床ずれ(褥瘡)・症状・痛み・病気

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床ずれ(褥創)・症状/痛みと病気




     
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床ずれ(褥瘡)・症状/痛みと病気



     
床ずれ(褥瘡/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気


       
褥瘡は身体の骨の突出部にある皮膚や、皮下組織が持続的に圧迫され、血行障害を起こし、その部分の

       機能が停止し、栄養が不足して、皮膚が崩れて行く状態です。通常、人は200r/hg以上の圧迫が2時間

       以上持続しますと、その圧迫されている部位が壊死するとされております。圧力がそれ以上高ければ、より

       短時間で褥瘡は発生します。体位交換を2時間ごとに行う根拠がここにあります。




     
§1  床ずれ(褥瘡(痛み・病気)の症状/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気



分類
第一度 火傷した皮膚のように赤い斑点が出来る。「発赤」「紅斑」といい初期症状として圧迫された部分の皮膚がうっすらと赤くなる。表皮が炎症を起こしている状態。
第二度 広範に水ぶくれが出来たり、ただれたりする。傷の深さは表皮からその下の真皮の上部まで及んでいる。
第三度 傷が悪化し、皮膚の深いところにまで及び、皮膚の下の皮下脂肪層まで到達する。体液(浸出液)がにじみ出し、細菌が傷に感染し、周辺の組織を侵す。黄色い壊死組織を生じ、傷はだんだん深い潰瘍となる。
第四度 傷は皮下脂肪にとどまらず、その下の筋肉、腱、酷い場合は骨まで進む。壊死組織や膿、浸出液が傷の周りに沢山付着し、更に周辺へと傷が拡大する。









     
§2 床ずれ(褥瘡)(痛み・病気)の好発部位/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気




圧倒的に多い部位は、仙骨部で、次いで

足・足関節部、次が大転子部です。骨の

突出部位は、脂肪組織が少なく、必然的

褥瘡はこの突出部に好発します。仙骨

部は仰臥位で体重の約44%の圧力がか

かると考えれております。




     
§3 床ずれ(褥瘡)の治癒過程/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気


       黒色期、黄色期、赤色期、白色期に分類されます。夫々の段階での治療方法と呼応しているので治療のた

       めには便利な方法です。黒色期と黄色期、又黄色期と赤色期が混在する事が多々あります。



     
§4  床ずれ(褥瘡)の療法
/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気


       
外用療法と外科的治療がありますが、皮膚の傷ですので、外用療法が基本です。外用療法の原則は@環

       境を整え、(患者さんを清潔にすること、栄養状態を向上させる事、体位交換を行うことで予防する。)傷をキ

       レイにする。(細菌との戦いを中心とした創傷の清浄化)A創傷治癒を促進させる事、となります。



@の傷をキレイにする方法 a、創面と周辺の皮膚を保護し、清浄化する。b、湿潤環境を保持する。c、壊死組織を取り除く。d、細菌感染を防ぐ。
A創傷治癒を促進するため a、肉芽組織の促進。b、上皮形成への促進。(有効手段が難しい)
浅い床ずれの場合、体位交換や清拭、オムツ交換などを頻繁に行って、深めのものまで治してしまった例は多いのですが、基本的なケアが手薄だと、浅い床ずれでもあっという間に悪化する事もります。仙骨部の床ずれは特にオムツによるムレに注意する。吸収の良いオムツを使用したり、あるいはカテーテルを使って床ずれの周辺がジクジクしないようにします。外用薬の選択は医師しかできないので、医師の指示に従いましょう。







     §5  床ずれ(褥瘡)の危険因子・予防因子/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気


        
§5−1 床ずれ(褥瘡)の原因/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気

持続的圧迫 寝たきりになって体位交換が出来ない、動く意欲が無い、知覚障害がある、関節の拘縮がある。長時間、体位が同じ、寝衣が窮屈で圧迫する、装具着用による圧迫、寝具のシワや重さなど。
全身の状態が悪化する 栄養状態の悪化やそれによる痩せ、貧血になる、むくみが起きる、難知性の基礎疾患(例;糖尿病、大腿骨頸部骨折など)があります。(床ずれの傷に様々な治療をして治りかける、治癒するとしても全身症状が悪化して、たちまち再発、悪化する事があります。)皮膚・筋力の低下、高齢者の皮膚
局所的なケアが不十分 尿失禁がある、スキンケアが不十分、皮膚の摩擦やズレがある。オムツによるムレ、汗・尿などによる皮膚の長時間汚染・湿潤。
摩擦 皮膚と皮膚の接触、寝具などによる摩擦、ずり落ちた姿勢による摩擦
在宅介護が難しい 福祉サービスを充分利用できない、家庭での介護が困難。




        
§5−2 床ずれ(褥瘡)の予防三大ポイント/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気

体位交換 長時間の体重の圧迫を避けるために体位の交換をします。二時間以内の体位交換や、計画的な交換スケジュールにします。座位時間も増やします。介護者や患者さんが負担にならないように心がけます。病人用ベッドや、エアーマットなどの導入の検討もしましょう。体重が身体の特定の一箇所を圧迫するのが第一の原因ですが、寝たきりになると皮下の末梢血管の血流は極端に悪くなります。そこに圧迫が加わるので、この圧迫を取り除くために一定時間ごとに体位交換をする必要があります。一般的には2時間ごととされます。これは個人差もあると考えられますが、体位交換に加え、ほかの方法を検討する事も大切です。クレーターマットレスや、ウォーターベッドなど

体位交換のスケジュールは患者さんの生活リズムに合わせて組みます。ポイントの時間は目覚め、清拭、食事、着替え、シーツ交換、入浴、昼寝などで、2〜4時間間隔で行うように工夫します。座位の時間を長く取ると床ずれの原因になります。仙骨下部に床ずれが出来易くこれが座位の時間と関係があると思われます。
栄養 床ずれが出来易いかどうか、出来た時に治り易いかどうかは全身の栄養状態と深い関係がります。栄養状態のチェックは、主に顔色や皮膚の艶、いつもと比べて動作がスムースがどうかなどで判断します。体重の減少に気をつけ食事が充分取れているかどうかを見ます。良質の蛋白質の摂取、脂肪、ビタミン、ミネラルなどが問題ないか、栄養バランスを考え、食べ易い方法に配慮したり、多量の水分摂取も必要です。食欲不振の時には栄養補助食品も使用する。低蛋白症は寝たきりの状態が続くと殆どの患者さんに起き易い。この場合皮膚が全身の皮脂欠乏症状(皮膚が乾燥し、かさかさした状態になります。外からの軽い刺激で用意に傷つきます。
スキンケア 患者さんの清潔を保つ事と、皮膚を乾燥から守るという2重の意味があります。皮膚が常に尿や便、汗に曝されていると炎症を起こしやすくなります。刺激を与えないように清拭したり、床ずれのでき易い部分に水溶性ワセリンやクリームを塗って尿や便が皮膚に浸透しないようにするのも大切です。

お年よりは場合はまた、床ずれができ易いだけでなく治癒能力も低下しています。皮下組織の細胞間の隙間が大きいため、絆創膏を長い間張っておくと、はがす時に皮膚まで剥がれるなどのこともあり、長い間の病床生活で皮膚が外的刺激に曝されなかったことなどで皮膚の生理機能が著しく低下しています。そのためちょっとしたかすり傷から大きな潰瘍になることもあります。皮膚の知覚能力も低下しているので、痛みに対して鈍感になり、軽い外傷も気づかない事が多く治りにくい様です。(皮膚の代謝機能が50歳を超えると10歳ごとに10%ずつ真皮層の細胞再生能力が低下していくといわれます。)

床ずれから検出される細菌にはグラム陰性桿菌や嫌気性菌が多く見られます。これは湿ったところを好む細菌で、尿や便による汚染にも深く関係しています。即ち、皮膚の代謝機能が低下して、傷の再生能力が弱まると、圧迫で出来た発赤や引っかき傷が、尿や、便などの汚れによって簡単には治らない潰瘍になってしまい、それが床ずれになります。)

@皮膚を清潔にし、ジクジクしないように乾かしておくA皮膚がかさ付かないように保湿クリームなどでスキンケアをする。些細な傷から感染症をおこす。B清拭、入浴を積極的に行い、血液循環を促がす。Cカテーテル、吸水性の高いオムツなどを使って失禁のコントロールをする。通気性に考慮する。皮膚や寝具の乾燥に努める。D日光浴をおこなう。E痒みがあるときは保湿性のローション、クリームなどをつける。F寝衣や寝具のシワに気をつけるG介護用具使用時に皮膚に傷を付けない


         その他、患者さんの精神的な落ち込みに対しても、細かい心配りをしなければなりません。車椅子の場合

         の好発部位もあります。それは臀部、アームレストにあずける肘関節部であり、車椅子では座面と上体の

         角度、膝の角度、床面と足底の角度が夫々、90度を保つ90度ルールで利用者は圧力を分散でき、予防

         につながります。




         * 寝たきりや車椅子などの方には、体の重みが一点にかかり、それが床ずれの原因の大きな要因になっ

         ておりますが、 皮膚が弱くなっておられる御高齢の方は、特に発生し易いといえます。ひどければ、数時

         間で発生する事もあります。チェックポイントは既にご紹介致しましたが、特にご注意頂きたいのが、腰や

         かかと、肘、尻などを中心とした部位です。 皮膚が赤や紫に変色している様でしたら、 直ぐに体の位置を

         変えて、変色が消えるまでその部位は圧迫しない様に、注意して下さい。また、食事には皮膚や粘膜を強

         くするビタミンA、ビタミンE、マグネシウム、亜鉛などを多く含有する食材も選びます。 緑黄色野菜や、ナッ

         ツ類、牡蠣などが薦められております。肌の弾力を保つためには、鶏の手羽先、牛筋などでコラーゲンを

         補給する事も進められております。




         * 床ずれ専用ピロー;寝たきりになりますと褥瘡(床ずれ)や拘縮に注意が必要になりますが、専用のピロ

         ー(クッション)による適切なポジショニングを確保する事ができます。 ある事例では、 「仰臥位(上半身は

         上向き)の女性の腰から下は右に倒れており、 腕は胸の上で(ぎゅっと)曲がったままで、非常に辛そうな

         状態でした。 そこで、専用ピローを曲がった脚の下に大きく入れ、 腕をしっかり支えられる様なピローも置

         いた。10日後には女性はかなり楽そうな状態であり、臀部の赤みも無くなっていた。」というものです。一方

         で、ポジショニングピローの的確な使い方は難しく、メーカーや専門家のアドバイスが欠かせないとしていま

         す。更に、「良い姿勢は呼吸や内臓にも関わる重要な事」と補足されております。





       §5−3 床ずれ(褥瘡)の全身管理/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気


全身管理スケール ゴスネルスケール、ノートンスケール、ブレーデンスケールなどがあるが、ブレーデンスケールが最も使用されている。優れた物差しがあっても最も大切なのは介護する人の温かく細やかな観察です。尿や便、体温、脈拍、食欲、動作、睡眠だけでなく、見落としがちな口の中や皮膚で赤くなったところはないか、オムツによるかぶれは無いか、などのチェックも大切です。
ブレーデンスケール @知覚の認識、A湿潤、B活動性、C可動性、D栄養状態、E摩擦とズレ、でこの6項目のうち丸E以外は各一点ずつの4点満点で採点し、Eの摩擦とズレは3点満点で採点する。比較的介護力の大きい病院、施設では合計点が13〜14点以下が、介護力の小さい施設、在宅治療などでは17点以下の場合に床ずれの発生のリスクが高いという報告があります。




       §6 その他/床ずれ(褥瘡)/腰部皮膚部/腰部/痛みと病気



         * 安静状態と廃用症候群


         
安静状態での身体の変化としては呼吸器は肺活量・酸素消費量の低下、循環器では心臓の仕事量の減

         少を図れますし、全身のエネルギー消費量の軽減ができますが、 一方で、長期の過度安静状態は廃用

         症候群といわれる身体や精神を使用しない事により生じる機能低下を招く可能性があり、この状態を回避

         するための配慮が大切になります。





         * 安静状態で考えられる身体の変化


         血圧調節機能低下/起立性低血圧 内臓機能低下/栄養障害 腎血流量の低下/尿路感染症・尿路結石

         活動力低下/筋肉の萎縮・拘縮 精神活動の低下/鬱状態・見当識障害、痴呆 腰・背部痛 浮腫・褥瘡 

         心肺機能低下/動悸・息切れ・沈下性肺炎 骨萎縮/異所性骨化 関節拘縮/関節周囲炎










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