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群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
§1 群発頭痛とは/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
§1−1 群発頭痛の症状/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
群発頭痛(痛み・病気)はある一定の時期・時間帯に集中して起きる頭痛で「片方の目の奥が激しく痛む」
のが特徴で、20〜30代の男性に多く見られます。「目の奥が痛んだり」、「眼が充血」したり「鼻も痛んだ
り」する事もあります。
群発頭痛の痛みの程度は激烈で、それは「キリで目の奥をえぐられる」、「ハンマーで殴られる」、「柱に頭
をぶつけたくなる」「のたうちまわるほどの激しい痛み」「焼け付くような痛み」「頭が裂ける様な痛み」と表現
されるほどで発作の最中はじっとしておられず、頭を抱えて転げまわる患者さんも多いという程の激烈なも
§1−2 群発頭痛の発作の時期/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
群発頭痛(痛み・病気)の発作の起きる時期(群発期)は人によりだいたい決まっており、季節の変わり目に
多い特徴があります。1〜2ヶ月は毎日のように決まった時間帯、主に就労後や明け方に激烈な頭痛に襲わ
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れますので、その記録をとり、傾向を捕える事も大切で
す。 数週間から数ヶ月にわたって痛み続けた後、一定
の休止期間が通常はあります。頭痛の起きる群発期は
1〜2回/年or1回/2〜3年 出現します。頭痛は、毎日
の様にと申し上げましたが、 個人差があり、一日に8回
程度から2日に一回程度起こります。 吐気や嘔吐はあ
まりありません。 |
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§1−3 群発頭痛・頭痛以外の症状/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
頭痛以外に多くの場合、頭痛と「同じ側に涙が出る」、「目が充血する、鼻水がでる、鼻が詰まる」、「まぶた
が垂れ下がる」・「腫れる」などの症状が出る事もあります。群発頭痛(痛み・病気)は痛みの部位が似てい
る「慢性副鼻腔炎」や「三叉神経痛」、眼の奥が激しく痛む場合、「緑内障」などの眼病と間違えられる事が
あります。しかし、群発頭痛(痛み・病気)の痛みは激しいものの長くても「1〜2時間で治まり」ますが、慢性
副鼻腔炎や三叉神経痛の場合は断続的に何度でも繰り返され、涙や目の充血などの随伴症状もあまり見
られません。
§2 群発頭痛・薬/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
頭痛発作時はトリプタン製剤のスマトリプタン(イミグラン)の注射薬が薬で最も良く効くとされますが、(10分
ほどで効果が現れる。)しかし、多くの人は痛みの最中に医療機関を受診するのが難しいので、スマトリプタ
ンの点鼻薬を常備するのが良いでしょう。点鼻薬は注射ほど即効性は無いものの、発作が始まってもその場
で用いる事が出来ますし、15分ほどで効果が現れるとされます。治療薬として、エルゴタミン製剤も有効とさ
れ、神経ブロック療法(三叉神経節ブロック・翼口蓋神経節ブロック)が選択される事もあります。
§3 頭痛の誘因/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
群発頭痛(痛み・病気)の人が群発期にアルコールを飲むとほぼ100%頭痛を誘発します。発作の起こった
ときは全ての人に有効ではありませんが、多くの場合100%濃度の酸素を10〜15分間吸入する事により血
管を収縮でき、痛みが軽減されます。この場合は一度に沢山の酸素を吸入する必要がありますので市販の
酸素スプレーでは足りず、酸素ボンベをレンタルする方法があります。ただしコストが高いので良く調べて、自
分の頭痛の度合いや経済的な条件にかなうのならば適用しても良いでしょう。薬の効果が出難い人には考慮
に値しますね。(保険適用外)酸素吸入により痛みが改善するのは群発頭痛の証拠という報告もあります。
* 群発頭痛の原因は特定されておりませんが、自律神経の中枢、視床下部の異変が考えられております。
発生する異常は季節の変わり目などで、体内時計が特定時間に、異常な信号を発する事などがあり、日中
より睡眠時に多い、就寝から1時間半〜2時間が起きやすい特徴があります。又、AM2時〜4時、明け方な
ども痛みで目覚める事もあります。 (目覚まし頭痛)視床下部から異常信号を受け、頚動脈が拡張し、周囲
の神経を圧迫し、片目の奥が激しく痛みます。血管を拡張させるアルコール、長風呂は症状を悪化させます。
スマトリプタン点鼻薬を早期に使用する、純酸素の吸引、目や首を冷やすなどの治療法がありますし、発症
期を短くする予防薬を用いる事も出来ます。 漢方薬(呉茱ユ湯)や抗痙攣薬、副腎皮質ステロイド、スマトリ
プタンなど様々な治療を組み合わせる事も選択されております。
§4 得られる発症機序/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
群発頭痛は目の後を走る内頚動脈と言う太い血管の炎症によって発症すると考えられています。明確な原
因は不明ですが一定の時期の決まった時間に周期的に炎症を起こすことから体内時間の関与が指摘され
ています。脳の視床下部付近には視交叉上核という一日24時間の体内リズムを刻む体内時計があり、何
らかの原因でこの体内時計に乱れが生じるとそれが、内頚動脈の周囲に張り巡らされている三叉神経に痛
みの情報として伝えられる。誤情報を受け取った三叉神経は痛みの原因物質(炎症物質)を血管周囲に放
出するため内頚動脈が拡張、炎症を起こし、痛みが生じると考えられています。
§5 気を付けたい事/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
群発頭痛(痛み・病気)の人は群発期には頭痛を誘発し易い飲酒や、喫煙を避けると共に、酸素の薄い場所
や気圧の変化にも注意が必要です。飛行機に乗る時は事前に予防薬を処方してもらうと良い。
§6 群発頭痛(痛み・病気)は専門医に/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
群発頭痛(痛み・病気)は頭痛外来で処方してもらう事が望ましい。群発頭痛(痛み・病気)の予防薬としては
トリプタン系製剤以外には、エルゴタミン製剤(血管を収縮、内頚動脈の拡張を抑え発作を予防)、カルシウム
拮抗薬(降圧薬、脳血管の拡張を抑える)、副腎皮質ホルモン薬(三叉神経から放出される神経炎症物質に
よる炎症を抑える)を服用することが出来ます。予防薬の種類は重症度によって選び、量は前年の発作の頻
度や程度、薬の効果などから調整します。通常、発作が始まると思われる数日前から飲み始め、又、服用時
間は夜中や明け方に頭痛が起こる人の場合就寝前に飲むなど、発作がおきる時間に効き目が最大になる様
に調整するのが効果的です。そのため薬の効果を最大限に生かすには、頭痛のパターンを掴んでおく事が不
可欠で、群発期の長さ、頭痛が起こる時間帯、持続時間、随伴症状などを記録する必要があります。一般に
単一成分のものは依存性が起こり難く、比較的安全性が高いとされます。アセトアミノフェンは安全性が高い
といわれ子供の解熱鎮痛薬の主成分として使われています。鎮痛薬は胃腸障害を起こしやすいので、空腹
時を避け、大目の水で飲むと効き目も出易く、薦められます。鎮痛薬は早めに飲むほうが良く効くのは事実で
すが、不安の段階で飲むと服用回数が増えて依存性の問題も生じ易いといえます。頻繁に頭痛に襲われる
人は市販薬ではなく頭痛外来を受診して予防薬の処方を受けるほうが良いでしょう。(頭痛のパターンを掴ん
で群発期の長さ、頭痛が起こる時間帯、持続時間、随伴症状などを記録しておく事が大切です。)
§7 飲み合わせ/群発頭痛/脳部/頭部/痛みと病気
薬の飲み合わせでアスピリンはコーラやビールで飲むと吸収が遅れ、効くまでに時間が掛かります。アスピリ
ン・アセトアミノフェンをアルコールで飲むと効果が高まって危険です。多くの頭痛薬はカフェインが含まれま
す。お茶やコーヒーで飲むとその量が過剰になりイライラ、頭痛を招きます。又、カフェインは依存性を生じや
すいため、薬物乱用頭痛の引き金にもなる危険性もあります。
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