子宮内膜症・症状・痛み・病気
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子宮内膜症・症状/痛みと病気
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子宮内膜症・症状/痛みと病気
子宮内膜症/子宮部/.部/痛みと病気
§1
子宮内膜症(痛み・病気)の症状/
子宮内膜症/子宮部/.部/痛みと病気
生理中、経血量がそれ程でもないのに
加齢と共に下腹部の痛み
や
腰の痛みが増強
してきたり、
排便やセ
ックス時にも下腹部が痛む事がある
。月を追う毎に痛みが増す、痛みが急に激しくなった、鎮痛剤が効か
ないなどの場合は、受診する事が大切です。子宮内膜症は30歳代が最も多く確認される不 妊症の大きな
原因の一つです。自覚症状の訴求順から上げてみますと、
生理痛
(子宮内膜症の90%近くの人が訴えま
す→月を追うごとに酷くなる、寝込むなど)、
下腹部痛
(70%以上の人が癒着などが原因の痛みを訴えま
す)、
レバー様の塊の確認
(70%弱の人が
訴えます、血液は普通固まりますが、経血
は酵素の働きで固まらずに排血します。経
血量が多いと、この酵素の働きが間に合わ
ず、塊として経血に混じります。
子宮腺筋症
の場合、過多月経が特徴です。)、
腰痛
(6
0%の人)通常、お腹側に前屈すると子宮が
腰側に屈曲するため腰痛として、自覚しや
すくなります/子宮が
ダグラス窩
に癒着する
など)、
排便痛
(.の奥が痛んだり、血便
を伴なう事もあり、60%弱の人、痔と間違え
る事もあり、血便があればすぐに検査を→
直腸などの悪性腫瘍ではない事を確認す
る意味でも)、
腹部膨満感
(50%半ばくらいの人)、不 妊状態(半数の人)、
生理経血量が多い
(60
%半ば
くらいの人)、
セ ス痛
(半分弱の人セ スによる激痛、鈍痛が起きるためが辛くなります。体位の工
夫で病巣を刺激しないようにして、軽減もできます。
ダグラス窩
に癒着や硬結があると、ペニスを挿入され
たり、動いたりする事で、膣の奥の方に激痛が走ったり、鈍痛を感じたりします。)、
疲労感・消耗感
(40%
強くらいの人)の様になっております。その他
吐気や嘔吐
(月経痛を引き起こすプロスタグランジンは子宮
を収縮させるばかりでは無く、胃や腸を収縮する働きがあり、それが吐気や嘔吐、下痢を起こすと考えられ
ております。)などもあります。
§2 子宮内膜症とは
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子宮内膜症/子宮部/.部/痛みと病気
子宮内膜は子宮の内側を覆う膜の事です。この病気は最近では10歳代後半から子宮内膜症も増えてお
り、30歳代〜40歳代に多く、30歳代の女性の10%が子宮内膜症という病気に悩まされているといいます
が、罹患人数は分かっておりません。子宮、卵巣、骨盤内に出来易く、多くの場合は月経困難を訴えます。
月経と共に、病変部からしばしば出血します。卵巣内に出来るとチョコレート嚢胞と呼ばれる大きな袋状の
組織を形成する病気です。子宮内膜症が有りますと、卵巣や卵管が線維組織で癒着している事も多い病
気です。子宮内膜は女性ホルモンの影響を受け、周期的変化をします。子宮内膜症で卵巣に病変部があ
る場合は、子宮内膜組織が排出できないためにチョコレートを溶かした様な暗赤色の古い血液が溜まって、
卵巣は腫れ、骨盤子宮内膜症の一種になるため、注意しなければなりません。この
卵巣チョコレート膿腫
は
生理時の下腹部痛や腰痛
(無症状もある)などですが、
破裂してしまいますと下腹部激痛
、
開腹手術が
必要になる急性腹症にもなります。(チョコレート嚢胞の
参考図
も宜しければご覧下さい)
子宮内膜は毎月、月経周期に合わせて、
女性ホルモンの作用で、厚く、柔らか
に増殖しますが、妊娠が成立しなけれ
ば、剥がれ落ち、月経になります。こ
の子宮内膜によく似た細胞組織が子
宮以外の内腔に飛び火して、増殖を
する事があります。 肺や肋膜にさえ
飛び火する事もあります。
子宮内膜症が発生し易いのは、腹膜、
直腸と子宮の間の
ダグラス窩
、卵巣な
どです。(右図を御参考にご覧下さい)
この飛び火した内膜は妊娠が成立しな
いと剥がれ落ちて月経となりますが、体
外に排出する出口が無いため、これが
(古い血液が)身体の中に溜まり、血腫
や嚢腫になります。腹膜病変や卵巣チ
ョコレート嚢腫は破けたり、周辺の臓器
と癒着したりします。飛び火内膜が月経
の毎に剥がれ落ち、その傷付いている
部分も、癒着を起こし易くなります。癒
着病巣が広がれば、不 妊の原因にもな
ります。あるいはその部位が硬結(固い
瘤)にもなり、
痛み、不快感を招きます
。
§3 子宮内膜症の検査
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問診や内診、超音波検査などを経て腹腔鏡による確定診断となります。確定診断までの臨床検査では、
子宮内膜症の疑いという事になりますが、腹腔鏡による診断で、最終確定することになります。確定診断
では、全身麻酔により、臍周辺に直径5〜10o程度に開けられた、数個の小さな穴から、内視鏡を入れ、
モニターで確認します。この腹腔鏡検査では検査と同時に、病巣を切除したり、癒着を剥がす治療を同時
に実施する事も多い。臨床診断では、問診の後、内診を行います。
これは双合診といい、膣の中に指を入れ
、もう一方の手はお腹の上から押さえる
ようにして、卵巣や子宮の状態を確認し
ます。これにより、子宮や卵巣の腫れ、
痛みを確認します。更に内診で病変が
ある疑いがある場合や、セ ス痛や排便
痛がある場合などでは、直腸診も行う
事になります。これは、.から指を入
れ、直腸のシコリなどを確認します。膣
と.の両方から指を入れて触診する
複合直腸診により、病変の状態をより明
確に捕らえる事も試みる事もあります。
超音波検査(エコー)は経膣法という、膣から発信子を入れて調べたり、お腹に当てて(経腹法)調べて、画
像で確認します。子宮内膜症では経膣法が一般的に選択されます。 超音波検査は
チョコレート嚢胞
や
子宮腺筋症
の診断に有効な方法とされております。子宮内膜症は卵巣に発生するケースが多く、そのため、
内膜症の半数近くの人はチョコレート嚢胞があるとも考えられております。
血液検査では腫瘍マーカーCA-125での確認も行われます。また、治療効果を確認するときも腫瘍マーカ
ーは使用されます。
§4 関連検査値・基準値
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尿潜血
§5 子宮内膜症の療法
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子宮内膜症はホルモン療法で効果が無い場合には、開腹手術、複腔鏡による手術などになります。
§5−1 子宮内膜症の薬物療法/
子宮内膜症の療法
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ホルモン療法
(エストロゲンの分泌を抑え、月経を止めることにより症状を軽減したり、進行を抑える)で
は偽妊娠療法(
低用量ピル/OC
)、
ダナゾール
療法(内服薬)、偽閉経療法(ゴナドトロピン分泌抑制によ
る低エストロゲン状態にする
Gn-RHアゴニスト
療法)、ゲスターゲン(黄体ホルモン薬)、症状が軽い場
合には、鎮痛剤や漢方薬で痛みを抑えながら様子をみます。鎮痛剤はプロスタグランジンを抑制する働
きがあります。子宮内膜症は良性の病気ですが、月経がある期間は、完治の難しい、再発のし易い特徴
がありますが、症状軽減の効果のある薬や
期待される薬
も開発されております。
*
低用量ピル/OC
;
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを合わせたもので、脳の下垂体に働きかける。近年主流
になっている手法で、妊娠している状態を作り出し、月経時の子宮内膜の増殖を抑え、症状を軽減させる。
副作用が少なく、症状を抑える効果も高いとされる。
*
Gn-RHアゴニスト
;更年期症状に似た副作用が起こるので、継続使用期間は6ヶ月程度です。脳の視床
下部から分泌されるホルモンの一部から作られた合成ホルモン。 点鼻薬・注射薬で副作用としてのぼせ、
発汗、頭痛、倦怠感、骨粗鬆症、うつ症状などがある。脳に作用し、女性ホルモンも分泌を抑え、一時的な
閉経状況を作り出す事で症状を緩和する。
*
ダナゾール
;
更年期症状に似た副作用が起こるので、継続使用期間は4〜6ヶ月程度です。男性ホルモ
ン系のステロイド剤。脳や卵巣に作用して、女性ホルモンの分泌を抑えます。一時的に月経を止め、症状を
緩和し、チョコレート嚢胞などの病巣を縮小させる作用もある。効果は高いが、体重増加、にきび、毛が濃く
なる、声が低くなる、血栓症、肝機能障害などの副作用がある。
*
ディナゲスト
;黄体ホルモン系の薬で、
Gn-RHアゴニスト・ダナゾールに比べ、更年期症状はかなり軽度と
されます。副作用が少なく、病変そのものの縮小に効果があるとされ、今後の薬物療法として期待されてお
ります。但し、痛みを伴わない不正出血を伴う場合があるとされます。
*
チョコレート嚢胞
;卵巣内に子宮内膜症が発生しますと、月経の度に出血した古い血液が溜まり、チョコ
レート色のドロドロの嚢胞になり、これは卵巣の腫れの原因や、卵巣の破裂の原因にもなります。破裂すれ
ば血液は腹腔内に流出し、激しい痛みを伴います。 チョコレート嚢胞は周囲の組織と癒着もし易く、月経以
外のときでも下腹部痛の原因になったり、腰痛を感じるようにもなります。 更に、不 妊の原因や茎捻転を起
こす原因にもなります。チョコレート嚢胞は、癌化する危険性も指摘されております。
*
子宮腺筋症
;子宮内膜の組織が子宮の壁(筋層)の中に入り込んで増殖したもの。この子宮内膜組織は
月経の度に出血を繰り返し、子宮は徐々に大きくなり、酷い月経痛を起こします。進行すれば、月経時以外
でも痛みは続き、経血量も多くなるために慢性の貧血になっているケースも多々あります。また、子宮腺筋
症は他の部位の子宮内膜症や子宮筋腫と合併しているケースも少なくなく、症状は重くなり易い。
§5−2 子宮内膜症の手術療法/
子宮内膜症の療法
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薬物療法で効果が上がらなければ、手術が選択されます。手術療法には腹腔鏡下手術と開腹手術があ
り、腹腔鏡下手術は傷も小さくて済み、主流となっております。病巣が大きい場合も、手術療法が適応と
なります。
腹腔鏡下手術
;腹腔鏡下手術で可能なものは、癒着部位剥離、高周波電気凝固(小さな病変を熱で凝固
させます)、卵管通水(卵管の中を綺麗にします)、
チョコレート嚢胞
(嚢胞が早期の段階の場合、一部の
病変を摘出できます)を切除、摘出する
、 腹腔内洗浄(腹腔内を生理食塩水で洗浄、吸引します)、
など
です。腹腔鏡下手術は直径5〜10o程度のスコープを腹腔内に入れて、モニターで確認しながら、手術
をするもので、傷は小さくて済みますので、侵襲は少なく、通常、入院期間も数日程度で済みます。腹腔
鏡下手術は
ダグラス窩
や卵巣の裏側などの目視では確認しにくい部位もスコープで拡大確認できますの
で、病変を確実に取り除く事も可能ですが、一方で腹腔鏡の操作などは習熟が必要で、経験の豊かな医
師の下で手術を受ける事が望まれます。
開腹手術
;癒着が酷いケースや腹腔鏡下手術でこなし切れない場合、嚢胞が大きい場合などは、途中か
ら開腹手術に切り替える場合もあります。開腹手術の場合は、広い視野を確保できるため、お腹全体をチ
ェックし易い、癒着は指先を使えるなどのメリットがあります。
§6 子宮内膜症の原因
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子宮内膜症という病気はまだその根本的な原因は分かっておらず、環境ホルモン、ダイオキシンが関係し
ているのではないかと考える向きもあります。(ダイオキシンの場合は、動物実験でその因果関係がありそ
うという報告があります。)しかし、大局的には、この病気は月経逆流説(子宮内膜移植説/逆流した経血に
含まれる子宮内膜組織が他臓器に転移、生着する)と腹膜化生説(体腔上皮化生説/腹腔内を覆う漿膜が
何らかの原因で子宮内膜に変化する)の二つが世界的な流れの様です。
激しい月経痛・腰痛は子宮内膜
症の最も特徴的な症状と言っても過言ではありませんが、内膜の剥がれ落ちた部位が癒着を起こしている
場合には、
ちょっとしたきっかけでも、臓器や腹膜が引きつれを起こし、月経以外の時にでも痛みや不快感
を感じるようになります。この部位が硬結と呼ばれる、固いシコリが出来ておりますと、これがセ ス痛や排便
痛、不 妊の原因にもなります。 セ ス痛や排便痛は
ダグラス窩
という部位に発生しますと起こりますが、この
部位に発生する場合深部子宮内膜症と呼ばれ、腹腔鏡で発見される事が殆どです。痛みの原因に挙げら
れる最も見つけ難い子宮内膜症で、内診や直腸診の際に子宮の可動性や痛みの度合いで発見される場合
もあります。
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