肺癌・症状・痛み・病気

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肺癌・症状/痛みと病気




     
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肺癌・症状/痛みと病気



     
肺癌/肺部/胸部/痛みと病気



     
§1  肺癌(痛み・病気)の症状/肺癌/肺部/胸部/痛みと病気


       
首のリンパ節が腫れて痛む場合で、腫れが徐々に酷くなり、その腫れたリンパ節を手で触れて確かめると、

       表面がスムーズではなく、動かない(可動性では無い)場合には癌の可能性を考慮に入れる必要がありま

       す。この様なシコリは胃癌や肺癌の場合も有りますので直ぐに受診しなければなりません。初期や小さな

       癌では全く無症状ですが、
咳・血痰・発熱・胸痛・呼吸困難・全身倦怠感・体重減少などがあれば、これが

       肺癌の症状を示している可能性もあります。

腫瘍が進展しますと、 嗄声(反回神経麻痺)・

上大動脈を狭窄すれば上半身浮腫・頭痛・静

脈怒張など
、肺尖部に腫瘍が発生すれば、

部側の上肢の疼痛や縮瞳・眼瞼下垂・眼球陥

凹・発汗異常など
、その他腫瘍随伴症候群で

はクッシング症候群・ ライバート - イートン

症候群(筋無力症状)・高カルシウム血症・女

性化乳房・ 白血球増多症など腫瘍からのホ

ルモン産生などによる 随伴症状が 認められ


る場合があります。その他、指先が肥厚し、丸みを帯びる太鼓ばち指など、小細胞癌に多く確認されるような

異常もあります。



     §2  肺癌(痛み・病気)とは/肺癌/肺部/胸部/痛みと病気


       
肺癌は他の臓器に転移し易い癌です。更に他の臓器に発生した癌は逆に、肺に転移し易い特徴を持ちます。

       これは、全身の血液が肺に集約し、肺から再度全身に運ばれるため、血行性の転移が起こり易いためです。

       肺癌はその組織型により扁平上皮癌・腺癌・大細胞癌・小細胞癌に分類できますが、日本で多い型は腺癌で

       す。腺癌の特徴は、癌の発生している部位の胸膜がひきつれてみえる事です。患部の肺胞部分が潰され、患

       部の容積が縮小したためです。病巣が侵した範囲はこの周辺に広範にある事を示します。タバコの成分や粉

       塵などが溜まって、肺胞に沈着した炭粉なども肺胞が潰れると癌病巣の中心部に凝集します。
肺癌は早期発見の難しい癌です。末梢

にできた癌は 肺胞の正常な組織を潰し

てしまうため、 胸部レントゲンでの陰影

は潰された組織を映し出します。 即ち、

元々広範囲の肺胞を潰して、小さく写る

ために、他の臓器の癌では早期癌であ

るといえる大きさの肺癌は、既に進行し

ている可能性があるためです。




     
§3  肺癌(痛み・病気)の検査、診断/肺癌/肺部/胸部/痛みと病気


       肺癌の検査、診断はスクリーニング、確定診断、病期診断と段階を踏んで進んで行きます。


       
スクリーニング;喀痰細胞診(肺門部の太い気管支に発生する肺癌)、胸部画像診断(単純胸部X線検査、

       胸部CT検査など/肺野末梢部肺癌)肺門部の癌は扁平上皮癌(術後生存率、他の肺癌に比し良)・小細

       胞肺癌(術後生存率、他の肺癌の組織型に比し悪い)が多く、肺野・末梢部に発生する肺癌は腺癌(術後

       生存率、 他の肺癌に比し扁平上皮癌より悪い
)・大細胞肺癌(術後生存率、他の肺癌に比し扁平上皮癌

       と腺癌の中間
)が多い。



       
確定診断;細胞診・組織診により病理学的に診断し確定します。 気管支鏡検査は咽喉頭の局所麻酔をし、

       末梢部であれば生検鉗子によりX線透視の元で生検あるいは擦過細胞診を実施します。経皮的針生検で

       は、やはりX線透視の元で行い、あるいはCTガイド下での生検を行います。気管支鏡検査、経皮的針生検

       で確定診断が得られなければ、胸腔鏡下生検・開胸生検が行われます。



       
病期診断;肺癌の確定診断が得られた後、治療方針の決定や予後の予測のために病期診断は行われま

       す 。 病期診断では、理学所見・気管支鏡検査・胸部CT・腹部CT・頭部CT or MRI、骨シンチスキャンなど

       で全身状態(リンパ節転移・遠隔転移)を調べます。縦隔鏡検査は全身麻酔が必要なため縦隔リンパ節転

       移を対象とした場合には選択されます。その他近年では、PET(FDGを用いた)が病期診断に有用であると

       いう報告もあります。PETは術後の再発の検査に極めて有用という報告があります。



        * 関連する検査


        喀痰細胞診




     
§4  肺癌(痛み・病気)の療法/肺癌/肺部/胸部/痛みと病気


       
治療の方向性は組織型・TNM分類・患者さんの状態・年齢・心肺機能などを勘案して決められて行きます。

       小細胞肺癌・非小細肺胞癌夫々の治療方向が医療関係者より説明されます。



       小細胞肺癌
病期T期から手術適応になります。術後はシスプラチンエトポシド併用療法を4コース施療

       します。臨床病期T期以外のLD小細胞肺癌はPE療法と胸部放射線治療ン同時併用療法を行います。(臨

       床病期の U〜V期のLDで25%の5年生存率が得られているという報告があります。) ED小細胞肺癌は2

       〜3薬の多剤併用療法が用いられており、PE療法が多く採用されております。CR例予防的全脳照射(PCI)/

       小細胞肺癌では脳転移が高頻度に出現するため、初回治療後に予防的な全脳照射が検討されており、無

       作為のデータ解析で、PCIによりCR症例では生存率が向上する事がわかってきております。





       非小細胞肺癌;病期T期・U期の非小細胞肺癌は外科的な治療が標準療法です(肺葉切除)。近年の傾向

       では術前・術後の補助療法ではTB・U期にはカルボプラチンパクリタキセルorシスプラチンビノレルビン

       がTB腺癌ではUFTの有効性が示唆されており、標準化しつつあります。その他VA期では手術療法の成績

       は不良です。 切除可能な事例では、完全切除後、カルボプラチン+パクリタキセルなどの術後補助療法が

       採用されております。切除不能のVA期・VB期症例では、化学療法+放射線療法の同時併用療法が標準

       的な治療です。病期W期の非小細胞肺癌の遠隔転移を有する場合は、 (イリノテカンドセタキセルパクリ

       タキセルゲムシタビンビノレルビン)+プラチナ化合物併用療法(IP療法・DP療法・TC療法・GP療法・NP療

       法)が広く採用されております。 その他分子標的治療薬としてゲフィニチブエルロチニブなども奏功率、生

       存率の改善が認められております。





     
§5  肺癌(痛み・病気)の原因/肺癌/肺部/胸部/痛みと病気

       
肺癌の原因で第一に挙げられますのは

喫煙です。 しかも肺癌の死亡率は一日

の喫煙本数、 喫煙年数に比例します。

喫煙歴指標を御参考にご覧下さい。)

日本では腺癌が多いが、フィルタータバ

コや低タールタバコが普及し、 深く吸い

込む事が原因ではないかと、 指摘する

向きもあります。喫煙以外には、大気汚

染 (車の排気ガス中のベンツピレン、芳

香族ニトロピレンなど)、アスベスト、クロ

ム、砒素、ウランなどが考えられておりま

す。





      
* 三大症候問診;@咳(痰を伴なうか/湿性咳嗽・乾性咳嗽)、急性か慢性か、咳の良く出る時間帯)A

      痰(痰の性状と量、急性か慢性か)B呼吸困難(息切れ/程度、発症時期)



      
* 喫煙歴指標;@Blinkman指数=喫煙量(本)×喫煙年数(年)/1〜200:軽度喫煙者 201〜600:

       中程度喫煙者 601〜高度喫煙者  Apack-years=1日に吸う箱数×吸った年数






    
   * 肺癌/ステージ(病期)


    
   肺癌/TNM分類


      
T(tumor)/原発腫瘍の進展度.N(lymph node)/リンパ節転移.M(metastasis)/遠隔転移の3つの要素で肺癌の病

       期を分類する国際的方法です。この病期診断は治療方針、予後の予測をするうえで極めて重要な指針です。






    
   T(tumor)/原発腫瘍の進展度


Tx 細胞診で癌細胞が検出されるが、原発巣不明(原発腫瘍の評価が不可能か、または画像上又は、気管支鏡的には観察できないが痰又は気管支分泌物中に悪性細胞が存在することで腫瘍の存在が分かる時)
T0 原発巣を認めない
Tis 上皮内癌
T1 腫瘍の最大径が3cm以下で、(健常肺組織又は、肺胸膜に囲まれており)浸潤が臓側胸膜や主気管支に及んでいない。*1   主気管支に浸潤を認めても、気管支内に限局し、表層浸潤型である。(気管支鏡敵に癌浸潤が葉気管支より中枢に及ばないもの)
T2 腫瘍の最大径が3cmを超える。臓側胸膜に浸潤を認める。主気管支に浸潤があるが、気管支分岐部から2p以上離れている。無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが、片肺全野に及ばない。臓側胸膜に浸潤する腫瘍
T3 腫瘍の大きさに関係なく、直接浸潤が胸壁、横隔膜、縦隔胸膜、臓側胸膜に及ぶ。または
主気管支への浸潤が気管支分岐部から2p以内にあるが気管支分岐部に及んでいない。または
無気肺あるいは閉塞性肺炎が片肺全体に及んでいる。
T4 腫瘍の大きさに関係なく直接浸潤が縦隔、心臓、大血管、気管、食道、背骨の椎体、気管支分岐部に及ぶ。同一肺葉に散在する腫瘍結節。悪性胸水がある腫瘍。*2


       *1 大きさに無関係に腫瘍の浸潤が気管支内に限局しているまれな表層浸潤型のもので、腫瘍が主気管支

       に及ぶものでもT1とする。



       *2 肺癌と関係のある胸水の多くは腫瘍によるものである。しかし、中には何回にも及ぶ細胞診検査にて陰

       性の例もある。非血性で非滲出性である。この様な場合は胸水が腫瘍と関係ないこと、胸水の性状を臨床

       的判断で決め、その病期から除外し、T1、T2又はT3とする。





    
   N(lymph node)/リンパ節転移


                                                           -肺周辺リンパ節位置の概要-

NX 所属リンパ節の評価が不可能
N0 リンパ節に転移していない。
N1 癌が発生した側の肺門リンパ節や肺内リンパ節への転移や浸潤を認める。
N2 癌が発生した側の縦隔リンパ節への転移がある。
N3 癌が発生した側と反対側の縦隔リンパ節や肺門リンパ節、鎖骨上窩リンパ節、前斜角筋リンパ節への転移が認められる。


      
* センチネルリンパ節

       乳癌のセンチネル(見張り)リンパ節はよく知られる様になっておりますが、 肺癌のセンチネルリンパ節は

       の中や周囲の血管とリンパ節が網の目のように複雑に索合しておりますのでその存在位置を特定するのが

       難しく推測では肺の中にあると考えられておりますが その様なわけで、 現時点におきましてはセンチネルリ

       ンパ節生検は行われておりません。 癌のリンパ節転移はルートがあると考えられており最初にセンチネルリ

       ンパ節を経由するため、センチネルリンパ節さえ特定できればそのリンパ節(1〜2個)を生検する事によ傍、

       系列リンパ節を郭清するか否かを判断できます。






    
   M(metastasis)/遠隔転移


MX 遠隔転移の評価が不可能
M0 遠隔転移していない。
M1 他の臓器への転移があるか、2箇所以上の肺葉に癌を認める。





    
   病期分類/肺癌/TNM分類

潜伏期 Tx N0 M0
0期 Tis N0 M0
TA期 T1 N0 M0
TB期 T2 N0 M0
UA期 T1 N1 M0
UB期 T2 N1 M0
T3 N0 M0
VA期 T1 N2 M0
T2 N2 M0
T3 N1、N2 M0
VB期  Tに関係なく N3 M0
T4 Nに関係なく M0
W期 T、Nに関係なく M1
                                                           
          
by UICC





       
* 喀痰細胞診3日連続、3回喀痰を採取します。蓄痰・集細胞法が広く採用されております。


* ばち指 * 小細胞肺癌・非小細胞肺癌





       
* LD/ED分類;LD(limited disease/限局型)は腫瘍の進展が一側胸郭・同側肺門リンパ節・両側縦隔・鎖骨

       上窩リンパ節に留まるものであり、 ED(extensive disease/進展型)は腫瘍が限局型の範囲を超えて、進展

       したもの。(同側の胸水貯留はLD)



       
* 対象病変(target lesion)評価

        完全効果(complete response/CR)臨床的に観察しうる全ての腫瘍が完全に消失

        部分効果(partial response/PR)腫瘍の最大径が30%以上縮小したもの

        憎悪(progressive disease/PD)腫瘍の最大径が最大縮小時の20%以上増大or新病変出現

        不変(stable disease/SD)CR・PR・PD以外のもの



       
* 対象外病変(nontarget lesion)評価

        CR 全てのnonta-get lesionの消失と腫瘍マーカーの正常化

        不完全効果/不変(imcomplete response/SD)対象外病変が不変or腫瘍マーカーが正常化しない

        PD 新病変の出現or対象外病変の明らかな増大

















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