食道癌・症状・痛み・病気

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食道癌・症状/痛みと病気




     
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食道癌・症状/痛みと病気



     
食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


      
食道癌は上皮から発生するものをいい、日本人の食道癌は扁平上皮癌が95%と殆どを占めております。腺

      癌の占める比率や2.5%とわずかですが、近年ではこの腺癌の比率は増加傾向にあります。これに比し、欧

      米人の食道癌は、腺癌が約半数を占めております。



     
§1  食道癌(痛み・病気)の症状/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


       
患者さんの80%は嚥下困難やつかえ感を訴え、体重は次第に減ってゆきます。この通過障害を感じずに声

       かすれや、 頸部リンパ節の腫れから、 受診し、食道癌(食道ガン)という病気が発見される事もあります。流

       動食は食べられるが、
固形物の飲み込みが辛い、 飲み込みにくいという症状が気になった時は、消化器専

       門医を受診して食道・胃内視鏡検査を受けましょう
。食道癌(食道ガン)という病気の代表的な症状には
食べ

       物のつかえ感
食事をすると食べ物がしみる飲み込む時痛む、胸やけ、げっぷ、嘔吐、吐血、体重減少、

       声枯れなどがあります
。しかしこれらは進行した食道癌(食道ガン)の病気の症状でありそれまでは無症状が

       多いのです。 食物のつかえ感がはっきり自覚される頃には殆どの場合ガン細胞が広く浸潤しています。
腫瘍

       が器管に浸潤すれば咳が、肋間神経に浸潤すれば、背中が痛くなります
食道炎は胃から心臓にかけて焼

       ける様な痛みを感じます。ヘビースモーカーなどの方で、痛みが酷い
場合には食道癌を疑う必要があります。

       初期にはそれ程症状が無い食道癌も
進行すると食べ物が飲み込み難くなり、つかえ感があり、飲み物までも

       つかえる様になります。声はかすれ、腹全体に痛みがひろがります
耳鼻科領域の病気の既往歴のある人(

       口腔・口蓋・舌の病気、咽頭ガン、 喉頭部ガンに罹ったことがある人)は食道癌(食道ガン)という病気の合併

       頻度が高い。家系にガン患者が多いなら食道ガンも注意。食道ガン多発地域(飲料水、ビタミンA不足)。熱い

       茶粥をよく食べる地域は食道癌(食道ガン)が多い傾向があるようです。 食道癌は早期は無症状であるか、し

       みる感じや食道の違和感程度の訴求ですが、この段階で早期に受診したいものです。



     
§2  食道癌(痛み・病気)とは/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


       50〜70歳代の男性に多く男性の方がその比率の高い食道癌(食道ガン)という病気は胃ガンや大腸ガンの

       様には発生頻度は高くなく早期発見が重要で、 放置すると1〜2年で殆どが死亡します。 日本では食道癌

       の頻度が高く内視鏡による早期発見、早期治療が増えています。上にあるような自覚症状や、気になる違和

       感があれば、即刻消化器の専門医を受診しなければなりません。消化器専門医による内視鏡検査が早期発

       見に寄与します。上皮内ガンの段階ならリンパ節への転移も無く内視鏡的な手術で完治します。治療法はそ

       の他外科治療、放射線治療、化学治療などが単独あるいは併用して行われます。 食道癌はリンパ節転移し

       やすく、食道内に多発したり、食道壁内転移が多く、更に、下咽頭癌、胃癌などとの重複も多い。









     
§3  食道癌(痛み・病気)の検査/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


        食道癌は色素内視鏡検査で早期発見が期待できます。通常の内視鏡検査やバリウム検査でも早期の発

        見は有りますが通常のバリウム検査では見逃される可能性もあります。 むしろバリウム検査は進行癌に

        有効とされています。また、食道癌は小さくてもリンパ節に転移し易い特徴があり、食道癌の治療成績に影

        響を与えます。リンパ節転移の検査はCTで腫大したリンパ節の有無の確認をします。胸部は肋骨、肺があ

        るので超音波内視鏡で食道内腔から食道壁の近辺のリンパ節を調べます。 (この場合は1cm以下のリン

        パ節への転移を診断できます。) 超音波検査は腹部と頸部に腫大しているリンパ節の有無を検査します。

        画像診断によるリンパ節転移の診断率は50%位といわれ、超音波が届かない、転移が微小で正常なリン

        パ節と大きさが変わらなければ画像に有為差が認められませんので ここに画像診断の限界があります。

        (正常なリンパ節は数ミリから1cm前後です) 食道癌の血行性転移では肝臓、肺、骨、脳、副腎に転移す

        るケースが多いとされます。

嚥下困難が食道癌が原因なのか、

アカラシア逆流性食道炎によ

るものなのかの鑑別の後、嗄声・

頸部リンパ節の腫張では後頸部

病変の精査をして 鑑別がなされ

ます。 検査には通常の検査とし

て、 食道透視、 食道胃内視鏡、

食道色素内視鏡、 超音波内視

鏡検査、拡大内視鏡、気管支鏡、

頸部・腹部体外超音波検査、CT、

MRI、更にはPET、超音波気管支鏡、血管内超音波検査、骨シンチグラフィなどで精査されます。食道病

変の疑いがあれば、造影検査と内視鏡検査で潰瘍や腫瘤などの有無を確認します。病変が確認されれ

ば、色素内視鏡検査で、問題の病変の確認と、生検組織検査や食道壁内転移や食道多発病巣の有無

の検査に移ります。 これにより食道癌の確認はなされます。癌の部位の確認の後、食道壁外への進展

の程度を診断します。 気管・大動脈など他臓器浸潤はCT・MRIにより診断されます。気管・気管支への

腫瘍の浸潤の度合いに付いては、気管支鏡で実施し、大動脈浸潤では超音波内視鏡検査・気管内超音

波内視鏡・血管内超音波内視鏡などで行います。内視鏡的粘膜切除適応のリンパ節転移が無い早期癌

では、超音波内視鏡で腫瘍の深達度を確認します。リンパ節転移及び他臓器転移では超音波内視鏡検

査・体外超音波検査・胸部X線検査・CT・MRI・PETなどを用います。重複いたしますが、特に食道癌は肺・

肝転移が多く、骨や脳転移も来たします。この転移に対してはPETが全身検査に優れた威力を発揮します。




     
§4  食道癌(痛み・病気)の類似疾患/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


      §4−1 アカラシア/類似疾患/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


       
食道運動性疾患の代表です。機能性嚥下困難で類似の疾患には劇症アカラシア、瀰漫性食道痙攣、くるみ

       割食道などがあります。原因は不明ですが、迷走神経系の異常や、食道壁に存在する筋間神経叢における

       抑制神経の障害などが考えられております。嚥下困難、口腔内への逆流、胸痛、背部痛などがあり、体重減

       少もあります。最も重要な症状は、嚥下困難でほぼ全症例に認められます。固形物が主ですが、液体でも嚥

       下困難を認める事があります。 比較的若年時(10歳代)より、長期にわたって次第に増強する(時に軽快)嚥

       下困難が認められます。吐物には胃液は含まれず、3〜8%に食道癌の合併が認められます。






      
§4−2 逆流性食道炎/類似疾患/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


       
胸焼け、胸痛、嚥下困難、出血などがあり、食道裂孔ヘルニアを伴う事も多い。慢性的逆流性食道炎により

       食道粘膜が円柱上皮細胞に置き換えられて状態をバレット食道潰瘍といいます。 腺癌の発生率が高く、欧

       米では50%以上の食道癌が腺癌です。日本も増加傾向です。






      
§4−3 腐食性食道炎/類似疾患/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


       
強酸、強アルカリ、重金属塩を飲み込んで生ずる食道炎が、瘢痕性収縮により食道狭窄を来たすもので、

       長期経過例では癌発生率は高い。






     
 §4−4 平滑筋腫/類似疾患/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


       
食道良性腫瘍では最も発生率が高いもので、粘膜下腫瘍の形態をとるので、食道癌との鑑別は比較的容

       易ですが、平滑筋肉腫との鑑別は困難です。 10cmを越えるものは肉腫を疑い食道切除術が必要になる

       とされます。






     §5  食道癌の進行度分類&例/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気




       -表在癌と進行癌-        -食道の構造模式図&食道癌の進行度-

     
食道癌が粘膜下層までに留まっているものを表在癌、粘膜下層を超えて筋層に達しているものは進行癌といい

     ます。表在癌でリンパ節転移が認められなければ食道早期癌となります。食道癌の進行癌は隆起型、潰瘍限局

     型、潰瘍浸潤型、瀰漫浸潤型に分類できます。







     
§6 食道癌(痛み・病気)の療法/食道癌/食道部/胸部/痛みと病気


     食道癌がどのような状況であるのか、浸潤の状況はどうか、遠隔転移をしているのか、どの臓器に遠隔転移して

     いるのかなど様々な状況にあるわけですが、気管や気管支、大動脈への直接浸潤、肝臓などへの遠隔転移では

     手術が第一選択にはなりません。心臓、肺、肝臓、腎臓などの臓器が弱っているような場合には、大手術に耐え

     られませんから、身体に負担の少ない方法を選択しなければなりません。日本では今まで殆どの食道癌に対して

     手術を適用してきましたが、近年の研究で、化学療法と放射線療法の併用療法の有効性が明らかになってきまし

     た。癌が食道の周りの器管や臓器に浸潤している局所進行癌の場合には、大きな手術を行っても、完治する可能

     性はあまり高くなく、その故に、化学放射線療法は選択肢の一つとなっております。食道癌が進行しますと、腫瘍

     により食道内が閉塞したり放射線療法の影響で、食道の内部が狭窄する事が有りますが、その様な場合には、バ

     イパス手術、ステント術、放射線治療、レーザー治療などが、検討されます。






     
§6−1 手術療法/食道癌


     食道癌がどの位置にどの様に出来たかにより、切除の範囲の決定をし、食道臓器の再建(代用消化管)や、ルート

     の決定(再建経路)、吻合はどの位置で行うかなどが決定されます。
          -食道癌再建経路例-
胸部の食道癌が最も頻度が高いことは申し

上げましたが、その再建手術例がここに図

示されております。これは再建経路の3例

になりますが、定型的な手術として縦隔内

の食道癌の病巣を確認して、広く食道を切

除し、周囲のリンパ節を郭清します。胃の

噴門と周囲リンパ節を取り去り、残った胃

を食道の代替として使う事になります。こ

の際、胃が他の手術で既に無いのであれば

、大腸、小腸が代替臓器として使用される

事になります。


この胃管や腸管をもともとの胃の通っていた部分(後縦隔)に通して頸部を引き上げ、頸部を吻合し、最後に小腸

の中に手術後のために腸瘻という細いチューブを入れて手術は終了します。細部の説明は省略しておりますが、

これが定型手術の概要になります。(後縦隔経路例)

     早期食道癌で表在癌の深達度や、リンパ節転移の有無などの程度により手術は局所でも可能な状況もあります。

     この場合は大掛かりに開胸術をせずに、頸部や腹部を切開し、その範囲で手術を行う縮小手術で食道を引き抜き、

     腹部から胃管を引き上げて吻合する食道抜去手術や、内視鏡下手術(食道内腔側からの病巣切除やレーザー光

     で焼き切るなど)も可能になっております。
           -EMR模式図-
腫瘍が浅く、粘膜筋板に達していない場合は

、内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応もあ

ります。内視鏡で取れる癌の大きさや数には

限度があります。更に、癌がリンパ節に転移

していない事、食道全周性ではなく、 2/3

以下である事も適応の条件です。また、患者

さんが手術を望まれない場合や、全身状態が

手術に耐えられない場合などにも内視鏡的粘

膜切除術を適応する事があります。食道癌の

手術後は全身の状態を、慎重にチェックして

行くことになりますが、特に肺合併症に注意

が必要になります。

無気肺、肺炎などの危険があり、術前から呼吸機能訓練を通して痰の排出がスムースに出来るように練習

もします。縫合不全もあります。 これは縫合した部位が確実についているか否かの確認をし、水、流動食な

どを摂取し始める事になりますが、 吻合部位に漏れがあれば摂食などは当然、不可能になります。その場

合は一定期間絶食し、縫合部位の治癒を待ちます。 摂食不可能な期間、充分摂食が出来ない期間は、点

滴による栄養摂取では不十分ですので、 中心静脈栄養、経腸栄養による高カロリー輸液(IVH)注入により、

栄養を摂取します。 この際、腸瘻からの経腸栄養は縫合不全を起こした場合の有力な栄養摂取補助法で

小さな縫合不全なら絶食状態でも、中心静脈栄養、経腸栄養のみで治癒します。








     §6  食道癌のリスクファクター


       
食道癌のリスクファクターとして上げられるのは、アルコール・タバコがまず上げられますが、慢性的な刺激

       や、微量栄養素の欠乏なども上げられております。 また、食道癌はアカラシアバレット上皮、アルカリ性食

       道炎、異形成などで癌の発生率が高い事がわかっておりますが、 特にハイリスクなのはバレット上皮から発

       生する腺癌があげられます。 何故、バレット上皮から多数の腺癌が発生してくるのについては、多数の遺伝

       子の異常が積み重なって、発癌するのではないかと考えられております。
食道癌は放置しますと気道に穿通

       して肺炎を併発したり、穿孔しますと膿胸、大動脈へ穿通しますと大出血を来たし、死亡します。



















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