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脊髄腫瘍/背上部骨部/背上部/痛みと病気
脊髄腫瘍には水平方向の断面(横断面)方向からの分類では硬膜内髄外腫瘍、硬膜内髄内腫瘍、硬膜外
腫瘍の3種類に分類され、垂直方向の上方より頸髄、胸髄、脊髄円錐部、馬尾腫瘍となります。
◎ 発生部位に基ずく分類
A 硬膜内腫瘍(50%)
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髄外腫瘍(70%) |
神経鞘腫 neurinoma |
神経線維腫 neurofibroma |
髄膜腫 meningioma |
血管腫 hemangioma |
脂肪腫 lipoma |
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髄内腫瘍(30%) |
上衣細胞腫 ependymoma |
星状細胞腫 astrocytoma |
血管芽腫 hemangioblastoma |
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B 硬膜外腫瘍(50%)
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転移性脊髄腫瘍 metastatic lesion |
神経鞘腫 neurinoma |
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◎ 発生母地組織による分類
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発生母地 |
良性腫瘍 |
悪性腫瘍 |
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脂肪組織 |
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脂肪腫 |
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血管組織 |
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血管腫 |
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血管芽腫 |
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抹消神経 |
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神経鞘腫 |
悪性神経鞘腫 |
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神経線維腫 |
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髄膜 |
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髄膜腫 |
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脊髄の膠細胞 |
中心管の上衣細胞 |
上衣細胞腫 |
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星細胞 |
星状細胞腫 |
悪性星状細胞腫 |
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§1 脊髄腫瘍(痛み・病気)の症状/脊髄腫瘍/背上部骨部/背上部/痛みと病気
硬膜内髄外腫瘍;腫瘍が脊髄のどの部位に位置するか、その発生部位により症状が異なります。占拠部位
に対応して、脊髄症状、馬尾症状、神経根症状、膀胱直腸障害などが生じます。 頸部、腰背部の局所の痛
み、運動時痛、四肢の知覚障害、異常感覚を自覚し、 次いで歩行障害、膀胱直腸障害などの麻痺が生じま
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す。 症状の出現は通常片側の圧迫で、脊髄の
切断・障害された片側同側が、運動麻痺、表面
・ 深部の知覚異常が生じ、その髄節以下には、
やはり同側に運動麻痺・ 深部知覚障害が生じ、
反対側に温痛覚の知覚異常を自覚します。 症
状の出現は通常は穏やかに進行し、末梢から
中枢方向に、 片側性から両側性に進行してゆ
きます。 |
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硬膜内髄内腫瘍;病変は髄内に有るため、脊髄空洞症に類似した症状になります。それは、髄節や外側皮
質脊髄路の障害を受ける事による限局した痺れ、痛み、重苦しさ、などの異常感覚を自覚し、 その後、徐々
に上肢の脱力、萎縮、前・外側脊髄視床路の障害により、解離性知覚障害を来たします。膀胱障害も後期に
発現します。
硬膜外腫瘍;局所の疼痛に始まり、神経根性の疼痛になります。発現する麻痺では、片側性の知覚運動障
害から、急激な両側性に移行し、麻痺は対性で、四肢麻痺にまで至ります。膀胱直腸障害も比較的早期に
認められる様になります。
§2 脊髄腫瘍(痛み・病気)とは/脊髄腫瘍/背上部骨部/背上部/痛みと病気
硬膜内髄外腫瘍;硬膜内髄外腫瘍には神経鞘腫、神経線維腫、髄膜腫、血管腫、脂肪腫、類表皮腫など
があり、中でも神経鞘腫、神経線維腫、髄膜腫が多い。
硬膜内髄内腫瘍;硬膜内髄内腫瘍には上衣細胞腫、星状細胞腫、血管芽腫(血管原性)、神経芽細胞腫、
白血病などがあります。
硬膜外腫瘍;大多数の場合は転移性であり、原発巣も肺癌、乳癌、消化器系の癌の順になっております。
まれには神経線維腫も確認されます。
§3 脊髄腫瘍(痛み・病気)の治療/脊髄腫瘍/背上部骨部/背上部/痛みと病気
硬膜内髄外腫瘍;症状から明らかであれば、手術療法は絶対の第一選択です。椎弓切除術及び硬膜切開
後超音波外科用吸引装置(超音波振動により破砕、乳化、吸引する方法で、血管や管腔組織は温存できま
す。)や顕微鏡下手術/マイクロサージェリー(顕微鏡下で臓器、組織、を拡大観察して手術をする。脊髄、
脳、神経、血管、眼科、耳鼻科、形成外科などで活用されている。)により、腫瘍の全摘出をします。
硬膜内髄内腫瘍;原則として、手術適応となります。その際、境界が比較的明瞭な上衣腫、血管芽腫に比
較して、星状細胞腫では境界が不鮮明のため、 全摘出術は難しいという問題があります。脊髄モニタリン
グ、超音波外科用吸引装置などにより、習熟したオペレーターによる顕微鏡下手術が必要となります。
硬膜外腫瘍;手術は良性の場合には顕微鏡下での摘出手術は可能ですが、転移性の場合には、重要臓器
への転移が有るか否かの確認、 全身状態、生命予後の考慮など総合的に判断し、放射線療法、化学療法、
免疫療法などが優先され、これらの療法が無効である場合、麻痺のある場合、不安定性が強い場合などで
は、後方除圧、脊柱再建術などが考慮されます。
§4 脊髄腫瘍(痛み・病気)の検査/脊髄腫瘍/背上部骨部/背上部/痛みと病気
硬膜内髄外腫瘍;単純X線検査では、椎弓根の菲薄化、骨性脊柱管や椎間孔の拡大、椎体後縁侵蝕像な
どが確認されます。CTでは脊柱管、椎管孔の骨性変化、石灰化を確認することができます。その他、MRI
での異常陰影、髄液異常などが認められます。
硬膜内髄内腫瘍;脊髄造影検査では膨錘状膨大が確認されます。MRIによる検査では髄内腫瘍の存在を
確認する事が容易になる、優れた検査となりました。その陰影によりますと、星状細胞腫の場合、辺縁が不
整、 不均一、 髄内偏在であり、上衣細胞腫 (脊髄の中心に存在する傾向がある)、
血管芽腫の場合には、
辺縁は明瞭であり、均一に描出されており、嚢腫を合併し易い特徴があります。
硬膜外腫瘍;脊髄造影検査、MRIでは脊髄の硬膜外に著しい圧迫陰影を認められます。
§5 脊髄腫瘍(痛み・病気)のその他の情報/脊髄腫瘍/背上部骨部/背上部/痛みと病気
硬膜内髄外腫瘍;圧迫性頸髄症、椎間板ヘルニア、多発性硬化症、脊髄空洞症などとの鑑別が必要になり
ます。症状は類似するも、画像により鑑別は可能であり、神経鞘腫の場合には、多くの場合、後根神経から
発生し、砂時計状に拡大し易い傾向があります。 髄膜腫では、多くの場合、くも膜から発生し、中年の女性
に多く確認され、石灰化も伴ないます。
硬膜内髄内腫瘍;脊髄空洞症の場合には、MRIのガドリニウム造影では造影されません。脊髄拘束はMRI
上の脊髄の腫大は無く、造影も確認されません。この様な特徴が有りますので、鑑別上、注意が必要にな
ります。
硬膜外腫瘍;硬膜外血腫の特徴としては、出血性素因、血液疾患の合併症、血管奇形からの出血などによ
り、急激な背部痛と急激に進行する運動麻痺が確認されます。 一方、硬膜外膿瘍の特徴としては、全身倦
怠感、背部痛、発熱、傍脊椎部の腫脹、圧痛、神経根症状、などが上げられ、進行した場合には、脊髄、神
経根知覚運動麻痺を来たす様になります。
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