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脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
§1 脳出血(痛み・病気)の症状/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳出血(痛み・病気)の症状は脳梗塞と類似しておりますが、発症後数分以内に頭痛や吐気、嘔吐、手足の痺
れ、意識障害などの症状があらわれます。脳出血(痛み・病気)は、脳内の細い血管が破れて、血腫を作ります
。脳出血(痛み・病気)を起こしますと悪心・嘔吐を伴う頭痛が起こり、だんだん酷くなります。発症後1ヶ月以内
の死亡率は脳梗塞より高いのですが、時間の経過と共に血腫が小さくなれば、回復もし易い事も特徴です。脳
出血(痛み・病気)の頭痛は最初は激しい頭痛で始まり、早期に意識がなくなるものや、その頭痛がそれ程激し
いものではなく、頭が重い程度である事も少なくありません。あるいは小さな脳出血の場合には、突発的な頭痛
だけの事もあります。 脳出血(痛み・病気)が頭蓋内で拡大を続けた血腫が周囲の脳神経を圧迫して手足の痺
れや麻痺、ろれつがまわらない、などの症状を招く事もあります。
* 雷鳴頭痛;突然の超急性発症型頭痛を「雷鳴頭痛」と言います。厳重注意すべき雷鳴頭痛の調査では11〜
25%がくも膜下出血、約20%が解離性動脈瘤、2〜6%が脳内出血とされています。この頭痛は片頭痛や運
動によって起きる労作性頭痛などと よく似た症状の頭痛も多く、
脳の異常の検査が重要になります。(雷鳴頭
痛の様な場合でもMRIで片頭痛と判別できない場合もある。)
専門医(頭痛外来)を受診し、経過も含めしっか
り確認する必要があります。
§2 脳出血とは/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
§2−1 脳出血の危険因子・高血圧・加齢/脳出血とは/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳出血(痛み・病気)の原因の大半は高血圧で動脈硬化が進んで脆くなっている脳の血管が高い血圧で刺激
される事や動脈瘤、薬の服用で出血し易い状態になっている事などによって生じると考えられています。また、
高齢者は脳アミロイドアンギオパチーという、脳の血管の内部に異常な蛋白質がこびりついて血管が脆くなり、
脳出血(痛み・病気)を起こす事もあります。これは血腫は大きく不規則であり、同時多発が多い、又、再出血
を繰り返す事も多い特徴のあるものです。好発部位は後頭葉、側頭葉、前頭葉などです。
§2−2 高血圧性脳出血の発生部位/脳出血とは/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
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被殻出血45〜50%
視床出血30〜35%
橋出血3〜6%
小脳出血2〜5%
皮質下出血5〜10%
動脈瘤破裂による脳内出血は
前大脳動脈領域の動脈瘤が最も
多く次いで、中大脳動脈領域が続く。 |
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§2−3 脳出血の危険因子/脳出血とは/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳出血(痛み・病気)を引き起こす直接のきっかけは高血圧がベースにあり、 それを引き起こし易い環境下
での要因が加わる事により、更に大きなリスクとなります。具体的にはその要因としまして、過度な運動、排
便、興奮、入浴、 急激な温度差、季節(冬)、 生活習慣病(脂質異常症・肥満・糖尿病・不整脈・動脈硬化)、
動脈瘤、 脳アミロイドアンギオパチー、 飲酒、喫煙、運動不足、加齢、遺伝・体質(動静脈奇形・凝固障害)
静脈血栓症、ウィリス動脈輪塞栓症、腫瘍、ストレスなどが上げられます。
* 脳出血を引き起こす危険因子(病気)に関連する検査値・基準値等です。宜しければ御参考になさって下
さい。 脂質異状症・糖尿病・高血圧・肥満症・動脈硬化
脂質異状症(高脂血症)/血液中の脂質が過剰になる病気です。動脈硬化、高血圧、糖尿病などの促進要因
になります。LDLコレステロールが過剰になりますと血管の壁に溜まり、動脈硬化を進行させます。これは脳
出血を引き起こす大きな危険因子です。また、中性脂肪が高いとHDLコレステロールが低くなります。HDLコ
レステロールは過剰のコレステロールを回収する役割を果たしますので、HDLコレステロールが低ければ注
意が必要になります。高コレステロール食や甘味食などの摂り過ぎに注意が必要です。
コリンエステラーゼ・HDLコレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪
糖尿病/自覚症状や合併症は何年も先に現れますので、日頃の危険因子に対する対策や、健康状態の把握
はとても重要な対策となります。ご自分の関連する検査値を把握しておく事、食事や適度の運動などの日頃の
配慮が大きな結果に繋がります。糖尿病のある人は、無い人に比べて3倍程度の脳梗塞の発症リスクがある
という報告もあります。脳梗塞の発症リスクが高ければ、当然脳出血の発症リスクも高いので、真剣に取り組
む必要があります。
◎糖尿病合併症;糖尿病性腎症(腎症が進めば腎不全になり、透析に至る事もあります。)・糖尿病性神経障
害(片腕や片足に力が入らなくなる。刺すような痛みを感じます)・糖尿病性網膜症(視野がぼやける、色覚異
常、最悪の場合には失明します。)・その他の合併症として動脈硬化(進行すれば心疾患・脳疾患リスク)・皮
膚障害(潰瘍・感染症)
尿蛋白・尿糖・コリンエステラーゼ・総コレステロール・HDLコレステロール・LDLコレステロール
中性脂肪・血糖・インスリン
高血圧/脳出血の大きな危険因子です。長期間高い血圧に曝された血管が傷つき、血管は厚く硬く変性し、
傷ついた部位より血液中のコレステロールが潜り込み動脈硬化を促進させます。
血清クレアチニン・尿蛋白・尿沈渣・血清カルシウム・HDLコレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪
総コレステロール
肥満症/内臓脂肪が多いと脳出血のリスクが高くなります。内臓脂肪が多いと糖尿病や高血圧、脂質異常症を
引き起こす事が明らかになってきております。夫々の疾患は動脈硬化を促進します。これらが重複すればリス
クは更に高まります。
コリンエステラーゼ・総コレステロール・HDLコレステロール・LDLコレステロール・インスリン
動脈硬化/血管内腔が狭くなり動脈壁が硬くなる動脈硬化で、脳出血と関連の深いものはアテローム性動脈
硬化と細動脈硬化です。アテローム性の動脈硬化は比較的太い動脈に起こり易いとされるものです。血液中
に増えすぎたLDLコレステロールが血管の壁の膜の間に潜り込む事で、粥状の瘤が出来、血液の流れを妨
げます。肥満によって脂肪細胞が増えると、その働きでHDLコレステロールが減り、悪玉が増え動脈硬化を
助長します。内臓脂肪の溜まっている人ほど動脈硬化を促進する小型の超悪玉(sdLDL)コレステロールが
多いという事も分かっております。細動脈硬化は細い動脈が、長期間血液の圧力に曝されて、厚く変性してし
まうもので、主な原因とされるものは高血圧です。
中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール
§3 脳出血の障害/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
§3−1 比較的大きな出血/脳出血の障害/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
突然の頭痛、意識障害、片麻痺(大出血例の生命予後 不良、中等度出血例の予後 意識障害後の意識
回復と共に、局所症状は長期リハビリで徐々に回復)
§3−2 小さな出血/脳出血の障害/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
(頭部CT判断必要→ラクナ梗塞と判別が困難な為)
片麻痺、半身感覚障害、構音障害、(後遺症を残さず回復する場合も少なくないが、死亡率11%退院時寝
たきり、 車椅子使用23%となっている。 BY 国立循環器センター
)
§4 脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳出血(痛み・病気)は血腫が脳組織を圧迫し(頭蓋内圧亢進)様々な症状を起こしますが、小さな血腫であ
れば、徐々に吸収されますので、薬などによる治療が可能です。血腫が大きい場合には圧迫により脳ヘルニ
アを起こして、命に関わる事態を引き起こしかねないために早急な対応が求められます。手術は血腫そのも
のや血腫が原因で脳のむくみにより生じる頭蓋内圧亢進や脳へのダメージを防ぐ目的で施術されます。動脈
瘤の場合はクリッピング術、トラッピング術、コーティング術、ラッピング術、血管内治療(コイル塞栓術)などが
行われます。動静脈奇形の場合は手術的に全摘出することが望ましいとされます。最近ではナイダスを閉塞
させる塞栓術や比較的小さいナイダスに対してはガンマナイフ法も良好な結果を得ています。ただし中等度以
上の動静脈奇形の場合は出血のリスクが高い為、急性期は血腫除去にとどめます。 静脈血栓に関しては原
因疾患の改善と抗浮腫治療が主とります。
発症後12〜24H・・/脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
その後も継続厳重な降圧治療(しかし急激な降圧や過度の降圧は脳血流を低下させ、症状を悪化させる危
険性があるので注意を要する。降圧薬には脳圧亢進作用がないものが必要)、脳圧亢進予防、抗脳浮腫対
策(リバウンド現象に注意)、
予後/脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
動静脈奇形の場合比較的良好、動脈瘤は、くも膜下を伴うと予後不良です。静脈血栓で急激に症状が進
行する例は予後不良となります。
§4−1 開頭血腫除去術/脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
被殻出血、皮質下出血、 小脳出血を起こしていたり、 血腫が大きいために脳ヘルニアの症状が確認される
人を対象に選択されます。頭蓋骨を取り除き、脳を部分的に露出させて血腫を取り除きます。血腫は脳の内
部に有りますので、脳の一部を切開の必要が有る場合もあり、身体への負担は大きいものがあります。その
ため術前に確認されなかった神経症状が現れる場合もあります。
(血腫を取り除いたり、出血箇所を止血す
る事は、顕微鏡下で行われるため確度が高いとされます。)
§4−2 CT定位的血腫吸引術/脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
頭蓋骨に10円玉程度の穴をあけ、管を使って血腫を吸い出す方法で、CTにより血腫の位置を特定して行い
ます。開頭手術に比較しても、身体への負担の少ない方法で、術後の回復も早く、高齢者にも適応できます。
ただし、血腫を完全に取り除く事は難しいとされるため、術後、薬物による血腫溶解の療法を行う必要がありま
す。中等度以上の脳出血を起こしている人、出血の完全に止まっている人に対して適応する方法です。手術
中に再出血した場合には止血が困難である事も難点の一つです。
§4−3 神経内視鏡手術/脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
頭蓋骨に開けた穴から内視鏡を使い、血腫をモニタリングしながら吸い出す療法のためCTより血腫の位置を
正確に特定できる方法です。身体の負担もCTより小さく優れた方法といえますが、設備を装備している医療
施設は限られております。
§4−4 脳室ドレナージ/脳出血の治療/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳の中心部に脳室があります。ここには髄液が通常満たされており、脳の中を循環しているわけですが、脳
出血により脳室に血液が流れ込み、髄液の出口が血腫で塞がれて、流れが妨げられてしまいますと脳を圧
迫して水頭症を起こす事もあります。この様なケースに対処するために脳室ドレナージを行います。頭蓋骨
に開けた穴から細い管を挿入して余分な髄液や血腫を排出し、圧迫を取り除きます。
§5 脳出血と類似する症状の病気/脳出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳腫瘍;脳腫瘍の場合は、頭痛が徐々に酷くなる・嘔吐する頻度が多くなる・歩き方がおかしくなるなどの特
徴があります。 脳出血と類似するのは頭痛・嘔吐・話し方が不自然・話す内容がつじつまが合わない・右半
身・左半身が痺れる・麻痺するなどの症状です。 ◎脳の組織で、異常な細胞が増殖する事で起きるもので、
他の組織に転移するという様な事は少なく、進行がゆっくりなものは良性、そうでないものが悪性という事に
なります。 異常細胞が増殖しますと周囲の脳組織や神経を圧迫するためにダメージを受けます。腫瘍の出
来た部位により発現する症状が異なります。 腫瘍が成長すれば脳全体を圧迫するため、持続的な頭痛や
吐気・痙攣・失神なども生じる事があります。
脳炎・髄膜炎;この病気の場合は発熱を伴う特徴があります。脳出血と類似する症状では頭痛・嘔吐・めま
い・意識障害・麻痺・首の後ろ側がこわばるなどの症状があります。◎脳炎はウィルスが脳に入り込んで起
こるもので、髄膜炎はウィルスや細菌などが脳と脊髄を包んでいる膜(髄膜)を侵すものです。 何れも感染
が原因で、脳や中枢神経に炎症を引き起こします。感染したウィルスによっては、死亡率も高い危険なもの
もあります。脳炎では発熱や頭痛、吐気などの他に全身のだるさ、痙攣、麻痺などが出現し、暴れだしたり、
うわごとを言うという精神的な混濁もみられます。はしかや風疹などから、二次的に引き起こされる事もあり
ます。髄膜炎でも、発熱、頭痛、吐気などの症状や、痙攣、意識障害などが起こる事もあります。
硬膜下血腫;脳出血と見分けが付き難い病気です。類似する症状は頭痛・手足の麻痺・嘔吐・うまく歩けな
い・言葉が話せないなどです。◎頭部の怪我によって出血し、脳を覆う硬膜と脳の間に出血し、血液が溜ま
る病気です。 一般的に原因となるのは軽い怪我ですが、血液が少しずつ硬膜下にたまり、それが脳を圧迫
します。そのため、症状が現れるのは怪我をしてから数週間から数ヶ月後に出現するのが一般的です。50
歳以上の中高年の男性に多いのも特徴です。
メニエール病;めまいと同時に耳鳴りがしたり耳が聞こえ難いなどの聴覚の異常が現れる事が多い特徴が
あります。 類似する症状は周りがグルグル回転するような回転性のめまい・吐気などです。◎めまい発作
を不定期に繰り返す病気で、 耳鳴り、難聴が連動して起こるのが典型的な事例で、発作は30分程度から
数時間続く場合もあります。原因は不明で、耳の内部に液体(リンパ液)が過剰に溜まる事で発症すると考
えられております。30〜40歳代前半の女性に多く発症します。
パーキンソン病;震えは安静時に生じます。意識を向けたり、動作をすると震えがとまります。また、指先で
物を丸めるような特徴的な動作や、 進行するにつれ震えは身体の反対側にも広がる特徴もあります。脳出
血と類似する症状は身体の片側に起こる手足の震えなどです。
◎脳の深い部分(黒質)で神経に指令を伝
達するドーパミンが減るために起きる病気です。体の動きが遅くなったり、うまくコントロールできなくなります。
震えの他に筋肉がこわばったり、 その意思があっても動き出すまでに時間がかかる、表情が乏しくなる、歩
行時に最初の一歩が踏み出せないといった症状が現れます。重症になると歩けなくなります。
* 動静脈奇形;好発年齢は30歳代である。若年者の皮質下出血や脳内出血を見た場合鑑別する必要がある。
* 凝固障害;出血傾向を伴う血液疾患例(白血病など)や抗凝固療法中の例では凝固異常のために脳内出血
が起きる場合がある。
* 静脈血栓症;副鼻腔の炎症や外傷、妊娠、経口避妊薬、など種々の原因により脳静脈が血栓性閉塞を起こ
す事があり、その際、脳梗塞のみならず脳出血が生じることがある。
部位別に上矢状洞血栓(最多)、脳表在
静脈血栓、海綿静脈洞血栓などがある。
* ウィリス動脈輪塞栓症(モヤモヤ病);小児発症型(10歳未満)と成人発症型(30歳代ピーク)の2種類がある。
小児発症例で出血が起きる事はほとんど無いが、成人発症型はしばしば脳出血(頭痛・症状)で発症する。
* 腫瘍;血管の豊富な悪性腫瘍ほど出血しやすい。一般に多形膠芽腫や腎ガンの脳転移などにみられやすい
* ナイダス;脳動静脈奇形を構成する腫瘤状の異常血管網。ラテン語で”巣”を意味する。流入動脈と流出静
脈の間にある血管塊のこと。
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