卵巣癌・症状・痛み・病気

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卵巣癌・症状/痛みと病気




     
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卵巣癌・症状/痛みと病気



     
卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


      
卵巣は腫瘍の出来易い部位として知られております。また、卵巣は人間の体の中でも、最も多種類の腫瘍

      発生する事でも知られております。 そして、卵巣の腫瘍は殆どが良性の腫瘍です。しかし、卵巣癌は悪性の

      腫瘍です。 自覚症状の希薄な癌のため(進行期例)、子宮検診の時に、卵巣もしっかり確認してもらえるよう

      に自己申請する様に心がけましょう。



        
卵巣腫瘍の臨床病理学的分類
                                 ( 分化悪性度   高  未分化>中分化>高分化  低 )
良性腫瘍 境界悪性腫瘍 悪性腫瘍
表層上皮性・間質性腫瘍 漿液性嚢胞腺腫 漿液性嚢胞性腫瘍境界悪性(低悪性度腫瘍) 漿液性(嚢胞)腺癌
粘液性嚢胞腺腫 粘液性嚢胞性腫瘍(同上) 粘液性(嚢胞)腺癌
類内膜腺腫 類内膜腫瘍(同上) 類内膜腺癌
明細胞腺腫(上記各型) 明細胞腫瘍(同上) 明細胞腺癌
表在性乳頭腫 腺線維腺腫(上記各型) 腺癌線維腫(上記各型)
ブレンナー腫瘍 表在性乳頭状腫瘍、境界悪性(低悪性度腫瘍) 腺肉種
ブレンナー腫瘍、境界悪性(増殖性) 中胚葉性混合腫瘍(ミュラー管混合腫瘍)(癌肉種)
悪性ブレンナー腫瘍
移行上皮癌
未分化癌
性索間質性腫瘍 莢膜細胞腫 顆粒膜細胞腫 線維肉腫
線維腫 セルトリ・間質細胞腫瘍(中分化型) セルトリ・間質細胞腫瘍(低分化型)
硬化性間質性腫瘍 ステロイド(脂質)細胞腫瘍(分類不能型)
セルトリ・間質細胞腫瘍(高分化型) ギナンドロブラストーマ
ライディク細胞腫(門細胞腫)
輪状細管を伴なう性索腫瘍
胚細胞腫瘍 成熟嚢胞性奇形腫(皮嚢胞腫) 未熟奇形腫(G1、G2) 未分化胚細胞腫
成熟充実性奇形腫 カルチノイド 卵黄嚢腫瘍(内胚葉洞腫瘍)
卵巣甲状腺腫 甲状腺腫性カルチノイド 胎芽性癌(胎児性癌)
多胎芽腫
絨毛癌
悪性転化を伴なう成熟嚢胞性奇形腫
未熟奇形腫(G3)
◎その他 非特異的軟部腫瘍 .芽腫(純粋型) 癌腫
腺腫様腫瘍 肉腫
悪性リンパ腫(原発性)
二次性(転移性)腫瘍
                                         by 日本産婦人科学会 日本病理学会編



      
§1  卵巣癌(痛み・病気)の症状/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
初期の自覚症状は殆どありません。多くは下腹部にしこりを感じる、触れる、腹部が膨らんでいるなどから

        気づきますがそのあたりでは既にV期まで進行しているといわれます。 腫瘍が成長し
腹水が増加すると膀

        胱や直腸を圧迫し、頻尿や便秘にもなります
。更に卵巣癌が進行すれば貧血や悪液質(極度に体力を消耗

        した状態)になります。早期発見には定期の検査が重要になります。自覚症状の乏しい卵巣癌ですが、
茎捻

        転といい卵巣腫瘍の茎に当たる部分が捻じれてしまう
ことがあります。これを起こしますと、腫瘍内部に鬱血

        や出血を起こし、
激痛が下腹部を襲い、吐き気や嘔吐などを伴う事もあります。 腫瘍が一定の大きさ以上に

        なると起こりやすく、これが卵巣癌発見の端緒になる事もまれにあります。 但し、これは悪性でなく、良性の

        腫瘍で起こる事が多いとされます。 茎捻転は卵巣の正常部分までダメージを受けますので、早急の婦人科

        受診が必要になります。


ウェストが太くなったり、骨盤に圧迫感

を感じたり、 お腹が妙に張る
などがあ

ったら、気をつける必要があります。腫

瘍が大きく成長すると、 膀胱や直腸を

圧迫し、
頻尿や便秘を起こし、また、不

正出血や腹水、発熱、体重減少など


気づく事もあります。卵巣癌は発見され

た時点で、腹膜播種の状態の場合も多

く、 この場合には癌の進行がかなり速

く、 V期W期に至ってしまうのも速い

為、 わずかな身体の変化を見逃さず、

ご心配の場合には、専門医に早期にご

相談する事も大切です。





      
§2  卵巣癌とは/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
卵巣に出来た腫瘍のうち、悪性のものを卵巣癌といいます。殆どは卵巣腫瘍の悪性化したものです。発症

        年齢も、今までは40〜50歳代に限られておりましたが、 近年では若年層(30歳代)にも確認され増加傾

        向の癌です。妊娠、出産の経験の無い女性の発生リスクが高いとされます。


        初期に自覚症状の現れ難い卵巣癌は発見されたときには、進行している事が少なく有りません。また、卵巣

        癌はかなり早い段階で転移や浸潤を始める癌でもあります。
進行すれば、卵巣の壁を突き破り、腹腔や腹

        膜に癌細胞を撒き散らす腹膜播腫をおこします。
一端、腹膜播腫を起こしてしまいますと、小さな癌が膀胱

        や直腸の表面で多数成長し、また、大網や肝臓の表面にも癌が発生してしまうことがあります。卵巣癌患者

        は発見された時点でその2/3は腹膜播腫を起こしているといわれております。浸潤し易い卵巣癌は、さらに

        卵管や子宮に浸潤して広がり、癌細胞が血流に乗れば、他の臓器に遠隔転移もします。


-卵巣の腫瘍-
卵巣癌の術前検査で、胸部X線(胸水貯留・

肺転移の有無の確認)、腹部CT検査(腹水

の貯留の有無の確認・ 肝臓や脾臓への転

移の有無の確認・後腹膜リンパ節腫大の有

無の確認など)を実施しますが、 自覚症状

が希薄なために、例えば、上皮性卵巣癌

場合には、初診の時から既に進行している

事例が多いのが実情です。(事例;T期/約

40% U期/約10% V期/約30% W期

/約20%)

     -境界悪性卵巣癌の例-

 卵巣のチョコレート嚢胞は子宮内膜症性嚢胞

 で 子宮内膜性嚢胞が悪性化し類内膜腫瘍

 明細胞腫瘍が発生すると、嚢胞内部に明らか

 な充実部が出現します。 類内膜腫瘍・明細

 胞腫瘍は境界悪性腫瘍です。 類内膜腫瘍・

 明細胞腫瘍の約半数は CA125値の上昇が

 認められます。チョコレート嚢胞は出血により、

  内腔に古い血液を溜め込んでいる状態です。

  左図は、両側の卵巣が腫大し、 内部に古い

 血液を貯留した 結果を示すのものの模式図

 です。 (卵巣を切開し、内部の嚢胞の状態を

 示す模式図です) MRIが検査には有効とされ、

腫瘍マーカーは CA125orCA19-9 の軽度の上昇がよく確認されます。 嚢胞内部は明らかな充実部分が出現し、

徐々に大きくなります。チョコレート嚢胞は表層上皮性・間質性腫瘍に属します。




      
§3  卵巣癌の検査/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        検査は腹部超音波、経膣超音波検査、骨盤部MRI検査、PET検査、腫瘍マーカー(CA125/T期50%陽性、

        U期〜90%陽性、健常者でも1%は陽性、子宮筋腫、骨盤内炎症、子宮体癌、膵臓癌でも感知するケース

        もあるその他の腫瘍マーカー/CA19-9、STNCA602CA546GAT)。 PETは卵巣に腫大が有る場合、

        良性、悪性の判定も可能で、転移、再発(卵巣腫瘍は大網、腹膜に転移しやすい)の診断も可能という大

        きな利点があります。
卵巣癌は多くの医療機関で経膣超音波検査が実施されています。 卵巣の腫れの

        状態はこの方法で容易にわかります。








      
§4 卵巣癌の療法/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
卵巣癌の特徴としまして、腫瘍は抗癌剤に感受性があるため、基本的には手術により、腫瘍を摘出し、

        その後に、抗癌剤による化学療法が選択されます。(但し、悪性胚細胞腫瘍で、Ta期未分化胚細胞腫

        や未熟奇形腫で組織学的悪性度が低い場合には化学療法を行う必要がないとされております。)





       
§4−1 卵巣癌の手術療法/卵巣癌の療法/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
卵巣癌は原則的には手術による摘除が基本です。早期の発見で将来妊娠・出産を望まれるケースでは、

        精査の上で、片側の病巣のある卵巣・卵管を切除する事もあります。しかし、進行癌に関しては両側の卵

        巣・卵管・子宮・リンパ節も切除する事にもなります。


良性腫瘍に対しては、患者さんの状態(腫瘍の

大きさ、周囲との癒着など)や、環境(年齢、妊

孕性温存考慮など)などを考慮し、卵巣腫瘍摘

出術(卵巣腫瘍核出術)、卵巣摘除術or付属器

切除術を行います。若年の女性に対しまして

は、卵巣腫瘍摘出(核出)術を原則として行い

ます(妊孕性温存目的・成熟嚢胞性奇形腫

応)。境界悪性卵巣腫瘍では、原則両側付属

器摘除術及び、単純子宮全摘術を行います。

妊孕性温存が可能な場合では、 (妊孕性温

存が必要な場合) 片側付属器摘除術を行い

ます。






       
§4−2 卵巣癌の化学療法/卵巣癌の療法/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        既に申し上げましたが、悪性卵巣癌の大半は抗癌剤に感受性があります。従いまして、卵巣癌では、化学

        療法は手術療法と並ぶ重要な療法になっております。 特に腹膜播種などの事例では、手術では対応し切

        れませんので、開腹して腹腔内を確認の後、化学療法中心の治療法になります。化学療法は通常は多剤

        を組み合わせた、多剤併用療法を行います。 シスプラチンパクリタキセルなどの開発により、卵巣癌の治

        療環境は大きく改善向上され、 予後の改善も期待されております。 例えば、上皮性卵巣癌には、CAP療法

        やCP療法が標準的な化学療法でしたが、近年の傾向では、TJ療法DJ療法が優先的に選択される様にな

        っております。(これらの療法は漿液.癌類内膜腺癌には有効だが、粘液.癌明細胞腺癌は抗癌剤

        に対し耐性を示す→薬剤耐性を示す癌に対しては、イリノテカンエトポシドなどが抗癌剤として使用されてお

        ります。)悪性胚細胞腫瘍は従来はVAC療法が選択されておりましたが、PVB療法に次いで登場してきました

        BEP療法が現在では標準療法になっており、予後も飛躍的に改善しております。








        
卵巣癌の進行期

T期 卵巣内限局発育
 Ta 腫瘍が片側の卵巣に限局し、癌性腹水が無く、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの
 Tb 腫瘍が両側の卵巣に限局し、癌性腹水が無く、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの
 Tc 腫瘍は片側又は、両側の卵巣に限局するが、被膜表面への浸潤や、被膜破綻が認められたり、腹水又は、洗浄液の細胞診似て、悪性細胞の認められるもの
U期 腫瘍が片側又は、両側の卵巣に存在し、さらに骨盤内への進展を認めるもの
 Ua 進展並びに or 転移が、子宮並びに or 卵管に及ぶもの
 Ub  他の骨盤内臓器に進展するもの
 Uc 腫瘍発育がUa又は、Ubで、被膜表面への浸潤や、被膜破綻が認められたり、腹水又は、洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められるもの
V期 腫瘍が片側又は、両側の卵巣に存在し、更に、骨盤外の腹膜播種並びに or 後腹膜又は、鼠径部のリンパ節転移を認めるもの。また腫瘍は小骨盤に限局しているが、小腸や大網に組織学的転移を認めるものや、肝表面への転移の認められるものもV期とする
 Va リンパ節転移陰性で、腫瘍は肉眼的には小骨盤に限局しているが、腹膜表面に顕微鏡的播種を認めるもの
 Vb リンパ節転移陰性で、組織学的に確認された直径2p以下の腹膜内播種を認めるもの
 Vc 直径2pを越える腹腔内播種並びに or 後腹膜又は、鼠径リンパ節に転移の認められるもの
W期 腫瘍が片側又は両側の卵巣に存在し、遠隔転移を伴なうもの
胸水の存在により、W期とする場合には、胸水中に悪性細胞を認めなければならない。又、肝実質への転移はW期とする。
                                                   by 日本産婦人科学会 日本病理学会編



      
§5 卵巣癌の危険因子/卵巣癌/子宮部/.部/痛みと病気


        
卵巣癌の種類も30歳代までは卵細胞から発生するものが多いのですが、それ以降になりますと腺癌が多

        くなります。 腺癌は肥満、糖尿病、高血圧症、喫煙、動物性脂肪の摂取過多、未婚の女性、未産婦などが

        危険因子に上げられており北欧やイスラエルなどは日本人より更に5倍程度、多発しておりますが、原因は

        特定できません。 (卵巣腫瘍は月経回数の多い人に発生し易いといわれます。つまり経年の中で妊娠、出

        産の多い人は月経回数が少ないわけですが、逆に月経回数が多いということは、その分、卵巣からの排卵

        の回数が多くなりますがこれが卵巣癌と関わっているのではないかと考えられているわけです。実際、卵巣

        腫瘍は妊娠経験の無い人に高率であることも分かっております)















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