膵臓癌(膵癌)・症状・痛み・病気

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膵臓癌(膵癌)・症状/痛みと病気




     
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膵臓癌(膵癌)・症状/痛みと病気



     
膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気



年々増加傾向にあるのが膵臓癌(膵癌)

です。膵臓癌(膵癌)は膵臓の上皮細胞

に発生する悪性腫瘍で、 膵管に殆どの

ものが発生し (95%、膵腺房細胞癌は

3〜5%)、 出来る部位により膵頭部癌

(60%)、膵体部癌(30%)、膵尾部癌(

10%)と膵頭部に発生割合が高い。 自

覚症状に乏しく進行状態で発見されるた

めに、切除率は低く、予後も不良の悪性

腫瘍です。膵臓癌(膵癌)全体の切除後の5年生存率も18%程度と10年前の2倍弱程度の向上傾向には

有りますが、厳しい状況です。




     
§1  膵臓癌(膵癌)(痛み・病気)の症状/膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気


       膵臓癌(膵癌)は診断の難しい癌です。血液検査ではアミラーゼが上昇する徴候もありますが、難しく、腫瘍

       マーカーCA19-9CEA、フェリチンなども用います。 一般的な病気の症状は
腹部不快感腹痛(上腹部痛、

       食事に関係のない持続痛が多い)
食欲不振全身倦怠感などで、糖尿病が出たり、進行すると背中の痛み

       
胆管を閉塞されるために黄疸体重減少もでてきます。膵ガン(膵臓癌)の発生部位によりその症状の出方が

       かわります。
強い腰痛の場合なども他の症状がなくても、膵ガン(膵臓癌)を疑って上腹部CTスキャン検査を

       受けるようにして下さい。進行しますと、周囲のリンパ節や胆管、胃、小腸、肝臓、肺、腹膜などに転移します。

       膵癌(膵臓癌)の初期症状は殆ど無症状あるいは、殆ど気にならない程度のもので、胃腸の調子がちょっと悪

       い時に現れる程度のものでも有りますので早期発見も難しい癌です。(膵臓癌(膵癌)の初発症状 
腹痛/38

       % 
黄疸/16、7%腰背部痛/7、3% 食欲不振/7、2% 全身倦怠/4、2% 体重減少/3、9% 嘔吐/1、8

       % 
腫瘤/1、0% その他/6、9% なし/10、1% 不明/2、9%)自覚症状の種類や程度は腫瘍の発生部位、

       大きさ、程度などにより一概には言えませんが、
疼痛(上腹部痛、腰背部痛、左右の季肋部痛などの持続性の

       痛み
は最も訴求される症状で、腫瘍が大きく成長する程、痛みは顕著になります。膵癌(膵臓癌)の症状は何

       れも進行したときに見られる症状ですが、 部位別での症状が実際にはあります。(膵頭部上部癌/
黄疸;必ず

       
、その前には食欲不振腹痛、肝機能検査では胆道系酵素異常。膵頭部下部癌/黄疸は現れず腹痛が主

       症状
。 膵頭部癌では膵内胆管への浸潤により、閉塞性黄疸が出現し、胆嚢腫大により体表から触知できる様

       になる→クールボアジェ徴候
 膵体部・膵尾部癌/腹痛・心窩部に多く、その後左上腹部、腰背部に広がる、黄

       疸は確認できない。)進行度によっても症状が異なりますが、 黄疸は総胆管が腫瘍の浸潤に伴って閉塞する

       により生じるもので、 特に膵頭部の腫瘍の発生により高頻度に確認されます(閉塞性黄疸)。その他には


       重の減少や、 食欲不振、全身倦怠感、腹部膨満感、
粘液性膵癌(膵臓癌)ならば上腹部痛も比較的認められ

       る症状です。既往歴は糖尿病、胃潰瘍、胆石、慢性膵炎などがありますが、特に糖尿病の合併は16%と多く

       指摘されております。
左上腹部みぞおちの周辺部背中の左側が持続性の痛みを感じる場合には注意が

       必要です。膵臓の細胞は一度死んだら再生しないとされます。 それでも飲酒を続けるのは重大な問題を引き

       起こします。

       膵臓癌で最も症状が早く現れるのは十二指腸に近い部位・膵頭部に出来た癌です。重複しますが、この部位

       に癌が発生しますと
腹痛64%、黄疸63%、体重減少53%となっている事もご記憶下さい。





       * 膵炎関連検査値・基準値   


       リパーゼ
血清リパーゼインスリンαーフェトプロテイン 血清アミラーゼ尿中アミラーゼ

       CA19-9 *CEA随伴性膵炎などの場合 一部の膵機能検査の意味







     
§2  膵臓癌(膵癌)(痛み・病気)とは/膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気


       膵臓癌は早期発見の難しい癌で、患者さんの殆どが発見から2年以内に無くなっているのが現状です。膵

       臓は後腹膜臓器で腹部の奥深くに位置しており、特有の症状も希薄です。 また、手術・治療が難しい事も

       あるためこの様な厳しい結果になっております。 発見時点で殆ど進行癌です。(腫瘍は周囲のリンパ節や

       隣接する組織にまで広がった状態で発見される事が多い。)


       膵臓癌(膵癌)は喫煙はハイリスクと考えられておりますが、高齢、家族歴、男性、糖尿病罹患などは発癌と

       の関連性が証明されておらず、ハイリスク群としての扱いに出来ない実情があります。 (膵臓癌の発生と密

       接な関係がある事は推測されております。)悪性腫瘍としては、その死亡率は第四〜五位であり、年々増加

       傾向を示しております。 人口に比して高齢者の割合も増加しております。既往歴としては、糖尿病、胃潰瘍、

       胆石、慢性膵炎などがあり、中でも糖尿病の合併が16%と多くなっております。従いまして、糖尿病の急激

       な発症・悪化は 膵臓癌を疑う必要があります。 近年の調査では膵臓癌の患者さんの約半数に糖尿病の合

       併が見られるとされます。











     
§3  膵臓癌(膵癌)(痛み・病気)の治療/膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気


       膵臓癌(膵癌)の治療の基本は外科的治療という事になります。腫瘍の大きさ、広がり具合を確認し、手術が

       可能であれば選択されます。根治が期待できる唯一の方法として外科的治療があります。切除しないより切

       除した場合の方が生存率が高い事も分かっています。ただ、膵臓癌(膵癌)が判明した時は既に進行してい

       る状態が多いため、その切除率も45%と低いのが現状です。 腫瘍が膵臓内にあり、周囲に広がっていなけ

       れば病巣部を切除します。 膵臓癌(膵癌)は周囲に広がり易い特徴があります。病巣が広がっているなら切

       除範囲は広範になります。切除可能な段階はステージT〜VとWa期の一部とされております。

       (膵臓癌の病期も御参考にご覧下さい。)







      
§3−1 膵臓癌(膵癌)(痛み・病気)の外科的治療/膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
        
膵頭十二指腸切除術;膵頭部の腫瘍は膵頭

十二指腸切除が標準術式です。これは膵臓、

十二指腸、 胃の一部、胆嚢などを切除する

侵襲の大きな術式です。以前は合併症が多

い方法でしたが、 術式改良、術後管理など

の改善により、合併症発生頻度は低下し、手

術死亡率も 2〜3%程度になっております。

残った膵臓を小腸に繋ぎ、膵液は小腸に流

れ込む様にします。




       
バイパス術;膵臓癌(膵癌)の進行により閉塞性黄疸や消化管閉塞を起こす事があります。この場合には減

       黄や食事摂取を目的に閉塞部位に応じて、胆管・空腸吻合、胃・空腸吻合、空腸・空腸吻合などを実施します。




       
神経叢切除術;疼痛対策として膵頭神経叢や腹腔神経節を切除し、神経浸潤に対応します。これは術後下

       痢を起こす事が多い術式です。




       
全胃温存膵頭十二指腸切除術;膵臓の頭部、周囲のリンパ節、臓器などを最小限の範囲で切除する方法で

       す。胃を温存できるため、術後のQOLは比較的保つ事が出来ます。







      
§3−2 膵臓癌(膵癌)(痛み・病気)の集学的治療/膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気


       局所再発の防止のために放射線療法を行いますが、その際従来の5-FU(フルオロウラシル)系薬剤や、

       膵臓癌(膵癌)に承認されたゲムシタビンや、免疫賦活剤OK-432PSKなども症状改善を目的とした使用

       に用いられています。また免疫療法としてLAKCTLも試みられております。腫瘍は熱に弱いので、温熱

       療法なども術中・術後に選択される事もあります。








     
§4  膵臓癌(膵癌)(痛み・病気)の検査/膵臓癌(膵癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気


       膵臓癌(膵癌)の検査は血液検査、画像診断、内視鏡検査、病理組織診断などがあります。(癌細胞が作り

       出す特定の蛋白質や酵素、ホルモンなどを腫瘍マーカーといいます。健康な時にはこれらの物質は殆ど血

       液中・尿中には存在しません。)





       
血液検査膵酵素検査及び、腫瘍マーカーCEA(陽性率65%)・CA19-9(陽性率80%)が活用されておりま

       す。ただ早期癌では陽性率が低く補助的な診断とされております。また、膵臓癌(膵癌)の場合、耐糖能の異

       常が半数以上に確認されるため、急激な糖尿病の悪化や、糖尿病を突然発症するようなケースでは膵臓癌

       (膵癌)を念頭においた検査が行われる事があるという事を知っておくべきでしょう。



       { 膵臓癌(膵癌)が進行すると、主膵管の狭窄や閉塞などにより随伴性膵炎が生ずる様なケースの場合には、

       アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ-1などが高値を示す事も有りますが、特異的であり診断的価

       値は低い。}




       
画像診断;腹部超音波検査、上部消化管造影(UGI)、腹部CT、腹部MRI、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ER

       CP)、超音波内視鏡(EUS)、血管造影検査(MRA)、経皮経肝胆管造影(PTC)、
MRCP(磁気共鳴胆管膵管

       撮影法)、PET(陽電子放射断層撮影)







       
内視鏡検査;胃・十二指腸内視鏡により、膵臓癌(膵癌)の増大や胃・十二指腸への浸潤では、圧排や粘膜

       の異常が確認されます。 膵管の閉塞や膵管内腫瘍進展は膵管内視鏡(IDUS intraductal ultrasound)によ

       り確認する事ができます。




       
病理組織検査良性・悪性の判定は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)検査時に得られた膵液の細

       胞診や膵管内視鏡下で生検された組織
の検索で可能ですが、疑陽性は多々有りますので、その判定に

       は慎重が期されております。








       一部の膵機能検査の意味 *


       膵臓は胃の裏側にある重要な臓器で、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼ1などの消化酵素、

       重炭酸塩などを十二指腸に分泌、 又、血中のブドウ糖の濃度を調節するインスリン、グルカゴン、消化機

       能を調節するホルモンなどを血中に分泌します。 アミラーゼやエラスターゼ1などの異常は膵臓癌の20

       〜30%で見られますが、他の膵臓疾患でも広く確認されますので、これだけでは膵臓癌と判定は出来ま

       せん。何らかの原因で膵機能が障害、破壊されますと、膵機能低下と共に、
膵酵素(消化酵素)が大量に

       認められる
などの変化があらわれます。これらの機能障害や癌などを調べるために膵機能検査が実施さ

       れます。








       
膵機能検査について


       検査は外来でできるPFD検査(膵外分泌機能経口負荷試験、BA−PABA検査)や血液中の膵酵素の測

       定などがあります。確実に判定する場合はCTや超音波検査、膵外分泌機能検査、内視鏡的膵管造影(E

       RCP)が必要です。慢性膵炎という病気と診断されたら脂肪分を避け、規則正しい生活をする事が必要で

       す。薬物療法もある程度の効果が期待できますが膵石や膵管の狭窄が一部に限られる場合は、この原因

       去が有効の場合もあり、膵臓の一部切除する治療法もあります。


血清アミラーゼ 血清中のアミラーゼ量で膵臓病の有無を確認する(外分泌機能調査)
血清リパーゼ 血清中のリパーゼ量で膵臓病の有無を確認する(外分泌機能調査)
尿中アミラーゼ 尿中のアミラーゼ量から膵臓病の有無を確認する(外分泌機能調査)
PFD試験 BT−PABA服用後薬物排泄量の6時間追跡調査(外分泌機能調査)
セクレチン試験 膵液の分泌状況の調査(セクレチン注射後)(外分泌機能調査)
尿糖 糖尿病、腎性糖尿病で陽性となる尿糖濃度検査(内分泌機能調査)
血糖 血糖値から糖尿病の確認(内分泌機能調査)
血漿インスリン インスリンの血漿中の濃度から糖尿病の確認(内分泌機能調査)
フルクトサミン 高血糖が続くと高値になる糖尿病の検査(内分泌機能調査)
グリコヘモグロビン 高血糖が続くと高値になる糖尿病管理検査(内分泌機能調査)
グルコース負荷試験 ブドウ糖を75g内服し血糖値変化を経時確認する(内分泌機能調査)
CA19-9/CEA 主に治療効果確認モニターのための腫瘍マーカー(膵癌治療効果確認)
超音波検査/CT検査 腫瘍有無の確認(膵癌の有無確認)












     
  * アミラーゼ;澱粉を加水分解する酵素です。膵臓や唾液腺でつくられますが、急性膵炎や慢性膵炎ではアミ

       ラーゼが増加し、膵臓癌(膵癌)末期ではアミラーゼは組織の荒廃により異常低値を示します。



       
* CA19-9(carbohydrateantigen 19-9)
;膵臓癌(膵癌)、胆道癌、胃癌、直腸癌、結腸癌(大腸癌)のスクリーニ

       ングに使用される。膵臓癌(膵癌)や胆嚢癌は血清中に増加をみる。(健康な若い女性でも高値を認める事があ

       る)





     
 「CA19-9 基準値37u/ml以下」


対照癌陽性率
>37u/ml

膵臓癌(陽性率83%)、胆管癌(陽性率70%)胃癌(陽性率34%)、直腸癌・結腸癌(大腸癌)(陽性率37%)、肝癌(陽性率20%)、卵巣癌(ムチン性、上皮性)、子宮体癌、消化器癌の卵巣転移

>100u/ml

膵癌(陽性率72%)、胆管癌(陽性率52%)、結腸・直腸癌(陽性率26%)、胃癌(陽性率9%)、肝癌(陽性率7%)

対照疾患陽性率
>37u/ml
慢性膵炎(陽性率8%)、胆道系疾患(胆嚢結石症・総胆管結石症/陽性率21%)、肝疾患(劇症肝炎・急性肝炎・慢性肝炎/陽性率19%、肝硬変/陽性率9%)、慢性腎不全(陽性率9%)。

>100u/ml
慢性膵炎(陽性率3%)、胆道系疾患(陽性率17%)

(CA19-9と血液型を形成する糖鎖は同じで、この糖鎖は膵・胆道系腺上皮より大量に分泌され、肝機能低下などでも高値を示す事がある)健康な若い女性でも高値を認める事がある。子宮内膜症、子宮腺筋症でもやや上昇する。良性の場合でも皮様嚢胞腫の内部皮脂腺や気管支腺の活性の高い時期(性ホルモン分泌が高い時期)→超音波でも鑑別が容易でCT.MRIで完全に診断が可能です。AFPが陰性である限り本値が高くても卵巣保存、嚢腫核出手術で問題が無いとされる。
ムチン性卵巣癌で上昇する事が多いが、他殆どの上皮性膵臓癌で上昇が確認されます。

卵巣癌の消化器系の転移性の癌でも上昇は確認されますが、この場合はCEA値の上昇が顕著です。

スクリーニングに使用される。

膵臓癌や胆嚢癌は血清中に増加をみる。

大腸癌や膵臓癌、卵巣癌(粘液性腫瘍/境界悪性腫瘍・腺癌)で上昇が見られる。

膵炎、胆道系疾患、肝疾患などで血中に放出される糖鎖がCA19-9の抗原と同じ糖鎖であり、これらの疾患で上昇する事もあるため、CA19-9値が上昇している場合はこれらの疾患の有無にも注意しなければならない。

当初、大腸癌のマーカーとして開発されたものですが膵癌においての陽性率(70〜80%)が高く、臨床経過もよく反映するため、膵臓癌(膵癌)に良く使用されるマーカーです。ルイス式血液型がA-.B-の場合には陰性となるため注意が必要です。

胆道上皮細胞や膵管上皮細胞にも豊富に存在するので他の疾患(閉塞性黄疸、胆道感染症、慢性肝炎、肝硬変、慢性膵炎)との鑑別に注意が必要です。

子宮体癌の陽性率は低く特異的マーカーは存在しない。しかし、治療後の経過観察ではマーカーはその有用性が期待されています。(CA125.CA19-9の陽性率が臨床進行期に合わせて上昇するという示唆がある)




主に膵癌や胆嚢・胆管癌及び、胃癌、大腸癌の進行例で高い陽性率を示し、臨床経過をよく反映します。



早期癌の陽性率は低い。CA19-9.CA50.Span-1.KMO-1.DU-PAN-2は主に膵癌、胆道癌の診断に用いられ、CA19-9と相関関係を示す。手術後、化学療法後、放射線療法後の病態の把握に用いられる事が多い。





       * CEA carcinoembryonicantigen


      
 「CEA 基準値2.5ng/ml以下」



対照悪性腫瘍

大腸癌(結腸癌)、直腸癌、甲状腺癌、食道癌、胃癌、乳癌、胆嚢癌、胆管癌、

対照悪性疾患
肺癌、
膵癌、乳癌消化器癌の卵巣転移、進行した子宮頸癌、卵巣癌(粘液.癌)、膀胱癌、甲状腺髄様癌



擬陽性を示す良性疾患
胃潰瘍、萎縮性胃炎、胃ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸ポリープ、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、胆石症、胆嚢炎、膵炎、慢性気管支炎、甲状腺機能低下症、喫煙、加齢、糖尿病、

重要な腫瘍マーカーだが大腸癌の早期発見には適さない。高齢者によく高値が確認されることがある。手術の再発・転移の有無の検査に使われますが、乳癌の場合、主として転移性乳癌の治療効果を調べるため、再発、進行再発例での治療効果判定に用いられます。人の大腸癌から抽出された糖蛋白、肺癌での陽性率は低くないが、肺の炎症、肺線維症、糖尿病などの病気の他、喫煙でも高くなることがある。代表的な癌胎児抗原の一つで(成人には見られないが、癌と胎児に発現する抗原)。

元々大腸癌の腫瘍マーカーだが様々な悪性腫瘍で上昇が確認される。
膵癌での陽性率は早期例では他のマーカーより低く、進行と共に高率となるため、病状の経過観察には有用。

CEAが10ng/mlを越える高値例では、悪性腫瘍はもちろん、リンパ節や他臓器への転移も疑われる。特に胃癌や大腸癌などでは肝や肺への転移を考える必要がある。通常、悪性腫瘍ではCEAは暫増するが、健常人あるいは良性疾患の擬陽性の場合、測定値に変動(通常、下降)が見られる特徴が有り、2〜3ヵ月後の確認が必要になる。治療開始まで悪性腫瘍による上昇か、不明の場合も多いが、治療後に下降を見れば、悪性腫瘍と判断される。



     §5 その他の膵内分泌腫瘍(膵島腫瘍)* 御参考にご覧下さい。


       その他の膵内分泌腫瘍としまして、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカノーマ、バイポーマ(VIPoma)、ソ

       マトスタチノーマなどがあります。




       インスリノーマ;過剰なインスリンの分泌(絶えずインスリンを分泌する細胞に出来る腫瘍)が原因で、ウィッ

       プルの三徴を特徴とする症状を起こす。即ち、@
空腹時・運動時に低血糖発作による、冷汗、脱力、意識消

       失などを起こす。
A発作時の血糖値低下Bグルコース投与により低血糖症状の改善する です。原因は膵

       ランゲルハンス島β細胞由来の腫瘍から過剰に分泌されるインスリンによって、低血糖発作などの症状を起

       こす。多くは膵臓に発生します。腫瘍を切除する事による外科的切除が原則で、完治も望める、悪性度は低

       く、転移も少ない腫瘍です。




       ガストリノーマ;胃の幽門部で分泌されるホルモン、ガストリンを産生する細胞に発生する腫瘍により、難治性

       の胃・十二指腸潰瘍が発生する。膵体尾部に多く発生する、多発性も多々確認される8割が悪性の腫瘍。主

       に消化性潰瘍に基づく
腹痛(心窩部痛)嘔吐、吐気、下血、全身倦怠感、下痢などの症状を示す。 ガストリノ

       ーマは血流が豊富なために、血管造影は濃染像として捕えられる。切除手術が基本ですが、しばしば多発性

       であり切除が難しい場合は、胃全摘術を行い、術後に化学療法、抗ホルモン療法を行います。 抗ホルモン療

       法であるソマトスタチン誘導体には腫瘍からのホルモンの分泌を抑制する効果がある。




       グルカノーマ;血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンを分泌する、膵ランゲルハンス島α細胞由来で、多

       くは膵臓に発生する。腫瘍は一般的には大きく、半数以上は悪性で、悪性度も高い。耐糖能低下、低アミノ酸

       血症に陥り、
血糖値が上がるため軽度の糖尿病の症状が出ます。(2001年の全国調査では、約半数の患

       者さんに糖尿病の合併が確認されております。 癌が小さいうちから、糖尿病を発症するケースも少なくありま

       せん。 膵臓癌そのものにより、インスリン抵抗性を上昇させているためとも考えられております。近年の米国

       の報告でも、 50歳以上の2000名の糖尿病患者さんの約1%が、3年以内に膵臓癌に罹患している事が判

       っております。)皮膚には部分的な細胞の壊死による紅斑(壊死性移動性紅斑)や体重減少、貧血もしばしば

       出現します。 切除手術により根治が望めるが、浸潤・転移もする。




       バイポーマ;ViPoma VIP(vasoactive intestinal polypeptide 血管作動性腸管ポリペプチド/膵外分泌、胆汁

       分泌、腸液分泌刺激作用がある)の産生の過剰により水様性下痢、低カリウム血症、胃酸の分泌抑制による

       胃液の無酸化などの出現する症状の頭文字からとられている。
水様性の下痢は顕著で、6〜8L/日 以上も

       出るため、脱水、全身衰弱、体重減少なども出現します
。腫瘍切除が行われます。



       ソマトスタチノーマ;悪性度はかなり高い。腫瘍の切除が根治的な治療で、初期症状は希薄なために、進行

       状態で発見される例が多く、抗ホルモン療法、抗腫瘍療法などが選択されます。抗ホルモン療法であるソマ

       トスタチン誘導体には腫瘍からのホルモンの分泌を抑制する効果がある。ソマトスタチンにより胆嚢を収縮さ

       せるコレシストキニンが抑制されるので、
胆石が形成されたり、インスリンの分泌抑制の結果、糖尿病の発症

       膵外分泌が抑制されれば
消化吸収傷害が生じて下痢をおこします





       * LAK免疫療法;lymphokine-activated killerを用いた免疫療法。患者さんからリンパ球を取り出し、体外で

       癌細胞を攻撃するリンパ球を活性化させます。その後再び体内に戻す方法です。




       * CTL療法;細胞傷害性Tリンパ球cytotoxic T -lymphocyteを用いた養子免疫療法。患者さんからリ

       ンパ球を取り出し、癌に特異的な抗原により、活性化してから再び患者さんの体内に戻します。




       * OK-432PSK;体内の免疫力を強化する事により、本来の自己の免疫力で癌細胞を殺す事を目的としたも

       のでOK-432は溶血性連鎖球菌から、PSKはカワラ茸から作られます。




       * ソマトスタチン;膵外分泌、インスリン、グルカゴン、ガストリンなどの多くのホルモンの分泌を抑制してしまう。



       * インスリン抵抗性;分泌されたインスリンを効率的に利良出来ない状態。



       * 糖尿病の発病;糖尿病の発病や悪化は膵臓癌を発見するための目安になるとされる。体重の増加や過食

       などの糖尿病を発症・悪化させる原因が無いのにも関わらず、血糖値の上昇や糖尿病が悪化し、インスリン

       治療が必要な状態になった場合には、膵臓癌を疑う必要があります。






     
膵癌の組織型分類

1外分泌腫瘍 漿液性嚢胞腺癌*1 *1 被膜の薄い凹凸した類球形の悪性腫瘍で壁の薄い多房性の小嚢胞から成る。嚢胞の内容は水様透明な液体。
粘液性嚢胞腺癌*2 *2 厚い繊維性被膜を持つ巨大球形の悪性腫瘍で、大きさの異なるいくつかの嚢胞から成る。嚢胞の内容は粘液性あるいは粘血性の液体
膵管内乳頭腺癌*3 *3 主膵管内や分枝膵管内に乳頭状増殖を示す悪性腫瘍。粘液貯留による主膵管の瀰漫性拡張、乳頭口開大などの所見を伴う事があり、この様な所見を伴う膵腫瘍を「粘液産生膵腫瘍」と呼ぶ。
浸潤性膵管癌*4 *4 膵管類似の腺腔形成や膵管上皮への分化が見られ浸潤性の強い悪性腫瘍。膵癌の大部分を占める。
腺房細胞癌*5 *5 腺房細胞に類似した細胞から成る充実性の悪性腫瘍
2内分泌腫瘍*6 *6 膵島由来のホルモン産生腫瘍。ホルモンの過剰分泌に伴う症状を呈するもの。あるいは、血清ホルモン値の上昇が確認されているものを機能性腫瘍、それ以外を非機能性腫瘍と呼ぶ。機能性腫瘍は産生ホルモンにより種々の名前で呼ばれ、インスリノーマ、ガストリノーマなどが含まれる。
3併存腫瘍*7 *7 外分泌腫瘍と内分泌腫瘍が同一腫瘍内に混在あるいは併存してみられるもの
4分類不能
5その他
                                                            by 日本膵臓学会








     
TNM分類/膵癌(膵臓癌)


T 原発腫瘍
Tx 原発腫瘍の評価が不可能
T0 原発腫瘍を認めない
Tis 上皮内癌
T1 膵内に限局する。最大径が2p以下の腫瘍
T2 膵内に限局する。最大径が2pを越える腫瘍
T3 直接、次のどれかに進展する腫瘍/十二指腸、胆管、膵周囲の組織*1
T4 直接、次のどれかに進展する腫瘍/胃、脾、結腸、近傍の大血管*2
*1 膵周囲の組織とは周辺の後腹膜脂肪組織(後腹膜の何分組織や後腹膜腔)をいう。これは腸間膜(腸間膜脂肪組織)、結腸間膜、大網及び小網、腹膜を含む、胆管、及び十二指腸への直接浸潤にはVater膨大部への浸潤も含まれる。
*2 近傍の大血管とは門脈、腹腔動脈、ならびに上腸間膜動静脈と総肝動脈(脾動静脈は含まない)をいう。
N 所属リンパ節
Nx 所属リンパ節転移の評価が不可能
N0 所属リンパ節転移なし
N1 所属リンパ節転移あり
 N1a 1個の所属リンパ節転移
 N1b 複数の所属リンパ節転移
M 遠隔転移
Mx  遠隔転移の評価が不可能
M0 遠隔転移なし
M1 遠隔転移あり





     
病期分類/膵癌(膵臓癌)(TNM分類も御参考にご覧下さい)


病期分類
0期 Tis N0 M0
T期 T1 N0 M0
T2 N0 M0
U期 T3 N0 M0
V期 T1 N1 M0
T2 N1 M0
T3 N1 M0
WA期 T4 Nに関係なく M0
WB期 T、Nに関係なく M1
                                                           by UICC

























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