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アカラシア/食道部/胸部/痛みと病気
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アカラシアは嚥下障害を起こす代表的な
疾患です。アカラシアはその形状の分類
から拡張型分類(@紡錘型→Sp、Aフラ
スコ型→F、BS字型→S)、横径の大きさ
で示す拡張度分類(gradeT、gradeU、g
radeV)があります。拡張型分類では、重
傷度は@<A<Bとなっており、 拡張型
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分類ではT<U<Vと重傷度が上がって行きます。アカラシアの病型分類は拡張型と拡張度を組み合わ
せて表現されております。 |
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§1 アカラシア(痛み・病気)の症状/アカラシア/食道部/胸部/痛みと病気
ほぼ例外なく認められる症状の嚥下困難を始めとしまして、口腔内への逆流、胸の痛み、背部痛や体重減
少も確認されます。 また、夜間に食物残渣が口腔内に逆流してむせて眼が覚める事がある口腔内逆流は、
横臥により口に逆流する事が多く、高齢の方では逆流による誤嚥性肺炎を引き起こす事があります。このア
カラシアは症状の強さと病型分類の拡張度とは一致しません。それは、病期が進行してもそれに慣れてしま
い、症状が軽減するためです。
§2 アカラシア(痛み・病気)とは/アカラシア/食道部/胸部/痛みと病気
アカラシアはそれ自体、生命予後は悪くなく良性の疾患ですが、合併症の誤嚥性肺炎や食道癌の発症によ
り、予後が大きく左右されます。 アカラシアの合併症として重要なものには食道癌と肺合併症があります。
食道に関係する合併症では食道癌が重要です。食道体部に見られるもので、初発から17〜28年の間に癌
が発見されるとされます。この場合には殆ど癌の症状は見られないとされ、発見が遅れます。肺合併症は嚥
下性困難に伴なう慢性の誤嚥が原因の肺感染症があります。これは、マイコバクテリアの感染が関与してい
るものと考えられております。
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拡張型分類 |
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拡張度分類 |
1 紡錘型 |
Sp(spindle type) |
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gradeT |
d<3.5p |
2 フラスコ型 |
F (flask type) |
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gradeU |
3.5≦d<6.0p |
3 S字型 |
S(sigmoid type) |
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gradeV |
6.0p≦d |
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§3 アカラシア(痛み・病気)の検査/アカラシア/食道部/胸部/痛みと病気
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類似疾患を鑑別するためにも、X線造影
検査 (発泡剤を使用せずに、100%硫
酸バリウムを用い、抗コリン薬は使用し
ません→食道拡張・食道内停滞確認)、
食道内視鏡検査(スコープを食道内に
挿入する。 →器質的狭窄・アカラシア
の可能性があれば内腔が拡張し食物
残渣が貯留している)、食道内圧検査
(アカラシアの確定診断に必須などは
重要な検査です。) |
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§4 アカラシア(痛み・病気)の類似疾患/アカラシア/食道部/胸部/痛みと病気
劇症アカラシア(アカラシアと殆ど同様の所見、強度同期性異常収縮が頻発する)、瀰漫性食道痙攣(食道
体部の異常収縮が強度、下部食道括約筋の嚥下性の弛緩が認められる)、くるみ割り食道(らせん器のくる
み割器に類似した像を呈する、下部食道括約筋の嚥下性弛緩が存在する)、症状からは狭心症や心筋梗塞
と非心臓性胸痛、食道癌との鑑別も必要になります。
§5 アカラシア(痛み・病気)の療法/アカラシア/食道部/胸部/痛みと病気
治療は蠕動運動の消失や下部食道括約筋のうまく弛緩しない事を改善する方法は、現況では存在しませ
ん。従い、治療の方向性としまして、下部食道括約筋の筋圧を低下させて食物の通過障害を軽減させる事
を目標にします。
薬物療法;下部食道括約筋圧を減少させるために硝酸化合物とカルシウム拮抗剤を用います。食道平滑筋
は硝酸化合物がその収縮を抑制したり、下部食道筋圧を低下させる事がしられております。食前舌下投与
により下部食道括約筋圧の66%を低下させる事が確認されており (食事摂取時に嚥下困難の解消に効果
的)ますが、副作用として、頭痛があるために使用上の制限があります。
一方、カルシウム拮抗薬による下
部食道括約筋圧の低下効果は、 中等度の症状改善に留まっており、カルシウム拮抗薬以外のもので抗コ
リン薬、グルカゴン製剤、ベータ作動薬などが有りますが、長期投与による有効性に付いての報告は、なさ
れておりません。
噴門拡張術;一般的にはレジフレックス拡張器、ブラウン・マックハーデー拡張器・内視鏡装着型バルーン
(アカラシア法)などの空気圧拡張法があります。 また機械的な強制法としてガイドワイヤを胃内にまで挿
入する方法や、 内視鏡装着型バルーンによりバルーンを固定して装着する方法などがあります。空気拡
張法の成功率は60〜85%程度で、合併症は1〜10%(食道破裂、食道血腫、誤嚥性肺炎、高熱など)程
度有るとされます。
外科療法;拡張術を繰り返し行っても効果が得られない場合や、拡張術を行う事が不可能なケースでは、噴
門部筋切開を行う方法があります。 輪状筋切開により下部食道括約筋圧の減圧を図るもので、その効果は
空気圧拡張法よりも効果は大きいが、胃・食道逆流の頻度が増加する事があります。そのため、逆流防止を
目的とした噴門形成術を同時施療する場合もあります。 但しこの噴門形成術の同時施療の成績・合併症の
報告は有りません。
* アカラシア食道内圧検査所見;@一次蠕動波の減少or消失A下部食道活躍筋圧の上昇B下部食道括約
筋圧の上昇C食道内圧静止圧の陽圧D異常収縮波の出現など
* アカラシア確定診断所見;一次蠕動波の消失、下部食道括約筋の弛緩不全
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