方の領域

   を指します。耳、鼻、口、喉、顔面、頸部など顔面頭部から頸部全体を含みます。脳腫瘍などは含まれま

   せん。


 * 
HER2/癌細胞の表面に現れる蛋白質で、癌細胞に送られてくる増殖信号(上皮細胞増殖因子/EGF)を受け

  取ると、癌細胞が分裂増殖する。


 * エピジェネティクス(後成遺伝学、遺伝子の後成的修飾)/癌は遺伝子が変異するだけではなく、遺伝子

   が活発に働く事により発症する事もあります。この暴走は遺伝子に特定の分子が結合(修飾)する
事に

   よって起こるものと考えられておりますが、この遺伝子の修飾に付いての研究がエピジェネティクスと

   呼ばれております。






















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