慢性胃炎・症状・痛み・病気

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慢性胃炎・症状/痛みと病気




     
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慢性胃炎・症状/痛みと病気



     
慢性胃炎/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       慢性胃炎という病気は胃粘膜全層に及ぶ炎症のため、胃腺が萎縮、消失し、粘膜全体が薄くなります。リン

       パ濾胞(リンパ小節)も増えます。






     
§1  慢性胃炎(痛み・病気)の症状/慢性胃炎/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       病気の症状は一定していません。無症状の場合もありますし、胃もたれ感、胸焼け、げっぷ、鈍い胃の痛み

       など上腹部不快感、食欲不振、全身倦怠感、食後の腹痛、吐き気、嘔吐、更に吐血する事もあります


持続する上腹部痛、腹部不快感、腹部膨

満感、悪心などの慢性胃炎の症状はヘリ

コバクター・ピロリ菌の 除菌で消失すると

は限りません。中には消化管運動異常や

消化管の知覚障害の 関与の可能性のあ

るものもあります。 内視鏡的に病変が確

認できない慢性的な これらの症状に対し

てはNUDあるいは、機能的胃腸症に分類

する事もあります。 NUDの場合、症状に

より運動不全型、潰瘍型、非特異型に分

類します。





     
§2  慢性胃炎の検査/慢性胃炎/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       
急性胃炎・慢性胃炎の検査には内視鏡を使います。又、ヘリコバクター・ピロリ菌の診断は、内視鏡を必要と

       する場合、培養・鏡検・迅速ウレアーゼ試験など、内視鏡を必要としない場合には、尿素呼気試験・血清中及

       び尿中抗体測定・便中抗原測定があります。





       * 胃炎関連検査値・基準値   


       
便潜血








     
§3  慢性胃炎とは/慢性胃炎/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       慢性胃炎という病気は、正しくは慢性萎縮性胃炎と呼ばれ、表層性萎縮性胃炎(慢性萎縮性胃炎のなかで、

       粘膜上皮の変化が主なもの)、過形成萎縮性胃炎(慢性萎縮性胃炎の中で、粘膜上皮が肥大化するもの)、

       腸上皮化生性萎縮性胃炎(慢性萎縮性胃炎の中で、粘膜再生能力が低下して、小腸粘膜と同様の構造に

       変化するもの)に分けられます。


       胃炎は胃粘膜の炎症で、急性と慢性に分けられます。40歳代、50歳代になると胃もたれ感やげっぷ、鈍い

       胃の痛みなどが日常的におこる腹部の不快感に悩まされる人が多くなります。ヘリコバクター・ピロリ菌に感

       染しますと、1週間程度で急性胃炎を起こし、ヘリコバクター・ピロリ菌がそのまま胃に定着すると、慢性感染

       による胃炎が持続し、 胃の組織の一部が萎縮や腸上皮化生を伴ない、消化性潰瘍や胃癌も起こると考えら

       れております。



       胃炎の分類はシンドラーの胃炎分類が病型の基本として広く普及してきました。しかし、ヘリコバクター・ピロ

       リ菌と胃炎との関わりが明らかになり、 新たな胃炎分類としてシドニー・システムの改訂版新シドニー・シス

       テムが提唱されております。






     
§4  慢性胃炎の治療/慢性胃炎/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       
  
慢性胃炎の治療はヘリコバクター・ピロリ菌の除

菌治療により、改善の期待ができます。即ち、酸

分泌抑制薬と抗生物質2剤の3剤併用療法が世

界的に選択されております。日本ではプロトンポ

ンプインヒビター・アモキシシリン・クラリスロマイ

シンの1週間の 継続治療が標準的な方法です。

但し、腸上皮化生を伴なう萎縮性胃炎に付いて

は不明な点が多いとされております。





     
§5  慢性胃炎の原因 



       
慢性胃炎という病気の原因の8割はヘリコバクター・ピロリ菌という報告もあります。


       
慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリ菌感染、自己免疫性、非ステロイド抗炎症薬、胆汁、放射線、肉芽腫性疾

       患(クローン病、サルコイドーシス)、食物などのアレルゲン、微生物(細菌、ウィルス、真菌、寄生虫)などが

       その原因になっております。その中でも
慢性胃炎の原因の8割がヘリコバクター・ピロリ菌によるものとの報

       告があります。 あるいは、40歳以上の人の70〜80%とか、全人口の約半分が病気感染しているという報

       告もあります。

       ヘリコバクター・ピロリ菌の発見後、オーストラリアの研究者自身がこのピロリ菌を飲み、臨床実験をしました

       が、その結果まもなく急性胃炎を発症しました。ニュージーランドでは協力者に同様の実験を行い、急性胃炎

       の発症を確認しました。そのうち1人は自覚症状が消えた後も、胃粘膜の表面の炎症が継続し完全に除菌を

       するまで3年間もの間炎症を繰り返したそうです。

日本の猿による感染実験でも急性胃炎→慢性の

表層性胃炎→萎縮性胃炎に移行(感染6年目)し

た事が報告されております。又、上部消化管内視

鏡検査後4〜7日後の突然の心窩部痛の出現は、

ヘリコバクター・ピロリ菌による感染である事が、

子生物学的に証明されており、これは内視鏡の充

分な洗浄などの、対応で防止できる。 いわゆる検

査機器由来の感染です。胸焼け、もたれ、胃部不

快感などの 症状があれば、 粘膜保護剤などを処

方されますが、 症状がなければ 治療せずに様子

をみます。



       慢性胃炎という病気は胃ガンとの因果も考えられておりますがこれも定かではありません。胃粘膜や胃腺

       の萎縮の結果、 長期にわたる食欲不振、吐き気、嘔吐、上腹部不快感などの症状が続く、進行性の病気

       で完治はなかなか難しい。

 
       萎縮がなぜ起きるのかははっきりしていません。消化のよくない食べ物や、刺激性の飲食物を繰り返しとる、

       暴飲暴食をする、熱い物がすきでよく飲食する。コーヒー、紅茶、アルコールの多飲や不摂生、薬剤の刺激、

       連鎖球菌、 大腸菌など細菌の感染、食物アレルギー反応などによって起こるとされ、胃粘膜に発赤、浮腫、

       糜爛などの炎症性病変が発生し胃炎になる。急性胃炎の場合は、その発病原因が除かれれば、短時日の

       うちに回復し、元の正常な状態に戻ります。




       ヘリコバクター・ピロリ菌と慢性胃炎

        ヘリコバクター・ピロリ菌に初感染しても、定着が持続して慢性胃炎に移行する人は約半数で、残りは人の

        免疫反応で排除されると推測されています。猿を用いた感染実験でヘリコバクター・ピロリ菌接種後、1ヶ月

        過ぎると慢性活動性胃炎と呼ばれる状態になります。 この時期は感染初期に観察された、出血、浮腫、糜

        爛は消失して、内視鏡所見は軽微となりますが、 慢性胃炎状態は長期に持続すると、特に日本人では

        上皮化生をともなう、萎縮性胃炎に移行するのが一般的です。





        
* NUD(non-ulcer dyspepsia);成因の異なる様々な病態がNUDに含まれるため、治療法としては統一され

        ものが無い。

















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