胃潰瘍・症状・痛み・病気

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胃潰瘍・症状/痛みと病気




     
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胃潰瘍・症状/痛みと病気



     
胃潰瘍/みぞおち部/上腹部/痛みと病気





     
§1  胃潰瘍(痛み・病気)の症状/胃潰瘍/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       お腹がすくとみぞおちの部分が痛くなる(十二指腸潰瘍、食道炎など)食後上腹部が痛くなる(胃潰瘍、

       胃炎など)
胸のむかつき、胸焼け、ゲップ、膨満感、嘔吐、吐血、下血、めまい、貧血、食欲不振、体重

       減少
など複数の症状があれば、胃潰瘍か十二指腸潰瘍という病気を疑う事になります。 これらの症状

       は胃炎、胆石症、膵炎、胃癌、膵癌などでも確認されます。 胃から心臓にかけて焼ける様な痛みを感じ

       る場合で、長く続く
様なら胃炎、胃潰瘍、胃癌などを疑う必要もあります。

腹痛、しつこい胃部不快感(胸焼け、げっ

ぷなど)、 出血(吐血、下血)
などですが、

人それぞれ 個別に病気の症状が出たり、

全部出たりします。 さらに
吐き気、嘔吐、

腹部膨満感、食欲減退、便秘などの消化

器症状が出る場合もあります



       一番多い症状は腹痛です。一般的には
胃の上部にある潰瘍ほど食後すぐに痛みます。胃潰瘍ができ易い

       のは胃の下部胃角の内側ですが、
潰瘍の出来る位置により、痛みの起こり方が異なり、症状の60%はみ

       ぞおち周辺の上腹部痛
です。食後30分くらいから痛み出しますが、一定していません。穿孔は激痛が伴い、

       腹膜炎を起こしている事があります
上腹部の激痛に始まって、ショックに陥り易く激痛で脂汗を流し、唇は

       紫色になるチアノーぜをおこすなど酷く苦しみます
。 穿通性潰瘍など潰瘍が深ければ痛みは背中にも広が

       る
事もあります。直ちに手術が受けられる病院に搬送が必要です。



       胃潰瘍という病気が進むと胃壁のなかの網の目のように広がり、血管を破る事になり、胃の中に出血します。

       胃潰瘍の程度により出血の程度も差があります。少量の出血では血が便に混じる程度で肉眼でも分かりに

       くく他の病気の症状が無ければ胃潰瘍という病気と気づきませんので、便潜血検査を実施して確認します。


       出血量が多いと便は黒色タール状になり肉眼でも確認出来るようになります。嘔吐する場合は胃の内容物

       と共に吐き出します。急激な大量出血は顔面蒼白、血圧が下がり、脈拍亢進、貧血状態となります。更に

       出血が進めば出血性ショック状態にもなり、直ち医師の手当てが必要です。







       * 胃潰瘍関連検査値・基準値   


       
便潜血便性状ヘリコバクター・ピロリ菌感染診断


     (血便の色は出血の量や速度、消化管内の通過時間により異なるが、肉眼では一般的に、食道や胃、十二指

     腸など上部消化管の出血ほど黒っぽく、下部に行くほど暗赤色、鮮紅色になる。消化管出血は肉眼では確認で

     きず、便潜血反応で確認できるケースもある。十二指腸潰瘍の場合、タール状の便が多く、立ちくらみ、血圧低

     下、動悸など大量出血に伴う貧血症状が先行して自覚するケースがある。空腹時の上腹部痛や夜間の痛みな

     どには注意が必要になります。)










     
§2  胃潰瘍とは/胃潰瘍/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       
誘因としてはストレス、非ステロイド系抗炎症鎮痛剤、副腎皮質ホルモンなどの薬剤、アルコール、香辛料

       の多量摂取、ヘリコバクター・ピロリ菌も胃潰瘍の形成に深く関わっている報告などがあります。 胃潰瘍の

       病気の症状が出た場合は、速やかに胃内視鏡検査を受け、治療を受けましょう。胃潰瘍罹患患者さんのヘ

       リコバクター・ピロリ菌の感染率は75〜85%であり、 ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌により消化性潰瘍の

       再発は抑えられる事も認められております。



       胃潰瘍とは、腹痛、消化管出血などの胃腸症状で発症し胃粘膜に糜爛、出血から多発潰瘍になる胃粘膜病

       変をいいます。 胃の内側は粘膜で覆われ、 粘膜の下は粘膜筋板、粘膜下組織、筋層、漿膜層などですが、

       この粘膜が、ただれや細胞の壊死を生じ、 粘膜が欠損して穴があくなどの異常をおこします。 進行すれば、

       穴が、胃壁を突き抜ける(穿孔)事もあります。胃潰瘍という病気は比較的身近な病気です。
胃は胃酸を分泌する壁細胞やペプシノーゲン

を分泌する胃底腺領域と ガストリン細胞が存

在する幽門領域があります。 胃角部は前庭

部と胃底部の中間よりやや前庭部よりにあり

ます。 胃潰瘍は胃底腺と幽門腺の腺境界よ

り幽門側に発症します。 高齢者の場合には、

胃粘膜の萎縮で腺境界が、胃体部上部へ移

動し、胃潰瘍も胃体上部に出現する。これは

高位潰瘍と呼ばれております。




       (血便の色は出血の量や速度、消化管内の通過時間により異なるが、肉眼では一般的に、食道や胃、十二

       指腸など上部消化管の出血ほど黒っぽく、 下部に行くほど暗赤色、鮮紅色になる。消化管出血は肉眼では

       確認できず、便潜血反応で確認できるケースもある。胃潰瘍の場合、通常タール状の便が確認されるが、下

       血よりも吐血のケースの方が多い。十二指腸潰瘍に比較すると量的にも、回数的にも多い。)




潰瘍の進行度は活動期、治癒期、瘢痕期と

分けられ、夫々2段階に分類されております。

活動期はA1、A2、治癒期はH1、H2、瘢痕期

はS1、S2です。(崎田・三輪分類)


胃潰瘍の活動期、増悪期は疼痛も強く、炎症

が漿膜側に及ぶ様な深い潰瘍ですと、 痛み

は強く、持続します。精神的なストレス、肉体

的な過労、睡眠不足は疼痛を増強し、安らぎ

は疼痛を軽減します。 しかし、高齢者や非ス

テロイド抗炎症薬(NSAID)投与患者の消化性

潰瘍では、無症候性も事も多いため、注意が

必要になります。

腹部触診では、圧痛が潰瘍の存在する部位と一致して、訴求します。一般的には胃潰瘍では上腹部正

中線より左側で、十二指腸潰瘍は正中線より右側であり、ともに心窩部に圧痛がある事が多い。


     
§3  胃潰瘍の治療/胃潰瘍/みぞおち部/上腹部/痛みと病気


       
手術療法;出血、穿孔、狭窄は、消化性潰瘍の主な合併症です。これらの合併症が認められた場合には手

       術適応になります。腹膜炎などで消化性潰瘍の穿孔の可能性がある場合、緊急手術となります。近年では

       腹腔鏡下術など胃切除をする事無く施療可能であり、狭窄では中心静脈栄養で術前管理待機手術の適応

       となり、活動期では粘膜浮腫の治療で潰瘍消失・狭窄改善などの好結果を得られる事により、手術を免れる

       ケースが殆どになっております。



       
一般療法としては、心身の安静を保ち、合併症さえ認められなければ、食事・嗜好品に注意し、刺激物を避け

       ます。


       
薬物療法は制酸剤、抗ペプシン薬、抗コリン薬、抗ガストリン薬、粘膜麻酔薬、ムスカリン受容体拮抗薬、H2

       受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬等で胃酸分泌抑制をしながら粘膜防御薬剤で胃粘膜を保護します。そ

       の他、潰瘍病巣被覆薬、組織修復促進薬、プロスタグランジン製剤などが用いられます。



       また
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌などの方法もあります。消化性潰瘍の再発はヘリコバクター・ピロリ菌の

       除菌により、抑えることができる事が分かり、再発を繰り返す消化性潰瘍には除菌が行われます。除菌療法

       後は、潰瘍治癒まで、抗潰瘍薬の投与を続けます。除菌がうまくいかないケースはクラリスロマイシン耐性菌

       によるものです。 従いまして、二次除菌をする場合には当然ながら、クラリスロマイシン製剤を含むレジメで

       は、低い除菌率しか期待出来ません。(ただ、効果のある二次除菌法としてのプロトンポンプインヒビター+A

       MPC+メトロニダゾールなど保険適用されない問題点があります。)その他
、ヘリコバクター・ピロリ陰性の消

       化性潰瘍
も有ります。これらの多くは非ステロイド抗炎症薬(NSAID;nonsteroid anti-inflammatory drug)を服

       用しているケースが多い。 (日本リウマチ財団では、15、5%に開放性の胃潰瘍が認められ、1,9%に開放

       性の十二指腸潰瘍が認められると報告しております。NSAID投与患者では、無症候性の事が多く、胃潰瘍は

       41、3%、十二指腸潰瘍では41、2%が無症状であるとも報告しております。)NSAIDによるものは胃前庭部

       に多発し、潰瘍は浅く不整形としています。この場合の治療は可能であれば、NSAIDの減量や投与の中止を

       試みます。その後、通常の潰瘍治療を行います。 しかし、基礎疾患の性質上これを中止できない場合があり

       ます。 薬物療法としましては、H2受容体拮抗薬やプロトンポンプインヒビターを用いた酸分泌抑制を中心とし

       た治療という事になります。また、プロスタグランジン製剤の投与なども検討されます。



       但し、検査上留意されなければならない問題として、上腹部痛で内視鏡検査を実施した場合に、潰瘍性の

       病変が陥凹型の場合には、早期胃癌との鑑別がとても重要になります。 (医療関係者には、活動期の潰

       瘍では、潰瘍周辺からの生検で、 悪性が認められない場合でも、経過を観察して潰瘍治癒までしっかり

       観察し、悪性との鑑別が確実にされる事が求められております。)
  





       活動性の出血を認める場合や、潰瘍部に露出血管を認める場合には、内視鏡的な止血術を行います。内

       視鏡的止血法としては、局注療法(純エタノール局注療法、高張Na-エピネフリン局注療法)・凝固療法(高

       周波電気止血法、ヒートプローブ凝固法、マイクロウェーブ止血法、レーザー止血法、アルゴンプラズマ凝

       固法)・結紮療法(クリップ止血法)などがあります。内視鏡的な止血療法では、90%以上の止血効果が得

       られます。




       薬の副作用としてはヘリコバクター・ピロリ菌除菌治療では、蕁麻疹、下痢、腹痛、味覚異常などの副作用

       の生じる可能性があり、耐性菌の問題も今後、増加する事も懸念されます。 特に不十分な除菌治療では、

       薬剤耐性を助長する懸念があります。一方、プロトンポンプインヒビターにおける副作用としては、まれでは

       ありますが、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、全身紅潮、顔面浮腫、咽頭浮腫、蕁麻疹など)や血液障

       害(顆粒球減少、汎血球減少症)、肝障害など重篤な副作用などが報告されております。H2受容体拮抗薬

       では女性化乳房が認められる事があります。





     
§4  胃潰瘍のリスクファクター/胃潰瘍/みぞおち部/上腹部/痛みと病気



       
アルコール、コーヒー、香辛料、炭酸飲料、熱い・冷たすぎる物をさける。牛乳など胃壁を保護しカルシウム

       をふくむ好ましい食品をとる。 消化に気をつける。油物を控える。規則正しくゆっくりよく噛んで食べるなどに

       気をつけましょう。



















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