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くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
§1 くも膜下出血(痛み・病気)の症状/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
くも膜下出血は命に関わる病気です。症状で多く確認されるのは突然襲われる激しい頭痛です。ですが、頭
痛がする場合でもその頭痛の程度は様々で、 「それ程の痛みを感じずご自分で受診できる程度の頭が重く
スッキリしない・麻痺も痺れも無い」、という軽いものから、「頭痛で眼を覚まし、様子を見ていたが、だんだん
頭痛が酷くなってきた・軽い麻痺が出てきた」、というものや、「高血圧で通院していたが、突然ガーンという頭
痛を感じ、気を失ってしまった」というものまであり、 「突然起きる激しい頭痛」、 「これまで味わった事の無い
様なバットで殴られた様な激しい頭痛」「頭痛が継続する」、「意識喪失」、「吐気・嘔吐を伴う」、「麻痺・痺れを
伴う」など可能であれば判断を誤らないように注意する必要があります。激烈な後頭部の痛みは脳動脈瘤破
裂による出血でくも膜下周辺の神経や髄膜の神経や髄膜が強く刺激されるために生じます。出血量により頭
痛の程度は異なります。 頭痛など軽度のものもあるため、 軽く考えない様に気を付けなければなりません。
また突然の頭痛が数日にわたって続き、吐気を伴う場合は早急に受診するのは当然です。又、うなじの異変、
項部硬直に付いても知っておく必要があります。
追補:痛みが酷いために意識を失う場合もありますが、痛みという点では就寝時に前頭葉あたりに違和感を感
じはしたがそれ程痛くも無かった、痛みが続くので受診したところ、くも膜下出血と分かったケースもあるそうで
す。 受診して風邪との診断であったが、頭痛が徐々に酷くなるので、検査をしたらくも膜下出血であったという
事もあります。
* 雷鳴頭痛;突然の超急性発症型頭痛を「雷鳴頭痛」と言います。厳重注意すべき雷鳴頭痛の調査では11〜
25%がくも膜下出血、約20%が解離性動脈瘤、2〜6%が脳内出血とされています。この頭痛は片頭痛や運
動によって起きる労作性頭痛などと よく似た症状の頭痛も多く、
脳の異常の検査が重要になります。(雷鳴頭
痛の様な場合でもMRIで片頭痛と判別できない場合もある。) 専門医(頭痛外来)を受診し、経過も含めしっか
り確認する必要があります。
§2 くも膜下出血とは/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳や脊髄はくも膜という薄い膜で覆われております。 脳の動脈が何らかの原因で破れますと、このくも膜と
脳の隙間(くも膜下腔)に出血しますが、くも膜下腔は髄液で満たされておりますので、出血による血液がす
ぐに脳表面を覆ってしまい、くも膜下腔内圧をあげてしまい、
脳を圧迫してしまう結果になります。これが激
しい頭痛をきたします。
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動脈の壁の弱い部分が血圧や
血流などの長年の影響で少し
ずつふくらむと考えられその
動脈瘤の壁は通常の血管より
破れ易いと考えられます。発
症すれば15%は医療機関受
診前に、30%は破裂後48
H以内に死亡する。再出血の
ピークは発症当日です。最も
危険です。 |
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§3 くも膜下出血の死亡率/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
脳卒中の中でもくも膜下出血は死亡率が高く、 発作後1ヶ月以内の死亡率は30%程度で出血量が多けれ
ば、脳や脊髄が急激に圧迫されて、急死する事もあります。更に、最初の出血から24時間〜1・2週間以内
に再出血して死亡率を高める原因になっています。(くも膜下出血では、出血が一端抑制されたとしても、血
管の壁が脆くなっているために動脈瘤が再び破裂する可能性があります。)再破裂の確率は24時間以内が
最も危険で、6時間以内では約5%、一ヶ月以内では20〜30%の人が再破裂すると考えられております。
再出血死亡率は50〜70%に達すると報告されているデータがあります。
§4 くも膜下出血の原因/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
くも膜下出血は比較的若い40〜50歳代にも発症が確認されますが、女性の方が男性の発症の2倍程度
あります。しかも年齢を加えるごとに発症は増加しております。 その原因は脳動脈瘤で、脳の血管に出来
た瘤が破裂して発症するものが全体の80〜90%と考えられております。又、脳動静脈奇形、脳出血でく
も膜下腔が破れた場合にもなります。発症部位は血管が二股に分かれた部位に多発しますが、その原因
は判明しておりません。この動脈瘤は全人口の5%の人に有るといわれており、その20%程度の人がくも
膜下出血を起こすと考えられておりますので、 かなり危険な数値といわなければならないでしょう。発症リ
スクは喫煙、飲酒、高血圧が上げられ、過度の飲酒は特に危険とされております。
くも膜下出血は夏場よ
りも冬場に多く発症する事が確認されております。また睡眠時にも発症するとされますが、活動時に多いと
する報告もあります。この動脈瘤は必ずしも破裂するとは限りませんが、一端破裂してしまいますと、再破
裂する確率がかなり高く、くも膜下出血の予後を悪くする原因にもなっております。
§5 くも膜下出血の治療/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
くも膜下出血の治療は動脈瘤の再破裂を防止するために実施されます。 開頭手術は頭蓋骨の一部を外し
て治療する開頭手術と、カテーテルを太ももの動脈から挿入して治療する血管内治療法があります。開頭
手術にはクリッピング、トラッピング、コーティング、ラッピング術などがあります。 手術は心臓病などの重い
合併症がなく、や重度で瀕死の状態などのかなり条件の悪い場合を除き、実施の方向で、最重症の場合で
も、容態が落ち着いてくるようであれば、 実施の方向をとる傾向にあります。 治療は、発症後3日以内の実
施が一般的です。
§5−1 開頭手術/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
§5−1−1 クリッピング術/開頭手術/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
動脈瘤の根元をクリップで挟みこみ、 瘤に血液が流れ込まないようにする目的の施術で、これにより血液の
流れ込みを防ぎ、破裂を防止します。材質は金属製ですが、近年ではチタン製の物も用いられ、磁気を使用
する画像診断にも対応できる様になってきております。
§5−1−2 トラッピング術/開頭手術/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
クリッピング術が難しいような形状の瘤(動脈瘤が大きい、根元が太い)の場合には、トラッピング術が選択さ
れます。これは動脈瘤のある部位の両端の血管部分をクリップで止めて、血液が動脈瘤に流入するのを防
止する考え方です。 この場合、血液の流れは その血管を含めた部位が止められてしまいます。そのため、
部位によりバイパスを設ける必要の発生するケースがあります。
§5−1−3 コーティング術・ラッピング術/開頭手術/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
動脈瘤の形状が半球状の場合や、 動脈瘤の大きさが小さい場合にはクリッピング術が難しい場合があります
。これに対応するために、その動脈瘤を血管ごと接着剤で包んでしまう考え方をコーティング術といいます。動
脈瘤を覆う事により、強度を高めて破裂を防止しようとするもので、同様の考え方で、ラッピング術といい、患部
を筋肉片やガーゼで巻きつけるものもあります。但し、この方法は他の方法に比べますと予防効果が低いとさ
れております。
§5−2 血管内治療/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
血管内治療はカテーテルを太ももの付け根の動脈より挿入し、
頭部の患部まで導き、直接患部に施術できる
ため、開頭しませんので身体への負担が少なく、合併症のある人や、高齢の方への手術適応もあるメリットの
大きな方法といえます。管の直径は1o未満でありますが、長距離導入しますので、技術力も求められる高度
な方法です。血管を傷つけないような正確な操作がもとめられます。
§5−2−1 コイル塞栓術/血管内治療/くも膜下出血/脳部/頭部/痛みと病気
挿入されたカテーテルを患部まで導き、動脈瘤に細いコイルを詰めて血液が流れ込まないようにする方法で、
髪の毛ほどの細い形状記憶プラチナコイルが用いられます。コイルは動脈瘤に隙間無く詰められ、その後電
流を通してコイルを切り離して終了します。
* 項部硬直;項部はうなじの部位という事です。くも膜下出血を起こしている場合には首の筋肉が緊張していま
すので首が曲がらなくなることがあります。 脳にトラブルがありますと顎が胸に付かなくなります。これが項部
硬直です。項部硬直(うなじの部分)は発症直後に認めることは少ないといわれます。くも膜下出血(痛み・病気
)を起こして項部硬直を起こすのは、 炎症やトラブルがあるとその部分を守るため、自然に筋肉が収縮して硬く
なるためです。くも膜下出血(痛み・病気)を起こしている場合は、患者の頸部の力を抜いてもらい頭を持ち上げ
ると、首の筋肉が緊張しているので首が曲がらなくなることで判断できます。 (健常な場合は首を曲げると顎が
胸に付く)酷い場合は頭を持ち上げると棒のように身体が持ち上がる事もあります。出血の程度により意識障害
を伴う場合もあります。
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