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腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
腎臓癌(腎癌)は腎細胞癌と腎盂癌に大別されます。腎細胞癌は尿をつくる腎細胞の尿細管に発生するもの
で、腎盂癌は尿をためる腎杯や腎盂に発生します。(腎臓の構造もご覧下さい)悪性腎癌の殆どは腎細胞癌
です。腎癌は一対の腎臓の両方に発生することはまれで、殆どのタイプは腺癌です。
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腎癌の好発年齢は50〜60歳代で、ほぼ
40歳以降に発生します。 とはいえ、近年
ではその発症年齢は若年化傾向にありま
す。女性より男性に多い癌で、女性の2〜
3倍の比率になっております。腎癌は北欧
諸国が多いとされますが、 人種的なもの
とも一概に言えず、 食生活や、環境の影
響もいわれており、 タバコや動物性脂肪
食品の関係は、取り上げられております。
また、家族性の腎癌もまれにはあると指
摘されており、 遺伝的な要因もあるもの
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と考えられます。長期透析患者では萎縮腎が確認される場合には、膿胞の形成から膿胞内に腎癌が確認
される例が指摘されております。 |
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§1 腎臓癌(腎癌)(痛み・病気)の症状/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
腎癌は健康診断や、他の病気の検査の際にたまたま早期に発見される事が多い。この様なケースは小さな
腫瘍ですが、進行癌では血尿、腎部の腫瘤、痛み(腎部疼痛)がその主症状となっております。血尿は全体
の50%に確認されるものですが、肉眼ではなく顕微鏡的な検査で発見されます。それは発熱や腹痛を伴わ
ない無症候性のものが殆どです。 腹部腫瘤は側腹部に出来る瘤で気づくものですが、全体の10%程度で
す。腎臓の下方のもの、大きなものは触診でわかります。腎部疼痛は上腹部の鈍痛、不快感、圧迫感が全
体の20%程度を占め、腫瘍の大きさに関係しています。 その他発熱が全体の2〜5%程度に確認されるも
のですが、 発熱誘導物質を腎癌の細胞あるいは、腫瘤内のリンパ球が作り出すためではないかと考えられ
ております(腫瘤を摘出すれば熱も下がります)。 そのほかには体重減少、出血による貧血、食欲不振、下
痢などの症状も確認されることがあります(腎癌の進行している事を示します)。背中の痛みも感じます。
§2 腎癌の検査
腎臓癌(腎癌)の関連検査値・基準値
尿量、尿蛋白、尿潜血
「ご参考」 尿潜血が陽性の場合には、腎臓癌、膀胱癌、結石の可能性もあります。これらの検査をして癌
でも結石でもなければ、慢性糸球体腎炎や良性血尿という事になります。
§2−1 血液検査/腎癌
血液検査で、血沈の異常、CRP陽性、低蛋白血症、高カルシウム血症、肝機能異常、などが見られたり、ま
れにホルモンを分泌する腫瘍が発生する事もあります。エリスロポイエチン産生腫瘍では、赤血球増多症が、
上皮小体ホルモン様物質産生腫瘍では高カルシウム血症が認められます。慢性胆汁鬱滞型の肝機能異常
が認められる場合があります(腫瘍摘出で消失するが、症状が続くようであれば再発も考えられます)。
* エリスロポイエチン;赤血球を成熟、小腸からのカルシウム、リンの吸収促進、血圧を上昇させる
§2−2 尿路造影法(腎盂造影法)/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
造影剤の注入の方法としては静脈内に注入し、腎臓からの排泄状況をX線で腎盂や腎杯の変形状況などを
観察する方法と、膀胱から尿管を経由し腎盂内に細いカテーテルを挿入して、造影剤を腎盂内に直接注入し、
X線による腎盂や腎杯の状況を確認する方法がありますが、早期発見は困難です。
§2−3 超音波検査(腹部エコー検査)/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
安全性の高い検査で簡便に、時間も比較的速く検査できる方法で、スクリーニングとしても優れ、小さな腫瘍
の発見や、鑑別診断にも優れています。
§2−4 CT検査/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
腎癌の内部の状態や周囲の組織への広がりを、正確に把握できる方法で、殆どの腎癌の確定診断として用
いられます。造影剤を用いた陰影は腫瘍部分が明瞭な濃淡で捉えられ、さらに腫瘍の腎静脈や下大動脈へ
の浸潤、リンパ節転移、周囲臓器への浸潤状況などの確認ができます。
§2−5 MRI検査(磁気共鳴撮影法)/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
磁気を利用する方法なので、放射線暴露のない検査方法です。この断層画像診断では腎癌の周囲臓器へ
の浸潤度がCTよりも、より正確に診断でき、CTとの併用検査で腎癌の確定診断、浸潤度の把握ができる事
になります。
§2−6 腎動脈造影法/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
字義通り腎動脈に造影剤を注入し、腎癌を確定するために行われてきた検査でしたが、CT、MRI検査が非
常に優れているため、またX線による放射線暴露の影響も考えられるため、本検査は減少しております。本
方法では、腎動脈の数やその位置を知ること、腎動脈塞栓術を行う際の助けになるものです。
§3 腎臓癌(腎癌)(痛み・病気)の治療/腎臓癌(腎癌)/背下部深部/背下部/痛みと病気
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§3−1 手術療法/腎癌
基本的な手術の目的は 腫瘍細胞が他臓
器や リンパ節に広がる事を防ぐ事ですが、
出血を極力防止するために、 腎動脈を結
索して切断します。 癌のある側の腎臓周
囲の脂肪組織やリンパ節を切除し、副腎、
腎臓をそっくり摘除します。残った腎臓の
方は、正常であれば、大きくなり、腎機能
もほぼ正常の値を示すようになります。 |
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腎癌は両側に発生することはまれですが、その場合には腫瘍の大きさを確認して、部分切除や場合により、
両方の腎臓を摘出する両腎摘出が行われる事もあります。 この際の後は、血液を体外に導いて血液透析
をする事になります。遠隔転移が認められる場合でも、基本的に原発巣を摘出し、転移先も手術が可能で
あれば切除します。
§3−2 腎動脈塞栓術/腎癌
大腿動脈(足の付け根にある)からカテーテルを挿入し、腎動脈まで導き底に塞栓物質を注入する方法で、腎
摘出術の時に出血を少なくするために腎摘出術のおよそ1週間前頃に実施します。腎摘出術が不可能な場合
でも腫瘍を縮小するために塞栓術を実施し、抗癌剤を注入する方法をとる場合もあります。この方法では時間
の経過と共に、一時的に縮小した腫瘍は腎動脈以外の血管から栄養が供給される事により、再度腫瘍は増大
する事になります。(塞栓術直後より、一時的に高熱、腎部疼痛、吐き気、嘔吐がみられます。)
§3−3 化学療法/腎癌
抗癌剤は塞栓術や原発巣や転移巣に栄養を送る動脈から薬剤を投与する方法は、有りますが基本的にはあま
り効果がないので、採用されておりません。
§3−4 放射線療法/腎癌
放射線療法はあまり効果がないと考えられております。放射線療法が選択されるのは転移巣の切除が出来な
い場合、手術に耐えられない状況にある場合などです。また、腎癌は骨や肺への転移が多く、肺に放射線を照
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射した場合には癌が消失しても、周囲の正常な
組織に線維化が起こってしまう事により、 肺の
機能が低下してしまいます。但し、骨転移の場
合の疼痛を緩和する目的での照射には効果が
あります。 放射線は消化管に照射した場合に
は、食欲不振、 吐き気、 嘔吐、 腹痛、下痢を、
頸部に照射しますと、嚥下困難、嚥下痛を、頭
部に照射しますとフラツキなどを起こしますが、
一時的なものと考えられております。 |
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§3−5 免疫療法/腎癌
インターフェロン療法は腎癌の腺上皮癌に有効で、治療は2〜3ヶ月は継続してその効果を確認する必要が有り
ますが、中でも肺転移巣に対してはその20〜30%の患者さんの腫瘍は消失あるいは縮小するとあります。
ですがその他の転移巣では有効性が高いとは言えない状況です。発熱、倦怠感、食欲不振などの副作用があり
ますが、療法を中止すれば副作用も消失します。
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